昨年度最もクールな一品を決定
「今日から新年度.この番組も12年目に突入します」「ということは例のあれですね?」
「そのとおり.この一年で鴻上さんが選んだベストオブクールの中から一番を選ぶ『クールオブジャパン2016』の発表です」
「毎回悩むんだよね.家に帰って考えてきて良い?」
COOL JAPAN 発掘!かっこいいニッポン
決定!クールオブクール2016(1)グルメ編
NHKBS 4月9日(日) 午後6時00分~6時44分
再放送 4月16日(日) 正午
鴻上尚史 リサ・ステッグマイヤー ご意見番:荒俣宏(作家)
決定!2016 年度クール・オブ・クール | NHK | cool japan 発掘!かっこいいニッポン
世界に発信したいと選ばれたベストオブクール.今日はこの一年間に決まった24この中から,最もクールな一品を決定します.
更に
「フランスのシイタケは?」「みんなシイタケって呼ぶよ」「アメリカは?」「シイタキ」
外国人の気になる一言を確かめるために現地へゴー.シイタケは今や世界の共通語?
しかもアメリカで驚きのシイタケ料理を発見.
パリで見つけたのは---「日本のショートケーキだ!」「軽い食感が好きなのよ」
日本のクールは世界でもウケているんか?調査します.
さあ2016年度の最もカッコイイものとは?
クールオブクールの決定です.
「さあ始まりましたクールオブジャパン.またあの季節がやって来ました」
「こちらには鴻上さんが選んだ24のベストオブクールが並んでいます.
「この番組丸11年経ちましたけれど,この種つきませんね.山ほどありますね.次から次へと.
「さあ荒俣さんいかがですか?
「最近ね.何見せても外国の人喜ぶんだよね.やっぱりそれだけ浸透した.日本に行けば喜ぶものがあるって言うのは----
「なるほどね.
「さあそれではベストオブクールを振り返って行きましょう.
まずはこんなテーマからです.どうぞ.
ベストオブクールグルメ編
そばの回でベストオブクールに選ばれたのは“早い安いうまいで人気の
“立ち食いそば屋さん”
「はい,おまたせしました.Bの71番のお客様からどうぞ」
ジニー(オーストラリア)「早いわね,一分もかかっていないわよ」
早さの秘密を覗いてみると,麺をゆでる人がどんどん麺を入れています.
これはゆでるのに3分かかる生麺.客を待たせないよう,入りを予想してゆでておくのです.他にも--.
「かけ」「ひやしたぬき」
この声.
食券を買うと,注文を瞬時に厨房に伝えるシステム.受付の店員が注文を伝える前に,作り始められるんです.お客さんの短い昼休みを無駄にさせないための工夫です.
写真一覧 名代 富士そば 品川店(ふじそば) 品川 - Rett メニュー写真 : 名代 富士そば 品川店 - 品川/そば [食べログ]
「日本そば」2016年9月25日、取材先:名代 富士そば 品川店
外国人が、最近はやりの味に拘る「路麺店」で立ち食いそばを体験しました。
「立ち食いそばは,ヘルシーですぐ食べられるのがいいよね」「日本の立ち食いそばはクール」
日本そば | NHK | cool japan 発掘!かっこいいニッポン
外国の料理を日本風にアレンジした和製料理の回では---
ジニー(オーストラリア)「これは和製料理の王様です」
「おう.ナポリタン.横のフラビオ(イタリア)の顔.イヤそうな顔してますよね.イタリア人が嫌がっとりますが」
そう.ケチャップ味のパスタは日本生まれなんです.何故ケチャップ味にしたのか?
ナポリタン発祥と言われる店を訪ねました.
ナポリタン発祥店!横浜野毛の昔懐かしい洋食屋さん!センターグリル | B級グルメランチ紀行
店主石橋秀樹さん「ナポリタンというのは,横浜でニューグランドホテルが初めて作ったお料理なんですけれども,トマトソースで作ったんですけど,トマトはその頃高価なものだったものですから.町場で作るのにはケチャップがいいんじゃないかって」
一晩寝かせてモチモチにした麺.そこにケチャップを入れてじっくり3分炒めます.
