オペラ(フランスのチョコレートデザート3)「つやつやのチョコレートに金箔をあしらったシックな佇まい.どこまでも薄く繊細---」「完璧・精緻な多重層,時代を超えたエレガンス---」チョコレートを使ったフランス古典菓子の中でも,人気が高く,未だトップの座を譲らないパティスリー菓子.起源は,20世紀初頭のフランス,パリの伝説的なパティスリー,ダロワイヨに遡ることができます.現在では,伝統的なものから洗練されたものまで、それぞれのパティシエが独自の解釈で作り上げています.

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フランスのチョコレートデザート3

オペラ

フランスのパティスリ菓子(*)を代表するチョコレートデザート.

*パティスリには①オーブンで焼いた生地(pâte)を使った菓子 ②菓子を製造販売する店,という意味がありますが,フランス伝統菓子図鑑の山本ゆり子さんにならって,以後,「パティスリ菓子」という言葉を,「パティスリで売られているお菓子」の意味で使用します.

 

日本でも広く名前が知られ,ネット上の日本語検索「オペラ チョコレート」でも,発祥のお店とされるダロワイヨを含め数多くの画像がヒットします.

https://www.google.com/search?オペラ チョコレート



フランス伝統菓子図鑑(山本ゆり子)では,オペラを次のように紹介しています.

チョコレートとコーヒーの贅沢なハーモニー

つやつやのチョコレートに金箔をあしらったシックな佇まい.どこまでも薄く繊細なジョコンド生地にはコーヒーシロップがたっぷり含ませてある.ジョコンド生地,コーヒー風味のバタークリーム,ガナッシュの層を二重にしたオペラという名のケーキは,洋酒を使っているのかな感じさせるほど香り高く大人向けの味わいだ.

チョコレートを使ったフランス古典菓子の中でも,人気が高く,未だトップの座を譲らない.

 

フランス語,英語での紹介記事も数多くみつかります.その内の一つをDeepL翻訳で(原文英語)

なお,フランス語では単にopéraですが,英語では,Opera Cakeと呼ばれています.

 

オペラ・ケーキ

Baker's Art KL

https://www.bakersartkl.com/blogs/news/the-opera-cake-a-symphony-of-flavor-and-elegance

風味とエレガンスのシンフォニー

本場フランスでは "オペラ "の名で知られるオペラ・ケーキは,その完璧な層と複雑でありながら調和のとれた味わいで賞賛される,パティスリー界の真の傑作です.このアイコニックなデザートは,フランスのパティスリーを特徴づける芸術性と精緻さをまさに物語っています.

 

起源と進化 Origins and Evolution:

オペラ・ケーキの起源は,20世紀初頭のフランス,特にパリの伝説的なパティスリー,ダロワイヨに遡ることができます.有名なパティシエ,シリアック・ガヴィヨンによって作られました.当初は「クリシー」と名付けられ,後に「オペラ・ケーキ」と呼ばれるようになりました.おそらく,当時の華麗で壮大なオペラ公演に似ていたからでしょう.

 

オペラ・ケーキ-完璧な層 opera-cake-2Layers of Perfection:

オペラ・ケーキは,その緻密な作りで有名です.何層にも重なり,それぞれが味と食感のシンフォニーに独特の要素をもたらしています.その中心には,コーヒーまたはコーヒーシロップに浸した繊細なアーモンドのスポンジケーキの層があり,デザートにほのかな苦味と潤いを加えています.これらの層は,リッチなコーヒーバタークリームとガナッシュと交互に重なり,甘さと深みの絶妙なバランスを生み出しています.

 

芸術作品 A Work of Art:

オペラ・ケーキの真の特徴は,その完璧なプレゼンテーションにあります.上層は光沢のあるチョコレートでコーティングされていることが多く,スライスすると下の複雑な層が現れます.チョコレートやココアパウダーで複雑な模様や装飾を施したものもあり,パティシエの技と細部へのこだわりが感じられます.

 

時代を超えたエレガンス Timeless Elegance:

オペラ・ケーキの不朽の人気は,その時代を超越したエレガンスにあります.世代を超え,世界中の高級パティスリーや特別な日に愛され続けています.その洗練された味わいと豪華な見た目は,お祝い事や結婚式,フォーマルな集まりに最適です.

 

バリエーションと革新

古典的なオペラ・ケーキは,コーヒーとチョコレートの風味で愛されていますが,現代では様々なアレンジが加えられています.フルーツ入りのオペラ・ケーキや,抹茶やキャラメルを重ねたバリエーションなど,さまざまな味の組み合わせを試すパティシエもいます.

 

つまり,オペラ・ケーキはデザートの世界における真のアイコンなのです.その緻密なレイヤー,味のバランス,見事な演出は,ペストリーの最高傑作と呼ぶにふさわしい.古典的な形を味わうにせよ,斬新なアレンジを探求するにせよ.

 

 

オペラを初めに作ったのは,現在では,ダロワイヨの有名なパティシエ,シリアック・ガヴィヨンとされています.従来のケーキより砂糖を減らし,アルコールを取り除き,長方形にしたという点でも画期的なケーキでした.

ただし,このケーキの発明者については,論争があり,

「ケーキの誕生から5年後,ガストン・ルノートルは自分のオペラを作り、生みの親であると主張した.この争いは1988年、『ル・モンド』紙がダロワイヨが発明したとして終止符を打った」とのことhttps://fr.linkedin.com/pulse/la-petite-histoire-de-patisserie-fran%C3%A7aise-benkhadra-zakari

 

なお,フランス伝統菓子図鑑の山本ゆり子さんは,オペラの発案者はルイ・クリシーという菓子職人で,初め彼の名をとって「クリシー」と名付けられたとしています.

そして,「クリシーから店を譲り受けたマルセル・ヒュガがレシピに手を入れ,さらにヒュガの義理の兄弟ガヴィヨンがオペラと名を改め売り出した」.

 

 

チョコレートとコーヒーの組み合わせであるオペラは、今やフランスのパティスリーにおける偉大な古典のひとつですが,伝統的なものから洗練されたものまで、それぞれのパティシエが独自の解釈で作り上げています.

https://fr.gaultmillau.com/news/l-opera--son-histoire-et-notre-selection-des-meilleures-adresses