スパイス/ハーブ

トウガラシ2 今日は二つの,やや離れた内容を二つ. 一つは欧米の言語におけるトウガラシとコショウの混乱.こちらが大部分です. 二つ目は,ホールタイプのトウガラシを使用したレシピについて. 「コショウを探してトウガラシを見つけたスペイン人は,純粋な混同から(あるいは面目を保つために),発見した実を 'red pepper' と名付けた」と言われています.混乱は今でも続いていますが,英米語の混乱が最大.呼び名の混乱は,red pepperとトウガラシを呼び続けている英国/米国に責任があるようにも--

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はトウガラシの2回目 スパイス(スパイス&ハーブ)5 トウガラシ2 今日は二つの,やや離れた内容を二つ. 一つは欧米の言語におけるトウ…

トウガラシ1 市販トウガラシのほとんどはトウガラシ属のCapsicum annuumという種で,鷹の爪もその一品種(スコヴィル値は4万〜5万).トウガラシの辛さの成分はカプサイシンで,その受容体は温度や酸によっても活性化され,痛みの受容体となっています(2021年ノーベル賞).「口腔内ののTRPV1 で辛味成分が受容されて痛覚と温度感覚が刺激され,スパイス自身の香りと相まって独特の風味がもたらされ,脳で統合しておいしさを認識」

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はトウガラシ. スパイス(スパイス&ハーブ)4 トウガラシ1 日本でいつも手に入る唐辛子と言えば-- 乾燥商品,一味,七味.そして最近は…

コショウ3 スパイス貿易と大航海時代 「ヨーロッパはコショウを求めてアジアにやって来た」 しかし---欧州で,どれほどコショウが必要とされていたのか? 本当にコショウを求めるだけのために大航海時代が始まったのか? 結果として,ヨーロッパによる世界の植民地化が行われたが,どこまでコショウが関わっていたのか? 「World History Encyclopedia」に,まとめられていました.1/2要約版で掲載します.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はコショウの三回目. スパイス(スパイス&ハーブ)3 コショウ3 スパイス貿易と大航海時代 「ヨーロッパは,コショウを求めてアジアにや…

コショウ2 植物としてのコショウ/コショウの生産  コショウはコショウ属のPiper nigrumというつる性植物の実.原産地は南インドの西海岸といわれています.コショウ属には,他にもスパイスとして利用されている種があり,ロングペッパー(ヒハツ)は日本でも手に入ります.そして,このロングペッパーのサンスクリット語が英語pepperの語源となっています.2020年のコショウの生産輸出国のトップはベトナムで世界の36%にのぼるとのこと.なお,日本に自生するフウトウカズラは,コショウ属ですが辛みはありません.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます). 今日はコショウの二回目. スパイス(スパイス&ハーブ)2 コショウ2 植物としてのコショウ/コショウの生産 コショウはコショウ目コショウ科…

コショウ1 黒コショウと白コショウ 日本でも,最近は黒コショウ・白コショウが普及しつつあります.黒コショウと白コショウは同じPiper nigrumの実で,作り方が異なります.辛み・風味・使用法についての解説は,日本語サイトと英語サイトでは異なる部分があります.日本/アメリカの製品・好みを反映したものかもしれませんが,素材による使い分けに英語サイトは触れていません.一方,英語サイトでは,「白コショウはフランス料理,中華料理,ベトナム料理などでよく使われる」としています.

スパイス(スパイス&ハーブ)について,簡単にまとめていこうと思います.シソ科のハーブについては,シソ目シソ科のシリーズで取り上げたので,今日からのまとめでは省きます. スパイス(スパイス&ハーブ)1 コショウ1 黒コショウと白コショウ コショ…

スパイスとハーブ.その違いは? 日本語の香辛料の意味は? スパイスとハーブ,さらには香辛料という言葉の違いについては,二つの説明があるようです.小さなちがいですが,1. 香辛料=スパイス>ハーブ 元々の意味としてはこちらが正しいようです.ハーブはスパイスの中に含まれる一群で,多くの場合,葉を利用するもの.スパイスは,辛みスパイス,マイルドフレーバースパイス,芳香性スパイス,芳香性ハーブ野菜に四分類できます. 2. スパイスは葉以外の部分を利用するもの,ハーブは葉を利用するもの.

