木の芽・芽ぶくを詠んだ短歌1  鎌倉妙法寺の庭の花は紅白の梅,水仙,椿.まだ冬ですが,紫陽花や楓は,木の芽が膨らんできていました. 霞たち木(こ)の芽もはるの雪ふれば花なき里も花ぞ散りける 紀貫之  落葉松(からまつ)の萌黄(もえぎ)の芽ぶきけぶりつつ日はたけなはとなりにけるかも 島木赤彦  沙羅双樹芽ぶかんとする山のうへに一日(ひとひ)を居りていにしへおもほゆ 斎藤茂吉  曙のもののしめりの深ければ芽ぶける木々の立ちて静けき 若山牧水

一昨日は,安国論寺の次に,お隣の妙法寺にも参拝していきました.

 

境内の咲いている花は,安国論寺とほぼ同じ種類.

紅白の梅.

水仙

椿.

 

雰囲気のある庭と仁王門.

仁王門の後が,苔階段.いつ見ても,心洗われます.

 

冬の境内ですが,紫陽花や楓は,木の芽が膨らんできていました.

 

木の芽・芽ぶくを詠んだ短歌1

(古今短歌歳時記より)

 

霞たち木(こ)の芽もはるの雪ふれば花なき里も花ぞ散りける  紀貫之 古今集

 

朝日さす峯のつづきは芽ぐめどもまだ霜深し谷の陰草  崇徳院 新古今集

 

飛火野はまだふる年の雪まよりめぐむ若菜ぞ春いそぎける  藤原定家 拾遺愚草

 

落葉松(からまつ)の萌黄(もえぎ)の芽ぶきけぶりつつ日はたけなはとなりにけるかも  島木赤彦 切火

 

沙羅双樹芽ぶかんとする山のうへに一日(ひとひ)を居りていにしへおもほゆ  斎藤茂吉 白桃

 

曙のもののしめりの深ければ芽ぶける木々の立ちて静けき  若山牧水 黒松