接種が進むにつれて,ファイザー,モデルナなどの製造会社の名前,さらにはmRNAワクチンといった製品の特性を示す言葉も少しずつ浸透してきているような気がしています. とはいっても,なかなか実際に接種されているワクチンの中身についてのイメージは持ちにくいものですね. mRNA-Covidワクチンの内部について,少し専門的な視点からの解説が,科学誌Nature誌上にあったので,お借りして掲載しておきます. "Inside an mRNA covid vaccine" Nature

日本でもワクチン接種が順調に進み,11月には希望者全員の接種が完了すると言われています.

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接種が進むにつれて,ファイザー,モデルナなどの製造会社の名前,さらにはmRNAワクチンといった日本で接種されている製品の特性を示す言葉も少しずつ浸透してきているような気がしています.

 

とはいっても,実際に接種されているワクチンの中身についてのイメージは,なかなか持ちにくいものですね.

様々な解説がネット上で見られるので,今更とは思いましたが,少し専門的な視点からの解説が,科学誌Nature誌上にあったので,お借りして掲載しておきます.

 

ファイザーやモデルナのワクチンのキーワードは,何と言っても体の中で,新型コロナウイルスの「スパイクタンパク質」を作り出すように設計された,しかも,ウリジン(U)ヌクレオチドをプソイドウリジン(Ψ)に置き換え,接種時のワクチンに対する免疫反応(拒絶/炎症反応)を最小限にするように設計されたmRNAということになります.

しかし,ワクチンは,mRNAだけを接種しているわけではありません.体の中に入って血液循環を経て様々な細胞の中に入って行くための乗り物が必要で,そのために使われているのが,脂質ナノ粒子.

mRNAワクチンが短時間で開発できたのは,この脂質ナノ粒子の研究が進んでいてすぐ使える状態になっていたため.

また下記のNatureの図の解説にはありませんが,新型コロナウイルスが単離され,非常に短時間でその遺伝情報が明らかにされ,さらに「スパイクたんぱく質」の部分がどのRNA配列に相当するかもすぐに分かったというヌクレオチド分析の脅威的な速度での進展.これも,このmRNAワクチン開発に大いに寄与しています.

 

以下,Natureの記事をお借りしてDeepL翻訳で.

 

 

 

www.nature.com

https://www.nature.com/articles/d41586-021-02483-w?utm_source=Nature+Briefing&utm_campaign=41794890cb-briefing-dy-20210914&utm_medium=email&utm_term=0_c9dfd39373-41794890cb-46287342

Inside an mRNA covid vaccine

mRNA-Covidワクチンの内部

メッセンジャーRNAから作られたCovid-19ワクチンは,脂質のナノ粒子(脂肪の泡)を使って分子を細胞内に運びます.mRNAには,コロナウイルスSARS-CoV-2が細胞内に侵入する際に使用する「スパイク」タンパク質を細胞が生成するためのコードが含まれています.

これらのワクチンを設計する上で,重要な革新的技術がありました.

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Moderna社とPfizer-BioNTech社のワクチンは,ウリジン(U)ヌクレオチドをプソイドウリジン(Ψ)に置き換えるように化学修飾されたmRNAを使用しています.この変更により,導入されたmRNAに免疫系が反応しなくなると考えられています.

また,その後の(=ワクチン接種後の)SARS-CoV-2感染に対して体が効果的な免疫反応を起こせるように,mRNAの配列は,スパイクタンパク質がヒトの細胞と融合するときの形状に安定化するように変更されています.

 

mRNAの周りにある脂肪のナノ粒子は,4種類の脂質分子でできています.これらのうちの1つは「イオン化可能」です.ワクチンでは,これらの分子の多くは正の電荷を持ち,負の電荷を持つmRNAにまとわりついていますが,血流のよりアルカリ性の条件ではその変化が失われ,体内での毒性が軽減されるといいます.

台風の天気予報下,雨がやんでいるのを見計らってパンを買い求めに.途中の高級フラワーショップには秋の花たち.センニチコウ,ケイトウ,ツルハナナス,ユーパトリウム---.道を隔てた歩道に植えられた木々の秋の新芽は,雨上がりでなかなか美しく見えました.クスノキ,エノキ,ヤマモモ.

天気予報は台風.とはいえ,午前中,曇り空ながら雨がやんでいました.

これ幸いとパン屋さんへ.途中のお花屋さんが楽しみの一つ.

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秋の花たちは,落ち着いた感じがします.

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この店は高級店.いい花がそろっています.誰が買い求めるのか?という高値の花木も.

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店の並びに植えられた花木も,高級感があるようにみえます.

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道を隔てた向かいの歩道は,狭いところを工夫して(無理をして?),色々な樹木が植えられています.

秋の新芽たち.雨あがりの緑はなかなか美しく感じます.

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一番多いのは,クスノキ

かなり大きくなっていて,このまま成長したら歩道を覆い尽くすようにも---

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花の写真を撮るのに時間をかけすぎました.終盤,ぽつぽつ降り始めた雨は,一気に大雨に.

傘は役立たずで,帰り着く頃はずぶ濡れ.