料理長岡戸康之さん「ケチャップは時間をかけると酸味が飛んで甘みに変わるんで」
70年前,日本人の口に合うように考案されたナポリタン.子供も大好きな洋食として愛され続けて来たのです.
オマル(スーダン)「ボクはパスタが嫌いなんだけど,ナポリタンは大好きなんだ」
ケリー(アメリカ)「私も大好きよ.アメリカ人は良くゆでた柔らかい麺が大好きなの」
しかし,パスタの本場のイタリア人は---
フラビオ(イタリア)「客観的に食べた感想は,ダメでした.ケチャップを使うのが間違いで,味が甘くなるんだ.パスタに甘みはいらないよ.この匂いで気分が悪くなるんだ」(笑い)
イタリア人にはウケませんでしたが,世界にウケたナポリタンはクール!
お弁当の回でベストオブクールに選ばれたのは,
弁当箱.
弁当箱が大好きで,店までつくったという人を京都に訪ねました.
店内にはオーナーが吟味して集めた弁当箱が900種類以上.
弁当 | NHK | cool japan 発掘!かっこいいニッポン 寺町六角 フランス人オーナーが作った「お弁当箱専門店 Bento&co」
そのオーナーがフランス人のベルトラン・トマさん.アニメや漫画の影響で,子供の頃から日本に興味があったというトマさん.京都大学に留学し,日本文化のとりこになりました.
そんな中出会ったのが弁当箱.
トマさん「仕切りがあって,2段とか3段,お重箱もありますけど,本当に小さい箱にフルコースを入れられる.おかず,まあ,おかずとご飯.いろいろあるんで.まあ,デザートまで入れられるんですけど」
寺町六角 フランス人オーナーが作った「お弁当箱専門店 Bento&co」
そして,2012年に弁当箱専門店をオープン.現在は世界にお弁当を広める活動もしています.
7年前から始めたのがお弁当の写真コンテスト.最初はフランスからの応募がほとんどでした.最近では応募してくる国も様々個性豊かですね.
2015年には世界中から300点以上の応募があったそうです.
京都の弁当箱専門店が仕掛ける「国際BENTOコンテスト」を知っていますか? | TABI LABO
トマさん「ブームではないと思うんですよ.長く続くと思います」
「自分たちの国でも弁当というものが広がっていると感じますか?」
yes4/8:フランス,ブラジル,アメリカ,イギリス
ピーター(アメリカ)「感じるよ.特にフタ付きの弁当は子どもたちにとって特別なものなんだ」
マリリア(ブラジル)「ブラジルでも人気よ.『弁当』とは呼ばないけど.弁当箱も人気があるわ.健康的なものだと思っているの」
世界に広まる弁当箱はクール.
外国人が驚くキノコ天国日本.キノコの回でベストオブクールに選ばれたのは
「しいたけ」.
「フランスはシイタケあるの?」
ヴァイソン(フランス)「もちろんあるよ.10年ほど前に人工栽培が始まったんだ」
「それ何て名前で呼んでんですか?」
ヴァイソン(フランス)「みんなシイタケって呼ぶよ」「ブラジルは?」
エファエレ(ブラジル)「シイタケ」「アメリカは?」
ライアン(アメリカ)「シイターキ」「中国は?」
ヘン(中国)「中国人はシャンクー(香菇)といいます.でも少し残念です.みんなシイタケじゃなくてシャンクーと呼んで欲しかった」(笑い声)
アジア原産のシイタケが今や世界の共通語?
本当なのか確かめるべく向かったのは,アメリカロサンゼルス.早速町の人に聞いてみました.
「(シイタケを差し出して)これ知ってますか?」
アメリカ人女性1「シイタケマッシュルーム」
アメリカ人男性「これはシイタケマッシュルームだよ」「食べたことありますか?」「薄切りにしてタマネギとオリーブオイルで炒めるんだ.とてもおいしいよ」
アメリカ人女性2「火を通しても食べるし,生でもサラダに入れるわよ.大好きよ」
本当にシイタキで通じるんですね.
