明月院で春見つけ1  引っ越し後の後片付けから逃れて北鎌倉明月院まで春見つけに.出会った花は,椿,山茱萸,雪柳,白木蓮(蕾),柊南天,日向水木(蕾),ミモザ(切り花),紫花菜,梅,木瓜.そして,紫陽花の芽,連翹の芽.  曙のもののしめりの深ければ芽ぶける木々の立ちて静けき 若山牧水  おほかたは新芽ほぐれし梅林の日にうとき枝の白梅の花 結城哀草果  春芽ふく樹林の枝々くぐりゆきわれは愛する言い訳をせず 中城ふみ子

今日もまだ曇り空が続いた1日でしたが,引っ越し後の後片付けから逃れて北鎌倉明月院まで春見つけに.

 

北鎌倉駅を降りるとすぐにあるお寺が円覚寺北条時宗の招いた無学祖元が開祖の臨済宗円覚寺派の本山.

 

植物を眺めながら,明月院まで.明月院臨済宗建長寺派

椿と山茱萸サンシュユ).

ユキヤナギ

ハクモクレン

 

明月院総門.といっても石柱が立っているだけですが.

紫陽花の新芽も大分大きくなっています.黄色い花はヒイラギナンテン

 

ヒュウガミズキの蕾.大分膨らんでいます.花は黄色いはずですが,蕾はピンクで趣があります.

お茶席の竹垣にはミモザが飾ってありました.

 

紫花菜はどこでも元気です.大好きな花.

鎌倉の梅は終わりかなと思っていたら,まだ花をつけている梅の木がありました.右の新芽はレンギョウです.

 

 

悟りの窓の左右の生け花や飾り付けを見るのも楽しみの一つ.

 

お寺の所々にお地蔵様が安置されています.赤い花はボケ.今一番元気な花ですね.

一時晴れ間も見えた明月院裏庭園.

 

木の芽・芽ぶくを詠んだ短歌

(再録)

霞たち木(こ)の芽もはるの雪ふれば花なき里も花ぞ散りける  紀貫之 古今集

 

朝日さす峯のつづきは芽ぐめどもまだ霜深し谷の陰草  崇徳院 新古今集

 

飛火野はまだふる年の雪まよりめぐむ若菜ぞ春いそぎける  藤原定家 拾遺愚草

 

落葉松(からまつ)の萌黄(もえぎ)の芽ぶきけぶりつつ日はたけなはとなりにけるかも  島木赤彦 切火

 

沙羅双樹芽ぶかんとする山のうへに一日(ひとひ)を居りていにしへおもほゆ  斎藤茂吉 白桃

 

曙のもののしめりの深ければ芽ぶける木々の立ちて静けき  若山牧水 黒松

 

たかだかに芽吹き光れる欅の木われはたしかに癒えたるらしき  古泉千樫 青牛集

 

おほかたは新芽ほぐれし梅林の日にうとき枝の白梅の花  結城哀草果 おきなぐさ

 

芽ぶき立つ柿の林を鳴き移るくろつぐみの声冴え渡るなり  五味保義 一つ石

 

木の芽立(きのめだち)ゆたけき庭のひとところ孟宗の藪おとろへむとす  柴生田稔 春山

 

もろ芽たつ窓あけて吾がなげかふとあたたかき夜を立てる月しろ  小暮政次 花

 

春芽ふく樹林の枝々くぐりゆきわれは愛する言い訳をせず  中城ふみ子 乳房喪失

 

旗となるわが明日なれよ芽ぐむ木にかがみて靴をみがきいるとも  寺山修司 空には本

 

木の芽立ち春さり来れど死者たちに遅れて白き人と白雲  佐佐木幸綱 火を運ぶ