「新型コロナウイルスのワクチンについて,厚生労働省は3回目の接種を行う方針を決めました」 3回目の接種により感染予防効果・重症化予防効果がともに大幅に高まるというイスラエルのデータが一流の医学誌NEJMに掲載されたこともあり,この流れは当然のようにも思われますが--- 話しはそれほど単純ではありません.「3回目接種の効果がいつまで続くのかは全く分かっていない」「重症化予防は2回で十分」「ワクチンが不足している途上国などでの接種を進めるため、少なくとも年末までは追加の接種を行わないようWHOが呼びかけ」

新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を行う方針を厚労省が決めたとのこと.

(例えばNHKの記事は ワクチン“3回目接種”実施へ 時期は?対象者は?最新情報まとめ | 新型コロナ ワクチン(日本国内) | NHKニュース :とても良くまとまっているので,最下欄に一部引用させて頂きます)

 

イスラエルやフランスで既に行われ,アメリカでも検討されている(決定の報が1回流れましたが,もう一度審議しているとのこと)いわゆるブースター接種.

 

この3回目の接種により感染予防効果・重症化予防効果がともに大幅に高まるというイスラエルのデータが一流の医学誌NEJMに掲載されています.

 

 

www.bloomberg.co.jp

ブースター接種,コロナ感染の割合大きく減らす効果—イスラエル研究

ブルームバーグ

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-09-15/QZHUDDT1UM0W01

2021/09/16 08:03

著者:Robert Langreth

ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が60歳以上について新型コロナ関連疾患の発症の割合を大きく減らす可能性があることが,イスラエルの短期研究で明らかになった.

米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine  NEJM)」に15日発表された論文によると,ブースター(追加免疫)接種を受けたグループは接種の12日後から,標準的な2回接種のグループに比べて感染の割合低下が11倍,重症化の割合低下も約20倍だった.

今回の研究は大いに期待を集め,初期の結果は米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長らバイデン政権当局者が20日に開始予定のブースター接種計画の推進に際して言及していた.ファイザー製ブースターの承認申請に関する米食品医薬品局(FDA)諮問委員会の17日の会合でも取り上げられる見込み.

イスラエルの研究はファイザー製ワクチン接種を完了している60歳以上の住民110万人余りが対象.今回の解析で留意しなければならないのは,観察期間が短いことだ.同国のブースター接種は7月31日に開始したが,研究対象期間は8月31日までだった.効果が出るまでの期間を考慮し,投与から12日たってからの感染率を調べた.

 

ここまではっきりしたデータが出されれば,第3回目の接種は必須のように思えてしまいますが---

話しはそれほど単純ではありません.

 

上記のブルームバーグ通信の記事にもあるように,NEJMのデータは第3回目接種の1ヶ月後にまとめられたもの.

3回目接種の効果がいつまで続くのかは全く分かっていません.

2回の接種で見られた感染予防の効果の急激な低下がまた起こってしまうなら,ワクチンを短期間で何回も打つ必要が出てきます.例えば世界中の人間が6ヶ月毎にワクチンをうつ?現実的ではないように思います.

 

また,ワクチンの二つの効果のうち,重症化予防の効果は2回接種で十分で,重症化予防効果が低下しているというデータは今のところない.

そういう内容のレビューが,NEJMと並ぶ世界的な医学雑誌Lancetに掲載されたとのこと.実際に報文を読んでいないので,どのようなディスカッションが行われているのか確かではありませんが.

 

www.nytimes.com

In Review, Top F.D.A. Scientists Question Imminent Need for Booster Shots - The New York Times

 

ワクチンの専門家の多くのが,「感染予防効果はいわば添え物の効果で,重症化予防こそがワクチンに期待される」と考えていることは間違いないでしょう.

重症化予防第一の観点からすれば,短期間の感染予防効果に目を奪われてワクチン接種をくりかえすことは本来の姿ではない.

「本当に第3回目の接種が必要なのは,重症化予防効果が低下してきたときだ」ということになります.

感染予防を第一に目指しているであろう公衆衛生の専門家と意見が分かれるところかもしれません.アメリカでの議論は今日17日にも決着する可能性があるとのこと.どのような結果になるか?ニューヨークタイムズによれば,かなりもめるような感じですが---

 

3回目の接種については,以上の議論とは別に,以前からなされているWHOの警告があります.

WHO世界保健機関はワクチンが不足している途上国などでの接種を進めるため、少なくとも年末までは追加の接種を行わないよう各国に呼びかけていて、ワクチンの供給をめぐる懸念も生まれています」NHK

本来あるべきパンデミック対策は,世界中にワクチンを行き渡らせること.これをお金持ちの国が責任を持って進めていかないかぎり,パンデミックの収束はありえない.しかし---

 

追記

「米FDA ワクチン3回目接種 “65歳以上などを対象”で承認」との報道が9月18日にありました.