以前はアジア系の店でした手に入らなかったシイタケ.今は多くのスーパーで売られています.健康志向の高まりで,90年代から広まったシイタケ.現在はアメリカをはじめヨーロッパなど多くの国で生産されています.
そのシイタケを使った料理で人気の店があるんです.
入ってみると.ん?ハンバーガー?これにシイタケが?なんと肉の上にシイタケが載っています.これが店の看板メニュー.
Umami Burger 決定!2016 年度クール・オブ・クール | NHK | cool japan 発掘!かっこいいニッポン
ここはアメリカ人のオーナーがうま味にこだわってつくった店.欧米ではなじみのなかったうま味とハンバーガーの組み合わせがウケ,全米に21店舗,展開しています.
シイタケは具材以外にも使われています.お肉に振りかけているのはシイタケの粉末.更にシイタケ,昆布などから出汁をとったしょうゆ味のソースで味付け.よく炒めたタマネギやパルメザンチーズと一緒にシイタケを載せれば,完成.
店長グレッグ・フレーザーさん「シイタケの豊穣な香りはそのままで牛肉に合うんだ.木の香りがするシイタケのうま味をバーガーに活かしたかったんだ」
お客さんの反応は?
アメリカ人女性「風味が良くておいしいわ.お肉や他の食材との相性も抜群ね」
アメリカ人男性「ハンバーガーにシイタケというのは新しいよね.この組み合わせが気に入っていつもこれを食べるんだ.何度食べても飽きないよ」
“シイターキ”のうま味はアメリカでも大好評でした.
「はい.もう,おいしそうなシイタケバーガーでしたですけどね」「はい」「やっぱりシイタキなんですね.アメリカはね,カラオキと---」「そういうことですね」「オケと言えということ---」
「ちなみにVTRにありましたシイタケを使ったハンバーガー,大人気だそうでつい先日,海外進出第1号店が東京にオープンしたそうです」「うわー」「で,他にも日本のグルメで様々なクールがありましたよね.改めて海外でウケそうな食べ物って---」「いやもう兎に角,まずナポリタンでしょう」「これね,はい,クールに選ばれました」「これもう世界にまず行くんですよ.イタリア人を敵に回しながら」(笑い声)
「イタリア以外の国とか」「はい,どこまで行けるか試してみたいですよね」
「荒俣さんいかがですか?」
荒俣「いやね,これ見ててね.やっぱり日本って昔から二つ得意技があって.で一つは日本ってないじゃないですか.いろんなものが.材料が,世界各国からの.で,代用食,大体,つくるんですよ.違う日本にあるもので,外国の美味しいものを作る技があったのと.もう一つはなんといっても各地域地域で名物を作る習慣が江戸時代にできて,それで,それぞれ自治体みたいなもんですからね.自治体で儲かるようなものを考えろという江戸時代にお触れが出たんですよ」
「なんでそんなのができたんですか?」
荒俣「結局ね,世の中にお金がまわらなくなって,で,みんなが努力して自分たちの藩の財政を保てという」「ほう,自助努力をしろと」
荒俣「そう!」「それで各藩のうりを作れと」
荒俣「売りを作れと,みんな努力したので,いろんなものが,あっちはまんじゅう,こっちは刺身とか.いろんなものが,すごい---」「それが全ての始まりですか?」
荒俣「そうなんですね」「すごいですね」
荒俣「桑名の焼きハマグリとかね.みんな作ったんですよ.それで」「困窮してみるもんですね」(笑い)
(続く)
かゆいところに手が届く編: 決定!クールオブクール2016(2)『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』(13) - yachikusakusaki's blog
「カルチャーギャップ編」編(1) 決定!クールオブクール2016(3) 『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』(14) - yachikusakusaki's blog
カルチャーギャップ編(2)決定!クールオブクール2016(4)『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』(15) - yachikusakusaki's blog