アポローン(6)/ニオベー1 久しぶりのギリシャ神話.よく知られているアポローンの神話の一つ. 「 ニオベーが自慢話でレートーを怒らせたためかの女の子供たちを殺害」 よく知られたギリシャローマ神話原典で取り上げられ,また,後世の画家・彫刻家・音楽家たちの題材となっています.例えばダヴィッドの「ニオベの子供たちを矢で貫くディアナとアポロン」ニオベは,アポロンとディアナの矢から末娘を庇っています.手前には王妃の13人の子供たちが傷ついたり死んだりしています.

少しずつ読み進め,ブログに書き記すことで学習してきたギリシャ神話.今は,アポローンアプロディーテーという二大スター?を平行して取り上げていました.

しかし,新型コロナのおかげで,中断また中断(勝手にそうしただけですが),でなかなか進みません.

 

久しぶりの今日は,アポローン

アポローンシリーズ(6)になります.

アポローン(1) アポローンはゼウスに劣らずたくさんの恋をし,子供もたくさんもうけていました. - yachikusakusaki's blog

アポローン(2) 予言と神託,音楽,歌と詩,弓術,癒し,疫病と病気,若者の保護を司るオリンポスの神.月桂樹の花輪と枝,弓と矢筒,カラス,竪琴などをシンボルとし,長い髪で髭のないハンサムな青年として描かれていました” 理性を体現したような癒やしの神であると同時に,非道に対しては残虐とも言える罰を下します. - yachikusakusaki's blog

アポローン(3) デロス島での誕生1achikusakusaki's blog

アポローン(4) デロス島での誕生2 - yachikusakusaki's blog

アポローン(5) ピュートーン(ピュトン)の殺害 - yachikusakusaki's blog

 

よく知られている次の12の神話の内,4番目.

ニオベーが自慢話でレートーを怒らせたためかの女の子供たちを殺害」

アポローンの最も知られている12の神話”

1. デロス島での誕生.

2. デルポイ(Delphoi)の神託を下す神殿を守っていた蛇のピュートーン(ピュトン)の殺害.

3.  神の母レートーを連れ去ろうとした巨人ティテュオスの殺害.

4.  ニオベーが自慢話でレートーを怒らせたためかの女の子供たちを殺害.

5.  サテュロスのマルシュアース(マルシュアス)との音楽コンテスト.敗れたマルシュアースは生きたまま皮を剥がされた.

6.  円盤投げで殺されて花になった青年ヒャアキントスへの愛.

7.  彼から逃れて月桂樹に変身したニンフのダプネー(ダフネ)への愛.

8.  不義のためにアルテミスに殺させたコローニス(コロニス)への愛.

9.  彼の息子アスクレーピオス(アスクレピオス)を殺すために使われた稲妻を捏造していたキュクロープス(キュクロプス)の殺害.

10.  アドメートス(アドメトス)の使用人となって奉仕した.

11.  デルポイの三脚の鼎(かなえ)をめぐってヘーラクレース(ヘラクレス)との争い.

12.  ギリシャ人に疫病をもたらし,パリスがアキレウスを倒すのを助けたトロイア戦争

 

アポローンは,姉のアルテミス(ディアナ)とともに,ギリシャ神話で最もカッコいい神だと思っていたのですが,ニオベーの物語を初めて知ったときは,ちょっとしたショックに見舞われました.

アポローンは怖ろしい神としての一面を持ち,今日から取り上げるニオベーの物語「ニオベーが自慢話でレートーを怒らせたためかの女の子供たちを殺害」と,上記5番目の「マルシュアース(マルシュアス)との音楽コンテスト.敗れたマルシュアースは生きたまま皮を剥がされた」では,その冷酷さが前面に出てきています.

 

ニオベーの物語は,イーリアスホメーロス),ビブリオテーケー(ギリシャ神話  アポロドーロス)さらには,転身物語(変身譚/変身物語/メタモルフォーセース  オウィディウス)など,よく知られたギリシャローマ神話原典で取り上げられ,また,後世の画家・彫刻家・音楽家たちの題材となっています.

 

明日から原典の物語を取り上げていくつもりです.今日は,ダヴィッド の有名な絵画とニッポニカ「ニオベ」を掲載して終わります.

 

Diana and Apollo Piercing Niobe’s Children with their Arrows by by Jacques-Louis David

「ニオベの子供たちを矢で貫くディアナとアポロンジャック=ルイ・ダヴィッド 1772

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Niobe - Wikipedia

 

この絵画は,ダヴィッド(ダビッド)が1772年に描いた作品で,アルテミスとアポロから子供を守ろうとするニオベー(ニオベ)を描いたもの.

Apollo and Diana Attacking the Children of Niobe - DMA Collection Online

による解説は次の通りです.

(原文英文 DeepL 翻訳)

テーベの女王であるニオベーは,アポロンとディアナの矢から末娘を庇っています.手前には王妃の13人の子供たちが傷ついたり死んだりしています.

この暴力的な場面は,1世紀のローマの詩,オヴィッド(オウィディウス)の『メタモルフォーゼ』から引用されたもので,自らの力と豊穣さを誇り,アポロン/アルテミスの母親に敬意を払うことを拒んだニオベーの罰を示しています

ジャック=ルイ・ダヴィッドは24歳のときに,フランス王立アカデミーの最高賞であるローマ賞の2度目の受賞を目指してこの絵を完成させた.惜しくも落選したダヴィッドは,その後,餓死しようとしました.幸い,仲間の画家に説得されてアカデミーに復帰し,1774年にようやく受賞することができました.

 

 

ニオベ

におべ Niobe

ニッポニカ   ニオベとは - コトバンク

ギリシア神話のタンタロスの娘.竪琴(たてごと)の名手アンフィオン(アムピーオーン)の妻で,2人の間には7男7女,あるいは10男10女,または六男六女が生まれたという.このようにニオベはとにかく子宝に恵まれていたので,ゼウスとの間にアポロンとアルテミス(ディアナ)の一男一女しかいないレトよりも自分のほうが優れていると誇った.

そこで怒ったレトはわが子に復讐(ふくしゅう)を求め,アポロンはニオベの男の子を,アルテミスは女の子をそれぞれ射殺した.一説には父親のアンフィオンもこのとき射殺されたと伝えられている.

母親のニオベは嘆き悲しんで石に身を変じたが,その石はリディアのシピロス山上にあるという.あるいは,ニオベは父タンタロスの住むシピロス山へ逃れてそこで泣き続け,石と化したともいう.この山には後世までその石があったといわれ,パウサニアスなどは『ギリシア誌』に実際にこれを見たと記している.

ニオベの伝説は,ホメロスを初見として文学の素材に繰り返し用いられ,また壺絵(つぼえ)や彫像などにも,アポロンとアルテミスに射られるニオベの子供が好んで描写されている.

[伊藤照夫]

 

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