米FDA ワクチン3回目接種 “65歳以上などを対象”で承認 | 新型コロナ ワクチン(世界) | NHKニュース

アメリカのFDA=食品医薬品局の委員会は17日、新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種の必要性についてファイザーのワクチンを対象に検討を行い、16歳以上を対象とする案を反対多数で否決したうえで、65歳以上の人や重症化リスクの高い人を対象とする案を全会一致で承認しました。

アメリカ政府は新型コロナウイルスワクチンの効果が接種から時間がたつにつれ低下する可能性が高いとして、接種を終えてから一定の期間がたった人について追加の接種を行う方針を示しています。

17日に開かれたFDAの専門家の委員会では、ファイザーのワクチンについて3回目となる追加の接種が必要かどうか検討されました。

会議では、3回目の接種を進めているイスラエルの分析結果をもとに、60歳以上の人では感染のリスクが11分の1以下になるとするデータや、現時点では副反応についての懸念はみられていないとするデータが示される一方、FDAからは、ワクチンの重症化や死亡を防ぐ効果についてはこれまでの接種でも顕著な低下はみられていないことが報告されました。

これに対し、複数の委員からは、現在のデータでは特に若い世代で追加接種によって得られる効果が心筋炎などの副反応のリスクを上回ることが示されていない、などとする意見が出され、まず16歳以上の人に対し3回目の接種を可能にする案については反対多数で否決されました。

そのうえで、65歳以上の人や重症化リスクの高い人に対して3回目の接種を可能にする案については、追加の接種による利益がリスクを上回るとして、全会一致で承認されました。

追加の接種は2回目の接種が終わってから少なくとも6か月がたった人が対象で、今回の結論を受けてFDAは、今後正式に緊急使用の許可を出すものとみられます。

モデルナのワクチンについても今後追加接種についての検討が行われることになっています。

 

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ワクチン“3回目接種”実施へ 時期は?対象者は?

最新情報まとめ

NHK NEWSWEB 2021年9月17日 19時53分 新型コロナ ワクチン(日本国内)

ワクチン“3回目接種”実施へ 時期は?対象者は?最新情報まとめ | 新型コロナ ワクチン(日本国内) | NHKニュース 

新型コロナウイルスのワクチンについて,厚生労働省は3回目の接種を行う方針を決めました.

▽いつ,誰を対象に行うのか?

▽効果や,気になる副反応は?

▽海外の接種状況とは…?

3回目の接種をめぐる国内外の最新の情報です.

 

追加接種を行う方針了承 “原則同じワクチン使用”

厚生労働省によりますと,新型コロナウイルスのワクチンは時間がたつと効果が低下することが国内外で報告され,イスラエルやフランスなどがすでに追加で3回目の接種を行っているほか,アメリカも今月から追加接種を始めることを検討しています.

 

厚生労働省は17日,専門家でつくる分科会を開いて,ファイザーやモデルナ,それにアストラゼネカのワクチンについて原則,同じワクチンを使用して追加接種を行う方針を示し了承されました.

 

  1. いつから実施?

国内では2月から医療従事者,4月から高齢者への接種が始まりました.

分科会では,2回目の接種を終えて8か月以上たった人を対象とする案も示されましたが,委員から「科学的な根拠が不足している」という指摘が相次ぎ今後,科学的知見を踏まえて検討していくことになりました.

また,追加接種の時期について「すでに接種を受けた医療従事者が感染するケースが増えている」として早期の開始を求める意見が出た一方「まずは2回の接種を終えることを優先すべきだ」といった声も多く,引き続き協議していくことになりました.

 

  1. 誰に接種?

対象者についても,全員を追加接種の対象にするか重症化リスクの高い人に限定するかなど,海外の状況などを踏まえて改めて判断することになりました.

 

海外の状況ですが,対象者は国によって異なります.

イスラエルは12歳以上

▽フランスは65歳以上の人や重度の免疫不全がある人,高齢者施設の入居者など

▽ドイツは60歳以上の人や高齢者施設の入居者,免疫不全がある人,感染者と定期的に接触する医療従事者や救急隊員などが対象です.

▽イギリスは今月から50歳以上の人や現場で働く医療従事者や介護職員,基礎疾患がある人などを対象に追加接種を始める予定です.

アメリカも現在,対象としている中等度以上の免疫不全がある人に加え,今月から2回目の接種を終えて8か月以上たった人も対象に加えることを検討していて17日夜,判断することにしています.

 

厚生労働省は対象となる人や開始する時期について今後,検討することにしています.

 

専門家「まずは2回の接種を終わらせること」

日本ワクチン学会の理事長で福岡看護大学の岡田賢司教授は「3回目ありきの議論ではなく,まずしなければいけないのは希望する方々に確実にワクチンを届けて2回の接種を終わらせることだ.また,WHO=世界保健機関が指摘するように1回も接種できていない世界の人たちへの視点も大事だと思う」と指摘しました.

 

また,通常であれば3回目の接種を行うかは日本人での臨床試験を行ったうえで判断するとしたうえで「2回接種をした人でもいわゆる『ブレークスルー感染』が起こっている中では,3回目の接種について準備をしておくことは必要だ.抗体の上がり方に個人差があるのと同じく,下がり方にも個人差がある.また,抗体とは別に細胞性の免疫が免疫の記憶を獲得していると考えられていて,細胞性免疫も半年で効果が下がるのかどうかはまだ分かっていない.今後の感染状況も踏まえながら3回目の接種を急ぐのがいいのか,遅い時期になってもいいので毎年,接種を行うやり方にするのか考えておくことが重要だ」と述べました.

