富士を詠んだ短歌3  富士颪(おろし)ひょうぎょうと吹き凍りたる湖(うみ)のもなかに波青くあがる 前田夕暮  不二ヶ嶺はいただき白く積む雪の雪炎(せつえん)たてり真澄む後空(あとぞら) 北原白秋  しづけさは湖(うみ)にうつれる富士のかげ一鳥(いってう)飛ばず一魚踊らず 吉井勇  富士の嶺の上に到るやただに消ゆるうすべに色に雲のいくひら 若山喜志子  富士ヶ嶺は奇(くし)びの山か低山(ひきやま)の暮れ入る時を赤富士と燃ゆ 吉野秀雄

5月5日子供の日は,稲村ヶ崎まで行って来ました.

一番近いのは江ノ電稲村ヶ崎駅ですが,鎌倉高校前で降りて,海を見ながらの散歩.

 

鎌倉高校前で降りると,さすが連休,浜には人も多く出ていました.中国・韓国の若者にとても人気のスポットになっています.スラムダンクの影響も大と聞いています.

七里ヶ浜からは,江の島と小動岬の間の海の向こうに,富士山がきれいに見えました.

浜の一番奥には,砂浜に咲く花々も.

七里ヶ浜から稲村ヶ崎の間は砂浜はほとんどなくなり,岩場が主,というより道路ギリギリまで海があると言った方が良いかもしれません.

 

稲村ヶ崎は,公園になっていて(鎌倉海浜公園稲村ヶ崎地区),富士山を見る絶好のスポットとしてよく知られています.

 

富士を詠んだ短歌3

(古今短歌歳時記より)

 

富士の根を片削ぎにしてゐるくもの沈むともなし日の夕べまで  島木赤彦 柿陰集

 

富士颪(おろし)ひょうぎょうと吹き凍りたる湖(うみ)のもなかに波青くあがる  前田夕暮 虹

 

不二ヶ嶺はいただき白く積む雪の雪炎(せつえん)たてり真澄む後空(あとぞら)  北原白秋 くろ土

 

しづけさは湖(うみ)にうつれる富士のかげ一鳥(いってう)飛ばず一魚踊らず  吉井勇 風雪

 

富士の雪 かく思ほえぬ鄙の村の 裏山のうへに 尖(さき)ばかり見ゆ  釈迢空 遠やまひこ

 

富士の嶺の上に到るやただに消ゆるうすべに色に雲のいくひら  若山喜志子 芽ぶき柳

 

吾が立てる富士ヶ嶺(ね)の下(もと)に夜明けたる吾妻の国はたひらかに見ゆ  藤沢古実 国原

 

富士ヶ嶺は奇(くし)びの山か低山(ひきやま)の暮れ入る時を赤富士と燃ゆ  吉野秀雄 早梅集

 

昏れゆくや暗める富士の頂に人がともす灯またたきそめぬ  窪田章一郎 六月の海

 

夏の富士耀きわたる山の窓少女となりし杣口の家  道浦母都子 ゆうすげ