富士を詠んだ歌2  一昨日出かけた江の島稚児ヶ淵から見た富士:気持ちを和ませる美しさ. 富士の嶺の煙もなほぞ立ちのぼるうへなきものはおもひなりけり 藤原家隆  風になびく富士のけぶりの空に消えてゆくへも知らぬわが思ひかな 西行  ひさかたの三日月の湖ゆふ暮れて富士の裾原雲しづまれり 伊藤左千夫  富士のねの石の室屋の岩枕ゆめ白くもの上にただよふ 佐佐木信綱  遠つあふみ大河ながるる国なかば菜の花さきぬ富士をあなたに 与謝野晶子

GW後半,4日目の今日.空には雲がどんより立ちこめて,もちろん富士も見えず.

 

5月3日,4日,5日,ほとんど雲はなく晴れ渡った3日間でした.

夕焼けの富士は,真冬ほどクリアではないものの,とても美しく,気持ちを和らげてくれました.

 

江の島弁天橋(3日),稚児ヶ淵(4日),鎌倉稲村ヶ崎(5日)から見る富士.

 

特に5月4日は,雲ひとつない晴天.

稚児ヶ淵まで,徒歩で出かけました.その行程,稚児ヶ淵,最後に起点に戻って弁天橋の写真を以下にアップします.

瑞心門.

途中に見かけたマルバウツギ.

道中,片瀬漁港を望む.

奥津宮

 

稚児ヶ淵.

帰路.

瑞心門前から仲見世通りを見おろして.

再び戻ってきた弁天橋中程からの富士.



富士を詠んだ短歌2

(古今短歌歳時記より)

 

いつとなく心そらなるわが恋やふじのたかねにかかる白雲(しらぐも)  相模 後拾遺集

 

道すがら富士の煙(けぶり)も分かざりき晴るる間もなき空のけしきに  源頼朝 新古今集 

 

富士の嶺の煙もなほぞ立ちのぼるうへなきものはおもひなりけり  藤原家隆 新古今集

 

世の中を心たかくもいとふかな富士のけぶりを身の思ひにて  慈円 新古今集

 

風になびく富士のけぶりの空に消えてゆくへも知らぬわが思ひかな  西行 新古今集

 

見渡せば雲居はるかに雪白し富士の高嶺のあけぼのの空  源実朝 金槐集

 

ふじのねの空にやいまはまがへましわが身に消たぬむなしけぶりを  藤原道長 新勅撰集

 

ひさかたの三日月の湖ゆふ暮れて富士の裾原雲しづまれり  伊藤左千夫 左千夫歌集

 

富士のねの石の室屋の岩枕ゆめ白くもの上にただよふ  佐佐木信綱 思草

 

夕暮の空に富士ありわが心著(しる)くところなく旅の道行く  尾上柴舟 永日

 

遠つあふみ大河ながるる国なかば菜の花さきぬ富士をあなたに  与謝野晶子 舞姫