ウェブ・書籍を頼りにスイーツの歴史を調べるシリーズ26
フランスのチョコレートデザート8
フランス伝統チョコレートケーキを,フランス伝統菓子図鑑(山本ゆり子)に記載のあるものを順に紹介しています.今日は:
「見た目が修道女を連想させるとしてこの名がついた」というのが一般的ですが,検証はされていないようです.
https://www.pourquois.com/francais/pourquoi-religieuse-patisserie.html
http://macuisinedesaison.com/la-petite-histoire-des-desserts-la-religieuse/
ルリジューズは1855年,パリのモンマルトル大通りとリシュリューの角にある有名なカフェ「シェ・フラスカティ」のパティシエ,フラスカーティによって作られました.彼はこのデザートを,その見た目が修道女の習慣(または服装)を連想させることから名付けました.
当時のルリジューズは四角いシュー生地にチョコレート,コーヒー,シブーストのカスタードを詰め,ホイップクリームをトッピングしたものでした.
50年後,ペストリーバッグの発明のおかげで,ルリジューズの形はより丸みを帯び,ペストリークリームを詰めた大きなシューの上に,もう一つ小さなシューを乗せた形になりました.全体がグラサージュ(卵白、粉砂糖を練ったもの:フォンダンやアイシング、グラスなど,を焼きあがったパウンドケーキなどにコーティングする)され,バタークリームの渦巻きで飾られました.
例えば,
http://foodandsens.com/f-and-s-live/patisserie-religieuse-messe-dite-faute-a-leclair/
「シュー生地,ペストリークリーム,バタークリーム,アイシングで作られたこの伝統的なケーキは消えてしまうのだろうか?
少なくとも消費者の間ではその傾向が指摘されている...à la faut à qui?...
競合相手となり,構成がほとんど同じこれらの菓子の市場を占拠したエクレール(エクレア)のせいである.」
「需要は非常に低く,これを提供する菓子店はますます少なくなっている」
(エクレア/エクレールはこのブログでも既に取り上げましたが,
「パリでは,お菓子屋に限らずお菓子を売っているところなら必ずエクレールが置いてある.」とのこと.
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/12/01/235820 )
しかし,このフランスを代表する古典パティスリーがこのまま姿を消すことは決してないようです.
https://fr.gaultmillau.com/news/la-religieuse
パティシエたちは,ルリジューズの新作を次々に発表しているとの記事がいくつもみつかります.
https://www.puratos.fr/fr/patisserie-histoire-a-raconter/religieuse
https://fr.gaultmillau.com/news/la-religieuse
https://www.puratos.fr/fr/patisserie-histoire-a-raconter/religieuse
Créative(クリエイティブ)
パネトーネの味と見た目の魅力を融合させたクリエイティブなレリジューズは,レリジューズを生み出したイタリアの有名なパティシエ兼アイスクリーム職人フラスカーティへのオマージュ.
Bien-être(ウェルビーイング),
フランス菓子のもうひとつの定番,モンブランにインスパイアされたルリジューズ.
Durable(持続可能)
ベルコラーデ・オリジンのパプアニューギニア産オーガニック・カカオ・トレイス・チョコレートのダークとミルクを使用した100%カカオ・トレイス・チョコレートのルリジューズ.
https://fr.gaultmillau.com/news/la-religieuse