トビを詠んだ短歌  鎌倉安国論寺まで散歩.今月の聖語は「総じて餓鬼にをいて三十六種類相わかれて候」.手水鉢は,花がいっぱいの花手水.境内の花は梅.アイフォンの画面に飛び込んできたのはトビ! 一うねの青葉の花の咲き満つる小庭(をには)の空に鳶舞ふ春日 正岡子規  一夜(ひとよ)雨晴れて居りけるわたつみの海のなぎさに鳶は休らふ 斎藤茂吉  芽ぶき木の上に鳶舞ふ朝晴れて向山(むかひやま)のその後山(あとやま)の雪  岡麓  港町/とろろと鳴きて輪を描く鳶を圧せる/潮(しほ)ぐもりかな 石川啄木

快晴の今日は,鎌倉安国論寺まで散歩.

日蓮宗の多くのお寺には,門前に日蓮上人の言葉が「聖語」として掲げられています.

今月は「総じて餓鬼にをいて三十六種類相わかれて候」

左の解説には次のようなことが書かれていました.

自分だけいい思いをしたいという「物惜しみ」の気持ち.これが餓鬼の心です.人の心の中には36種類もの餓鬼がいるといわれています.----

お風呂のお湯を自分だけにかき集めようとするとお湯は逃げていきますが,向こうへ押すとはね返って自分の方へ戻ってきます.---

日常生活の些細な喜びからまわりの人のお分けしていきましょう.---

 

山門を入ったすぐ右の手水舎の手水鉢には,花がいっぱいに浮かべてありました.「花手水」というそうで,最近はやりとか.

 

今の季節,境内の花は梅.紅梅と白梅が美しく庭を彩っていました.

 

階段を上って「富士見台」へ.今日は富士山はみえませんでしたが--

アイフォンの画面に飛び込んできたのはトビ!



トビを詠んだ短歌1

(古今短歌歳時記より)

 

一うねの青葉の花の咲き満つる小庭(をには)の空に鳶舞ふ春日  正岡子規 子規歌集

 

芽ぶき木の上に鳶舞ふ朝晴れて向山(むかひやま)のその後山(あとやま)の雪  岡麓 涌井

 

一夜(ひとよ)雨晴れて居りけるわたつみの海のなぎさに鳶は休らふ  斎藤茂吉

 

港町/とろろと鳴きて輪を描く鳶を圧せる/潮(しほ)ぐもりかな  石川啄木 一握の砂

 

(つばさ)張りゆらりと円く飛ぶ鳶のことなき業の羨しきかも  尾山篤二郎 とふのすがごも