全国老人保健施設協会「優先的に3回目の接種を行ってほしい」

中略

 

“時間経過で感染予防効果減 デルタ株で発症予防効果も減”

厚生労働省によりますと,新型コロナウイルスのワクチンは時間が経過するにつれて感染を予防する効果が減少していく可能性があると,アメリカで指摘されています.

また,デルタ株に置き換わったことで発症予防効果も減少しているとされ以前,主流だったアルファ株に比べると

ファイザーのワクチンの発症予防効果が88%で5.7ポイント

アストラゼネカが67%で7.5ポイント

それぞれ低下するという報告もあります.

 

製薬会社“追加接種でデルタ株の働き抑える中和抗体増加”

こうした中,各製薬会社は3回目の追加接種によってデルタ株の働きを抑える中和抗体の値が増加するとしています.

ファイザー

追加接種から1か月後の中和抗体価が2回目接種の1か月後に比べて

▽55歳以下で5倍以上

▽65歳から85歳で11倍以上に

上昇したと報告しています.

<モデルナ>

追加接種の2週間後の中和抗体価が2回目接種の6か月後から8か月後までと比べておよそ42倍に増加したとしています.

アストラゼネカ

追加接種後に中和抗体価が増加したと報告しています.

 

追加接種後の副反応は?

追加接種後の副反応について海外では

ファイザーのワクチンでは2回目の接種に比べて「頻度が同程度か低かった」

▽モデルナでは「許容できる範囲だった」「副反応の半数以上は軽度か中等度だった」

アストラゼネカでは「1回目の接種後より少なかった」と

報告されています.

“追加接種に必要なワクチン 確保できる見通し”厚労省

厚生労働省によりますと,追加接種に必要なワクチンは確保できる見通しだとしています.

 

厚生労働省

ファイザーと年内に1億9400万回分の供給を受ける契約を交わし,来年初頭からさらに1億2000万回分の供給を受けることを前提に協議を進めています.

▽モデルナからは年内に5000万回分,来年初頭からもさらに5000万回分の供給を受ける契約を結んでいます.

アストラゼネカとは1億2000万回分の供給を受ける契約を結んでいます.

 

「手が回るのか…」 課題は“自治体の負担”

懸念されているのが自治体の負担です.

▽追加接種のために会場や人員を新たに確保しなくてはならず

▽対象者のうち2回目の接種から8か月以上たった人を確実に把握して,接種券を送る作業も必要になります.

 

まだ,多くの自治体が2回の接種への対応に追われている中で追加接種が始まれば負担が増えるだけでなく,手続きなどが複雑になって混乱するおそれもあります.

 

<東京 豊島区担当者>

「2回目の接種を行っている中で今から3回目の接種の準備にまで手が回るかが心配だ.必要なワクチンがきちんと配送されるのか,接種券をどう送るのか,会場をいつから確保するのかなど課題が多い」

 

<東京 足立区担当者>

「接種会場を常設することなども検討する必要があるので,3回目で終わるのか今後も毎年,接種を行っていくのか国は長期的なスケジュールを示してほしい」

 

国内 2回目接種を終えた人は全人口の53%

政府が17日に公表した最新の状況によりますと,国内で少なくとも1回,新型コロナウイルスのワクチンを接種した人は8267万7879人で,全人口の65.3%となっています.また,2回目の接種を終えた人は6720万4659人で全人口の53.1%となりました.

 

追加接種 世界の状況は…

世界ではワクチンの効果を高めようと,接種が完了した人を対象に追加の接種を始める国が出てきています.

 

イスラエル 先月から3回目開始 デルタ株で感染者再び増加

イスラエルでは,16歳以上の8割以上が2回のワクチン接種を終えていて,一時は一日の新規感染者が1桁にまで減りましたが,感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の拡大に伴って再び感染者が増えたため,先月から3回目の接種を始めました.

 

イギリス 来週から3回目を本格開始 対象は医療従事者など

イギリスでは「ワクチンの効果を保つため」として3回目となる追加の接種を来週から本格的に始めることにしています.

対象となるのは

▽高齢者施設の入居者や

▽医療従事者

▽50歳以上の人たちなどで

臨床試験の結果,高い効果が確認されているとして基本的にファイザーかモデルナのワクチンを接種し,モデルナの場合には半分の量にするとしています.

 

アメリカ 2回目接種から一定期間たった人に行う方針

アメリカは,ファイザーやモデルナのワクチンの2回目の接種から一定の期間がたった人を対象に3回目の接種を行う方針を示しています.

その理由として

▽ワクチン接種から時間がたつと感染や発症を防ぐ効果が低下するとみられ,中でもデルタ株に対してこれらの効果が低下するとみられること

▽3回目の接種によりウイルスの働きを抑える「中和抗体」の値が大きく上昇するという研究結果が得られていること

などを挙げています.

FDA=食品医薬品局は17日に専門家による委員会を開いて接種の是非について検討することにしています.

 

独・仏・スウェーデン 高齢者など対象に追加接種を開始

このほか,ドイツやフランス,スウェーデンでも,2回のワクチン接種を終えた高齢者などを対象に追加でワクチン接種を始めました.

 

 

WHO“途上国などでの接種促進のため 年末までは行わないで”

一方で,WHO=世界保健機関はワクチンが不足している途上国などでの接種を進めるため,少なくとも年末までは追加の接種を行わないよう各国に呼びかけていて,ワクチンの供給をめぐる懸念も生まれています.

