しいたけ:1. ご飯に合うシイタケ料理:田中理恵さんが徳島を旅しました.2. シイタケ栽培の歴史〜原木栽培と菌床栽培:栽培が全国に普及したのは昭和に入ってから.「原木栽培」の確立は昭和18年.「菌床栽培」は他のキノコよりずっとおくれたものの,今や90%近くの生産を支えています. 3. シイタケは国際的な食材:Shiitakeは国際語.アメリカ式では“シイターキ”.各国で大好評のようです.「クールジャパン」より再び掲載しました.

椎茸

1.ご飯に合う椎茸料理

NHKBSプレミアム 食材探検! おかわり日本 「しいたけ〜徳島県

9月5日放映は,昨年4月の再放送でした.

hh.pid.nhk.or.jp

田中理恵さんが旅したのは,生シイタケ生産日本一の徳島県

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統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103

ご飯に合うシイタケ料理がいくつか紹介されていました.

小山裕久さんの極上の一皿「しいたっけ」以外は,どれもそれほど難しそうではありません.オススメ.

若い方には「しいたけピザ」.和食党には「甘辛しいたけ」でしょうか?

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http://www.nhk.or.jp/program/okawari/archives/20160406.pdf

レシピも上記のサイトに.

一番簡単そうな「甘辛しいたけ」の作り方だけ写しておきます.

(2人分)

材料:しいたけ3枚、片栗粉(適量)、しょうゆ 大さじ2、砂糖 大さじ2、みりん 大さじ2、サラダ油 適量

①    鍋にしょうゆ、みりん、砂糖を加え煮立たせタレを作る

②    軸をとったしいたけを4等分に切る

③    片栗粉を薄くまぶし180℃のサラダ油で2分ほど揚げる

④    揚げたしいたけをタレに絡める

 

2. シイタケ栽培の歴史〜原木栽培と菌床栽培

シイタケ栽培の歴史については幾つかのサイトが紹介しています.

長野県林業総合センターによる技術情報http://www.foresternet.jp/app/srch2/get_file/10967

株式会社キノックスhttp://www.kinokkusu.co.jp/etc/09zatugaku/hakase/ha-shiitake_04.html

を中心にまとめてみました

日本では古くからシイタケが流通していたようで,鎌倉時代には中国に輸出していた記録があるとのこと.足利義政への献上の記録,秀吉朝鮮出兵時の茶会の献立,など,時の為政者もシイタケを好んで食べていたようですが,江戸時代初頭までしいたけの栽培は行われていなかったようです.

中国では14世紀初頭の書に「原木栽培」の方法の記載があるとか.日本での栽培は,1664年の古文書に,豊後岡藩(大分県竹田市)で伊豆から招いた名人による試作結果の記載があるとのこと.

名人がいたということは既に栽培法は確立していたということですね.

江戸時代から明治までは,「鉈目(なため)式」:原木に傷をつけ,胞子が自然につくのを待つ.

昭和に入ると,鉈目部分に腐朽(ふきゅう)材を埋め込む方法に改良され,全国に普及.

昭和18年,森本・北島らにより純粋培養した「オカゴ種菌」を使った培養法の開発.そして,森が「くさび形の木片に培養菌を培養」した種菌の製造に成功し,全国の農家に.「原木栽培」の完成ですね.さらに様々な改良を経て現在に至っているとのこと.

昭和30年代後半,エノキダケ,ナメコなどでの菌床栽培が普及しはじめたものの,シイタケは原木栽培の技術レベルが高く,菌床栽培の普及は遅れたといわれています.

菌床栽培は昭和40年代から研究されていたものの,普及しませんでした.昭和53年種苗法制定後研究が進み,昭和60年頃から試験栽培,市場への出荷が開始されました.その後急速に生産量を増加させていきました.