最近話題としてきたシソ目シソ科の植物. 特にシソ科イヌハッカ亜科の植物には,料理用の香辛料として用いられているものが多数あります. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/07/18/234517 https://en.wikipedia.org/wiki/Basil 〜 https:/…

ミント/ハッカ属Mentha2 ハッカとmint/Menthaの語源/アップルミント/ヒメハッカ(シソ目第二十回/シソ科第十五回) mintは,もとをたどればギリシャ語 minthē(ハーブのミントに変身させられたニンフとして擬人化された名称)由来」 魅力的なハーブであるアップルミントは観賞用/グランドカバーとして広く利用され,葉は料理用ハーブとして,ミントティー等に用いられます. ヒメハッカの学名はMentha japonica.原産国である日本に由来.北海道と本州の固有種で準絶滅危惧種.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第二十回/シソ科第十五回 ミント/ハッカ属Mentha2 前回は,ハッカ属の植物として,代表的な3種,ニホンハッカ,スペアミント,ペパーミントを取り上げました. https://yachikusakusaki.ha…

ミント/ハッカ属Mentha1ニホンハッカ,スペアミント,ペパーミント(シソ目第十九回/シソ科第十四回) ニホンハッカはメントールの生産で,長い間主役を果たしてきた品種.調理等でペパーミントとスペアミントのどちらを選ぶかは,個人の好みと,料理に与えるインパクトによります.スペアミントは,ほのかな甘い香り・爽やかさがあります.ペパーミントはしっかりとした強い香りと味を誇ります.スペアミントにはメントールが含まれず,カルボンが主成分.ペパーミントには,メントールが精油の40%以上含まれています.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十九回/シソ科第十四回 ミント/ハッカ属Mentha1 英語のmintミントは,ハッカ属Menthaの総称として用いられ,日本でもおなじみの言葉です.以前はハッカという言葉が一般的でしたが--. …

サルビア属(アキギリ属)1 料理に使われるセージ・チア/危険なサルビア(シソ目第十七回/シソ科第十二回) サルビア属には,セージ・ローズマリー以外にも食用になる植物種があります.スパニッシュセージ,グリークセージは,セージの代わりに用いられたり,精油用に栽培されたりしています.先コロンブス期に広く利用されていたチアは,近年,代替作物や健康食品として注目されています.サルビア・ディヴィノルムには強力な精神作用あり,「合法的な」幻覚剤として使用する人が増え,日本,欧米で薬物規制の対象となっています.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十七回/シソ科第十二回 サルビア属(アキギリ属)1 料理に使われるセージ・チア/危険なサルビア 昨日取り上げたSalvia officinalis(common sage,一般的にセージと呼ばれる)は,料理…

セージ(シソ目第十六回/シソ科第十一回) Salvia officinalisは,欧米の料理に欠かせないハーブ. 花壇用とされるサルビア(イタリア語/ラテン語)の仲間です.サルビアの英語がセージ.特定するためにはcommon sageと呼びます.欧米の,特にギリシャ料理,イタリア料理には欠かせないハーブで,ソーセージ,鶏肉,魚の味付けに使われます.仔牛サルティンボッカやパスタ,ニョッキには,葉丸ごとカリカリにして用います.セージはローズマリーに似た,力強く支配的な風味を持ちます.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十六回/シソ科第十一回. セージ(Salvia officinalis, the common sage) https://en.wikipedia.org/wiki/Salvia_officinalis 茎葉はビロード状の白色軟毛に覆われています. 花もとても…

ローズマリー(シソ目第十五回/シソ科第十回) フランス料理地中海料理を中心に多様な使い方があります.ブーゲガルニ,エルドプロヴァンスのハーブとして.子羊や野菜のロースト/様々な地中海料理のブレンドシーズニングとして.パンにトッピング---- 名前はラテン語のros(「露」)とmarinus(「海に属する」)に由来します.以前のRosmarinus(属)は最近Salvia(属)に統合されました.マコーミックの解説文がとてもまとまっていたので,DeepL 翻訳して転載します.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十五回/シソ科第十回. ローズマリー Google ローズマリー 花 日本人にもよく知られるようになったローズマリー. 植物として育てたことはありますが,ハーブとしての使い方が私はまだよ…