 

WHO・FDA“現時点で広く一般の人に行う必要認められず”

また,WHOやFDAの専門家らは13日,これまでに公開された論文やデータに基づいて追加接種についての見解をイギリスの医学雑誌「ランセット」に発表しました.

この中で専門家は

▽患者が重症化するのを防ぐ効果はこれまでの接種によって保たれているとしたうえで

▽追加の接種によってどのような効果が得られるのかまだ明確に示されていないなどとして

現時点では広く一般の人に追加の接種を行う必要は認められず,まだ接種をしていない人を優先すべきだとしています.

 

ワクチンの追加接種をめぐっては,どのような効果を期待するのか,誰を対象にするのかなどをめぐって専門家の意見は分かれていて,議論が続いています.

中国,オーストラリア,ニュージーランド,シンガポール,台湾は,国境を閉鎖し,入国を許可されたわずかな人々を厳しい検疫にかけ,内部的には,ロックダウンなどの制限を用いて感染爆発を早期に鎮めました.その結果,住民はほぼ通常の生活を送ることができたのです.この“zero COVID” strategyを採用した国は,「一般的に,緩和策を選択した国よりも良い結果を出しています」.しかし,感染力の高いデルタ型の拡大,国境閉鎖による経済的負担,ロックダウンの疲労,ワクチンなどが,均衡を変えつつあります.Science

新型コロナウイルス感染によるパンデミックに対し,

「“zero COVID” strategy ゼロCOVID戦略」

(「 “elimination” strategy  排除戦略」)

をとってきた国々があります.

中国,オーストラリア,ニュージーランドシンガポール,台湾 です.

このブログでもニュージーランドの対応など,何回か触れてきましたが,世界的に著名な科学誌Scienceが,これらの国々の現状とこれからの方向性について記事を載せています.

日本は “elimination” strategy を採用してきませんでしたが,現在の第5波を超えた先に見る世界を考える上でとても有用な示唆を与えてくれる記事といえますワクチン先行国イスラエル,イギリス等の現状を知ると同様に.

 

以下,これら5カ国のワクチン接種,感染・死者の現状を示し,その後にScienceの記事のDeepL翻訳を掲載させて頂きます.

なお,同時に日本のグラフも載せておきます.日本も感染抑制にはかなり成功している国です.昨年管政権の成立以前は優等国の一つとなっていました.しかし,GoToトラベル以後,迷走し,対策が後手後手に回り,優等国とはいえない状況になってしまったことが,グラフから読み取れるかと思います.

 

ワクチン接種状況は中国,シンガポールは世界のトップクラスですが,ニュージーランド,オーストラリアは日本より遅れ,台湾は更に遅れている状況です.

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最近になって,シンガポール,オーストラリアはデルタ株の感染拡大を許してしまいました.

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中国,オーストラリア,ニュージーランドシンガポール,台湾の死者数も,当然のことながら,世界的に見て,最も少ない国々です.

台湾は5月に死者数の増加も招きましたが,その後抑え込みに成功しています.

オーストラリアは,感染者数の増加と共に死者数も増え始め,正念場といえるかもしれません.

シンガポールは,じわりと死者数も増加してきていますが,ワクチンがどれほど効いているのか,また規制を復活させるのかによって状況が変わってくるかと思われます.

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CAN ‘ZERO COVID’ COUNTRIES CONTINUE TO KEEP THE VIRUS AT BAY ONCE THEY REOPEN?

Successful strategies used in Asia and the Pacific may not be sustainable in the long run

https://www.science.org/content/article/can-zero-covid-countries-continue-keep-virus-bay-once-they-reopen?utm_source=Nature+Briefing&utm_campaign=238a18fa01-briefing-dy-20210915&utm_medium=email&utm_term=0_c9dfd39373-238a18fa01-46287342&

 

「ゼロCOVID」の国は、再開後もウイルスを抑え続けることができるのか?

アジア・太平洋地域で成功した戦略は,長期的には持続可能ではないかもしれません.

 

Science

NEWS  SCIENCEINSIDER HEALTH

9月14日  2021 3:30 pm 

BY DENNIS NORMILE

 

これまでCOVID-19の侵入を防ぐことに成功してきた国の中には,この病気が流行するリスクを最小限に抑えながら,自国を守るための障壁を少しずつ下げていく方法を模索しているところもあります.

 

中国,オーストラリア,ニュージーランドシンガポール,台湾は,昨年,国境を閉鎖し,入国を許可されたわずかな人々を厳しいホテルでの検疫にかけました.内部的には,ロックダウンなどの制限を用いて感染爆発を早期に鎮めました.その結果,住民はほぼ通常の生活を送ることができたのです.

 

パリ・ドーフィン大学のMiquel Oliu-Barton氏らは,6月に発行されたLancet誌に掲載された論文の中で,この「“zero COVID” strategy ゼロCOVID戦略」(科学者は「 “elimination” strategy 排除戦略」という言葉を好む)を採用した国は,「一般的に,緩和策を選択した国よりも良い結果を出している」と述べています.