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 http://www.pref.kyoto.jp/nantan/no-norin/documents/1207108884829.pdf

 

そして,現在,シイタケの生産では,「原木栽培」を「菌床栽培」が大きく上回っており,2015年(平成27年)で89%.徳島では99%が「菌床栽培」.統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103

一部のサイトでは,原木栽培の方が「味や香りのつよいしっかりしたシイタケ」ができるとあり,原木栽培を勧めるサイトも幾つか.

同じサイトでは,菌床栽培は「大量に、安定して、しいたけを作れる」「味、香り、肉質とも、原木栽培ものよりソフト」とありました.

私にその見分けがつくかどうかは---?

 

3. 今やシイタケは国際的な食材

シイタケが国際的な食材になっていることは,以下のブログの中で既に取りあげました.

http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/04/16/023439

 既にお読みになった方もおいでと思いますが,シイタケの部分だけ,もう一度

yachikusakusaki.hatenablog.com 

外国人が驚くキノコ天国日本.キノコの回でベストオブクールに選ばれたのは

「しいたけ」

「フランスはシイタケあるの?」

ヴァイソン(フランス)「もちろんあるよ.10年ほど前に人工栽培が始まったんだ」

「それ何て名前で呼んでんですか?」

ヴァイソン(フランス)「みんなシイタケって呼ぶよ」「ブラジルは?」

エファエレ(ブラジル)「シイタケ」「アメリカは?」

ライアン(アメリカ)「シイターキ」「中国は?」

ヘン(中国)「中国人はシャンクー(香菇)といいます.でも少し残念です.みんなシイタケじゃなくてシャンクーと呼んで欲しかった」(笑い声)

 

アジア原産のシイタケが今や世界の共通語?

本当なのか確かめるべく向かったのは,アメリカロサンゼルス.早速町の人に聞いてみました.

「(シイタケを差し出して)これ知ってますか?」

アメリカ人女性1「シイタケマッシュルーム」

アメリカ人男性「これはシイタケマッシュルームだよ」「食べたことありますか?」「薄切りにしてタマネギとオリーブオイルで炒めるんだ.とてもおいしいよ」

アメリカ人女性2「火を通しても食べるし,生でもサラダに入れるわよ.大好きよ」

本当にシイタキで通じるんですね.

以前はアジア系の店でした手に入らなかったシイタケ.今は多くのスーパーで売られています.健康志向の高まりで,90年代から広まったシイタケ.現在はアメリカをはじめヨーロッパなど多くの国で生産されています.

 

そのシイタケを使った料理で人気の店があるんです.

入ってみると.ん?ハンバーガー?これにシイタケが?なんと肉の上にシイタケが載っています.これが店の看板メニュー.

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Umami Burger 決定!2016 年度クール・オブ・クール | NHK | cool japan 発掘!かっこいいニッポン

ここはアメリカ人のオーナーがうま味にこだわってつくった店.欧米ではなじみのなかったうま味とハンバーガーの組み合わせがウケ,全米に21店舗,展開しています.

シイタケは具材以外にも使われています.お肉に振りかけているのはシイタケの粉末.更にシイタケ,昆布などから出汁をとったしょうゆ味のソースで味付け.よく炒めたタマネギやパルメザンチーズと一緒にシイタケを載せれば,完成.

店長グレッグ・フレーザーさん「シイタケの豊穣な香りはそのままで牛肉に合うんだ.木の香りがするシイタケのうま味をバーガーに活かしたかったんだ」

お客さんの反応は?

アメリカ人女性「風味が良くておいしいわ.お肉や他の食材との相性も抜群ね」

アメリカ人男性ハンバーガーにシイタケというのは新しいよね.この組み合わせが気に入っていつもこれを食べるんだ.何度食べても飽きないよ」

“シイターキ”のうま味はアメリカでも大好評でした.

 

なお,シイタケバーガーのレシピは日本語のサイトに沢山載っています.

例えば

【ELLE gourmet】しいたけバーガーレシピ|エル・オンライン

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また,「フランス料理 しいたけ」,「イタリア料理 しいたけ」の検索でも様々なレシピがみつかります.

英語が読めればもっと沢山.

 

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