オレガノ(シソ目第十四回/シソ科第九回) ピザやトマト料理でおなじみ.料理にパンチを加え,強くシャープな風味は,淡白な風味と強いコントラストをなし,力強く風味を増すためによく使われます.地中海沿岸の丘陵地帯と西アジアが原産で,語源は、ギリシャ語oreiganon(山の輝き/喜び).「古代ローマ人がオレガノを愛用したことで、オレガノはヨーロッパ全土と北アフリカに広まった」といわれています.精油の主成分はチモールとカルバクロール.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十四回/シソ科第九回. オレガノ ハナハッカ Origanum vulgare https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_image_slideshow&target_plant_code=537&num=2 料理への利用 ハーブ類の使い方…

タイム(シソ目第十三回/シソ科第八回) タイムはS&Bの宣伝では「タイムは肉料理・魚料理に」ですが,英語で検索では「あらゆる種類の肉,鶏肉,シチュー,スープ,卵,パスタ,野菜,豆類によく合う」ハーブ.「スペイン料理,フランス料理,イタリア料理,トルコ料理,ペルシャ料理,およびそれらから派生した料理の基本的な材料」とも.タイムの香り成分チモールは,うがい薬,洗浄剤、歯みがきに使われています.日本にもタイム属の植物が1種:高山植物イブキジャコウソウです.再録「ローランさんのラタトゥイユ」

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十三回/シソ科第八回. タイム タチジャコウソウ Thymus vulgaris https://en.wikipedia.org/wiki/Thyme https://ja.wikipedia.org/wiki/タイム 日本の食品売り場に,多種類のスパイス&…

シソ(シソ目第十二回/シソ科第七回) 日本の香味野菜の代表青じそ.梅干しにはなくてはならない赤じそ.シソは,日本の他,韓国,中国,ベトナム,ラオスなどでも食べられているとのことですが世界で最もシソを消費している国は日本ではないでしょうか.Shisoは英語になっています.栽培は奈良時代からとされていますが,縄文の遺跡からもみつかっているとのこと.ただし,出土した種子がエゴマではなくシソであるとの確証がどこまで得られているかは不明.植物としては,シソはエゴマの変種とされています.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十二回/シソ科第七回. シソ 紫蘇 Perilla frutescens var. crispa 青じそは日本の香味野菜の代表といってよいでしょう. そして,梅干しにはなくてはならない赤じそ. https://ja.wikipe…

バジル(シソ目第十回/シソ科第五回) イタリア料理に欠かせないバジルですが,インドをはじめとするアジアの熱帯地域が原産.日本へは江戸時代には渡来し,「めぼうき」と呼ばれていたとのこと.Ocimum basilicumとその栽培種が英語の一般名でBasilと呼ばれます.栽培種としてはジェノベーゼバジル等.地中海料理には様々な栽培種が使われているようですが,タイバジルは東南アジアで人気.香り成分はオイゲノール(クローブの香り)等.現代イタリアでは愛の象徴ですが,そのほか多岐にわたる文化的側面をもちます.

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第十回/シソ科第五回. バジル 欧米のハーブ類の中で,日本で最もポピュラーなハーブかと思います. 日本人に大人気のイタリア料理には欠かせません. 和名がメボウキ(目箒).種子はかす…

ラベンダー(シソ目第九回/シソ科第四回) 日本でも多く見かけるようになりました.イングリッシュラベンダーはL. angustifoliaと,その園芸品種の名.true lavender等とも.現在重要な産業ともなっている精油を採るために最適な品種.料理にも用いられます.フレンチラベンダーはL. stoechas,L. dentata等ですが,これらはスパニッシュラベンダーとも.ラベンダーの語源の現在の定説は“おそらくラテン語の lividus「青みがかった、鮮やかな」に由来する”

シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめるシリーズ シソ目第九回/シソ科第四回. ラベンダー 日本でも,公園や花畑で見ることが多くなっているラベンダー. 昨年の5月の旧江ノ島植物園/現「江の島サムエル・コッキング苑」の画像.「フレンチラベ…