この論文によると,ワクチンなどを使って感染の大波を食い止めようという緩和策(the mitigation camp)をとった米国や欧州などの国よりも,排除策(the elimination cohort)をとった国の方が,一人当たりの死亡率が低く,封鎖期間が短く,厳しいものではなく,経済的回復も早かったといいます.

 

しかし,感染力の高いデルタ型の拡大,国境閉鎖による経済的負担,ロックダウンの疲労,増大しつつあるワクチンの利用価値などが,均衡を変えつつあります

(are changing the equation.).

香港大学の疫学者であるBen Cowling氏は,「長期的にみれば,zero COVIDは経済的に持続可能ではありません.また,同じく香港大学の疫学者である福田圭司氏は,「各国は,感染予防・管理と社会活動の正常化との間の適切なバランスを見つけるために,さまざまなアプローチを試す必要があるでしょう」と述べています.

 

かつて似たような戦略をとっていたオーストラリアとニュージーランドは,現在,そのバランスを求めて大きく分かれています.

 

オーストラリアでは,6月中旬にニューサウスウェールズ州シドニーで発生した1件の感染を皮切りに,毎日2000人近くの新規感染者が発生しており,デルタ株が引き起こす深刻な流行の真っ只中にあります.オーストラリアのパークビルにあるWalter and Eliza Hall Institute of Medical Researchの感染症疫学者であるIvo Mueller氏は,全国的に排除するという選択肢はもはやありませんと言います.「ニュー・サウス・ウェールズ州とビクトリア州では,デルタ型が十分に定着しており,ゼロにすることはできません.一方で,オーストラリアの人口2,500万人の約半数に影響を与えるロックダウンやその他の規制は,大規模で時には暴力的なデモを引き起こしています」

 

8月6日,オーストラリア政府は,排除戦略を放棄した国家COVID-19移行計画を承認しました.これは,メルボルン大学のピーター・ドハーティ感染・免疫研究所によるモデル研究に基づくもので,人口の70%が完全にワクチンを接種した後は,医療システムに負担をかけずに制限を徐々に緩和することができるというものです(現在の接種率は60%).80%の基準に達すると,さらなる自由が可能になります.

 

この計画の実施方法は,オーストラリアの8つの州と準州がコントロールします.9月9日には,特に開放に熱心なニューサウスウェールズ州が「自由へのロードマップ」を発表し,その内容を紹介しています.同州の接種率が70%に達した時点で,2回接種した人への外出禁止命令は解除されますが,屋内の公共スペースでのフェイスマスクの着用義務や,大勢の人が集まる場所での制限は,当面は残ります.フリンダース大学の疫学者であるエマ・ミラーは,オーストラリアの「分裂したアプローチ」と呼んでいますが,他の州の中には,他の地域からの訪問者を禁止するなどの排除措置を維持するところもあります.

 

また,ミラー氏はより深い問題を抱えていると考えています.オーストラリア人は,重症患者や死亡者の増加を受け入れなければなりません.「地域社会がどのような数字を受け入れるか,コンセンサスが必要です」とミラーは言います.

 

対照的に,ニュージーランドは排除戦略を堅持しており,オーストラリアよりも成功しています.ウェリントンにあるオタゴ大学の公衆衛生学者,マイケル・ベイカー氏は,「COVID-19の経路不明の症例を発見したら,すぐに最大のロックダウン措置をとる」という「迅速で断固としたアプローチ」をとっています.8月17日に発生したCOVID-19のアウトブレークでは,全国的にロックダウンが実施されましたが,現在は収束に向かっているようです.8月28日には1日の感染者数が84人に達し,9月2日にも84人に達しましたが,その後は減少傾向にあります.オタゴ大学の公衆衛生学者であるニック・ウィルソン氏は,「この国の排除状態(elimination status)は,今後数週間で回復するだろう」と予測しています.このような苦しいロックダウンにもかかわらず,COVIDゼロ戦略は依然として人気があると彼は言います.

 

先月,諮問委員会は,このままの方針でいることが「パンデミックの現段階では最良の選択肢である」と述べました.しかし,ワクチン接種率の向上と接触者追跡の改善により,厳しい管理体制の一部が緩和される可能性があります.現在,12歳以上のニュージーランド人の約35%がワクチンを完全に接種していますが,ウィルソン氏は今年末までに80%から90%の接種率を見込んでいます.

 

この水準であれば,2022年には,ワクチンを接種した人が入国しても,繰り返しの検査や追跡などの条件に同意すれば,現在義務付けられている検疫を省略することができるようになるかもしれないと委員会は提案しています.ワクチンを接種した人でもSARS-CoV-2に感染する可能性があるため,「ウイルスを保有する人が定期的にニュージーランドに入国することは避けられない」とし,「地域社会での感染もある」としています.しかし,その結果として発生する大規模な感染を食い止めることは可能なはずです.

 

排除策をとった他の国は,この2つの極の間に位置しています.中国は戦略の変更を発表しておらず,「COVIDの排除を継続することになるかもしれない」とカウリングは言います.中国では,7月下旬に南京で発生し,他の多くの都市でも発生したデルタ型の感染を,厳格な排除の手順に従って制御し,1日の感染者数は150人近くから9月上旬までにゼロになりました.しかし,デルタ型の感染者は再び現れました.東南部の福建省では,9月13日に59人の現地感染者が報告されました.

