「シシピー」と名前が書いてある野菜を購入しました.
「へた(蔕)だけ落として,種を残したまま食べられます」とのこと.
調べてみると,サカタのタネで開発した商品のようです.
ししとうピーマン 「ししピー」|サカタのタネ Amazon CAPTCHA
蔕だけ落として,多めの油で炒めていったん取り出す.
油を少なくし,牛肉切り落としと葉ショウガの薄切り(かなり多め)を炒めて,鶏ガラスープの素,オイスターソース,酒(紹興酒がなかったので)で味付けたところに合わせ,とろみをつけて---
かなりおいしい筍抜き青椒肉絲モドキが完成(写真を撮っておけば良かった).
ピーマンの処理の手間を考えたら(たいしたことないといえばそれまでですが),とても使いやすい野菜でした.
どのように開発したのか?
書いてあるサイトは見つけられませんでした.
名前から勝手に推測するとピーマンとシシトウガラシの交配品種となりますが---.
実際の所は分かりませんが,シシトウガラシとピーマンは交配可能.
植物にうとい私でも断言できます.なぜなら同じ種 「C. annuum」なのですから.
しかも唐辛子も同じ種.
トウガラシ・ピーマン・シシトウは,ナス目 Solanales, ナス科 Solanaceae, トウガラシ属 Capsicum のC. annuum
C. annuumは様々な種類のトウガラシ全て:辛いのも辛さがないものも---,の名前.
その中の栽培品種 C. annuum L var. angulosum(c Cv. gulosum)が,ピーマンやシシトウガラシの学名とされています.
ピーマンは18世紀にヨーロッパで,またシシトウは日本で,辛味のない品種として選別されたようです(野菜の種、いまむかし11/トウガラシ、シシトウ、ピーマン、パプリカの話).
アメリカ・イギリスではすべて「pepper」
アメリカでは,日本のピーマンの大型種や,日本ではパプリカと呼んでいる赤・黄の大型種を「Bell Pepper」と呼んでいるらしいのですが,これもピーマンやシシトウと同じ変種とされています.トウガラシ - Wikipedia
(なお,上記のred pepper, yellow pepperは日本ではパプリカと呼ばれているものと同じに見えます.別品種の可能性もあるかごとき書き方が日本語版ウィキペディアに---トウガラシ - Wikipedia)
ピーマンは,アメリカではgreen bell pepper.
pepperと表記されると,「辛い」イメージがありますが,この名前は彼らにとって外せないのでしょう.
そして,イギリスでは単にpepper あるいは色の名をつけてgreen pepper等と呼ぶ場合が多いと同サイトにはありました.Bell pepper - Wikipedia
sweet pepperという言葉もあるようなので,特に辛くないと強調するときにはsweetをつけるのでしょうか?でも英語版ウィキペディアでは,この言葉は余り使われていないような書き方でした.
pepperは,もともとコショウの意味.
「コロンブスがインドと間違えてアメリカに到達した時、インド原産の木の実であるコショウと勘違いしてトウガラシをヨーロッパに持ち帰ったため、コショウとトウガラシは同じ名で呼ばれるようになりました」(野菜の種、いまむかし11/トウガラシ、シシトウ、ピーマン、パプリカの話)
とのこと.
(この言い伝えはとても面白いのですが---.コロンブスは英語を使っていなかったでしょうから,どこか違和感もあります)
コショウもトウガラシも同じ名前なんて,英語圏の方々は野菜の名前には気にかけない?
更に辛いかどうかを名前に反映させないでも気にならないんですね.
日本にも甘唐辛子という言葉がありますが,消費者サイドでは、ほとんど使われていないような気がします.唐辛子=辛いというイメージがあるためではないでしょうか.関東地方で万願寺唐辛子と言うと,多くの方が「辛い」イメージを持ってしまいます.別の名が必要.
そして,日本ではピーマンという名前が隅々に行き渡り,今では唐辛子と同じ種とは思えないようになっています.
そして,
「ピーマン」は日本だけで使われている名前!
かなり広く知られている話のようですが,この事については,近々,改めて.