 

台湾のCOVIDゼロ戦略は,5月に1日の感染者数が700人以上に急増した際に試されましたが,強固であることが証明され,今週は1日の平均感染者数が10人以下となっています.しかし,台湾大学の疫学者であるLin Hsien-Ho氏は,台湾では厳しい入国制限を緩和し,「限定的な流行」に備えるべきだという意見もあると言います.台湾では,COVID-19の感染が長らく少なかったため,「感染者がほとんど出ないのではないかという期待が大きい」といいます.

 

一方,シンガポールでは,慎重に国境管理を緩和しています.9月8日からは試験的に,ブルネイとドイツからの予防接種を受けた旅行者の入国を,相互に検疫なしで許可しています.しかし,ブルネイでは,住民の8割近くが予防接種を受けているにもかかわらず,9月9日には450人以上の感染者が報告されるなど,過去1年以上にわたって最悪の事態が発生しているため,この制度の拡大は見送られる可能性があります.(訳者註 シンガポールでもその後感染が広がりつつあり,その対策が世界から注目されています)

 

これらの国々にとって,COVID-19バブルからの脱却は重大な決断です.排除することで,パンデミックによる公衆衛生や経済への影響を最小限に抑え,ワクチンや薬の開発・試験を待つ時間を確保することができました.一方,「ゼロCOVID」を放棄することは,ほぼ確実に一方通行になります(Abandoning zero COVID, on the other hand, is almost certainly a one-way street).ニュージーランドのBaker氏は,「排除戦略の主な利点の1つは,...選択肢を残しておけることです」と語っています.

 

青空が見えた午後.思い立って妙本寺へ.総門から一番奥の祖師堂まで,かなりの距離がある,鎌倉としては大寺院. 日蓮宗最古のお寺で,開祖は日蓮.しばらく進むと右手は鬱蒼とした森.持国天と多聞天を安置した二天門をくぐると正面が祖師堂.右手には大銀杏.子供の頃銀杏拾いをしたのはこの木だったかしら.遊んだ思い出がある裏山のハイキングコースは,何年も通行止めとか.残念.

今日は雨が上がった1日.

買い物を済ませて休憩をとりながら空を見上げると,雲は残っているものの,その青さは紛れもなく秋.重い荷物を背負いながれ,思い立って妙本寺へ.

 

はじめに出会う建物は総門.

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総門から一番奥の祖師堂まで,かなりの距離がある,鎌倉としては大寺院.

日蓮宗最古のお寺で,開祖は日蓮

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途中には一般のお宅も.

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しばらくすると右手は鬱蒼とした森.

左手に植えられた金木犀は,余り目立ちません.

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二天門への階段と二天門.

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仏教の守護神である四天王のうち,持国天多聞天毘沙門天)を安置していることから「二天門」と呼ばれているそうです.

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二天門をくぐると正面にある大きな建物が祖師堂.つい最近まで本堂かと思っていました.

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祖師堂の左手に日蓮像.
右手にはイチョウの大木があります.子供の頃銀杏を拾いに来た思い出がありますが,このイチョウだったような気がしています.

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花はもともと少ないお寺ですが,祖師堂手前にはヒガンバナがお行儀良く咲いていました.

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このお寺の裏山はハイキングコースになっていたはず.ドングリ拾いをしたり,友人と駆け回った思い出がよみがえります.

しかし,登り口を捜したのですが見当たらず.

調べてみると,もう何年も通行止めになったままだとか.再開の見通しも立っていないようです.残念.

秋の長雨.ただ,昨日は一瞬の晴れ間も見えて,昼前に鎌倉海蔵寺まで.山門の手前.ハギで埋め尽くされていて,二三分咲きといったところでしょうか.赤花が主で,一株白花も.本堂横の株は赤と白のツートンカラー.初秋の海蔵寺. 萩の他にもかわいらしい秋の草花を楽しむことができました.シオン,リンドウ,ホトトギス,コムラサキ---

関東地方は,今日も雨.これから夜半にかけて更に強まるという予報ですが---.

秋の長雨です.

ただ,昨日は一瞬の晴れ間も見えて,昼前に鎌倉海蔵寺まで.春,そして秋も深まった頃は良く出かけていたのですが,この時期は初めて.

 

山門の手前.ハギで埋め尽くされていて,二三分咲きといったところでしょうか.

赤花が主で,一株白花も.

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日本の秋を代表する花として「萩」の文字が充てられたのでしょう.

(「万葉集では“芽子”とか万葉仮名で“波疑”のように表記されています」

「中国名の萩はキク科のヨモギのような草だそうです.ハギは胡枝花(胡枝子)と綴られます」湯浅浩史)

かつてはどこの野山もハギで埋め尽くされていたのでしょうか?

 

真葛原 靡く(なびく)秋風 吹く毎に 阿太(阿陀)の大野の 萩が花散る万葉集 巻10・2096)作者不詳

 

万葉集の植物で,最も多くの歌が詠まれていることでもよく知られていますね.

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万葉の花とその名前について

(湯浅浩史 先生は138ではなく142,山田卓三先生は141としています)

 

海蔵寺は,特に萩の寺とは呼ばれていませんが,宝戒寺と並んで鎌倉の萩の名所として紹介されることも.

山門をくぐって,本堂横の萩もなかなか見事.こちらは赤と白のツートンカラー.

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園芸品種が沢山開発されていて,色々な色調を楽しめるようになっています.

狭い庭に植えると,大きくなりすぎて持てあましてしまいますが.

 

初秋の海蔵寺

萩の他にもかわいらしい秋の花を楽しむことができました.

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「自宅などで死亡の新型コロナ感染者」8月は250人.感染による死者のうち,4人〜5人に1人は医療を受けられず,自宅に放棄されて亡くなったことになります.政府・地方自治体はどのような備えをしていたのか? 管首相は実績を誇っておやめになるのではなく,この250人の死者に心から詫びた上で官邸を去って欲しいと思います.また,東京都の小池都知事は112人の「自宅などでの死者」など,「オリンピックの成果」に比べれば大したことないとお考えなのでしょうか?

8月,「自宅などで死亡の新型コロナ感染者」が250人に急増したとの報がテレビ・ネットに流れました.

(年代別内訳:50代が74人,70代41人,60代40人,40代34人,80代28人,30代23人,20代5人,90代4人,10代1人)

都道府県別:東京の112人が最も多く.埼玉23人,神奈川22人,大阪20人,千葉19人と続く.)

 

警察庁が事件性の有無を確認する中で判明した数字とのこと.

 

250人という数にまず驚かされると共に,8月の新型コロナウイルスによる死亡者って何人いて,その内の何%が「自宅などでの死」だったのか気になりました.

すぐに手に入る月別死亡者の数がどこにあるかわからなかったので,Our World in Dataのグラフから数えてみました.

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8月の日本の死亡者は874人(数え間違いがあるかもしれませんがほぼ正確と思います)

この数字に警察庁の報告した死亡者が含まれているのかどうか?よくわかりません.場合に分けて計算することに.

 

含まれている場合-----250/874×100=28.6%

含まれていない場合---250/(874+250)×100=22.2%

 

どちらにしても---

多すぎる!

 

4人〜5人に1人は医療を受けられず,自宅に放棄されて亡くなった.

これを医療崩壊と言わずに何と呼べば良いのでしょうか?

 

 

政府・地方自治体はどのような備えをしていたのか?

管首相は実績を誇っておやめになるのではなく,この250人の死者に心から詫びた上で官邸を去って欲しいと思います.

また,東京都の小池都知事にも,もう一度オリンピック開催の是非を振り返ってもらいたいものです.

112人の「自宅などでの死者」など,「オリンピックの成果」に比べれば大したことないとお考えなのでしょうか?

 

 

 

朝日新聞デジタル記事

https://digital.asahi.com/articles/ASP9F638RP9FUTIL036.html

自宅などで死亡の感染者250人 8月に急増,第3波の2倍に

新型コロナウイルス

田内康介 2021年9月13日 18時23分

 

 自宅などにいた人が亡くなり,警察が事件性の有無の確認などをした事案のうち,8月中に新型コロナウイルスへの感染が確認された死者が,全国で計250人に上ることが警察庁への取材でわかった.

 

 31人だった7月の約8倍で,集計を取り始めた昨年以降,月別では最多となった.「第5波」で自宅療養者が急増したことが背景にある可能性がある.

 

 警察庁によると,遺体を検案した医師に聞き取ったところ,250人のうち死因が新型コロナと判断されたのは158人.ほかは「肺炎」「その他の病気」「事故」「不詳」などだった.

 

 都道府県別では,東京の112人が最も多かった.埼玉23人,神奈川22人,大阪20人,千葉19人と続く.年代別では50代が74人,70代41人,60代40人,40代34人,80代28人,30代23人,20代5人,90代4人,10代1人だった.

 

 発見場所別では,自宅や高齢者施設,宿泊施設などが218人.駐車中の車内などの外出先が32人だった.

 

 死亡前に感染が確認されていた人は132人.搬送先の病院で感染の疑いがあるなどとして,死後のPCR検査で感染が判明した人は118人だった.

 

 昨年3月以降に警察が取り扱った事案のうち,感染が確認された死者は計817人となった.推移を見ると,昨年12月に56人に急増して第3波の今年1月は132人に倍増.第4波の4,5月は90人台だったが,6,7月は30人台に減っていた.(田内康介)

 

「管さんとコロナ」(毎日新聞 土記 青野由利)は,”根拠のない楽観”で感染状況を読み誤った一連の対応をとがめ,新政権には「よりよい未来のために最悪を想定した対応力」を望むという内容.根拠のない楽観の具体例は 1. GoToトラベル停止の提言を無視. 2. 「ワクチン接種さえ進めば生活は元通り」イメージ. 3. 「人口の4割がワクチンを1回接種すれば,感染者の減少傾向が明らかになる」(記者会見).”根拠のない楽観”を後押しするために,政権は時には怪しげなデータを作っていました.つい最近も.

私が土曜日に楽しみにしている記事に,毎日新聞の青野由利さん(専門編集員)の「土記」があります.自然科学に弱い日本一般メディアの記事の中では出色.短い文章にまとめる力にも感服しています.

 

その「土記」の昨日の記事は「管さんとコロナ」.

管首相の退陣にあたってのコラムで,”根拠のない楽観”で感染状況を読み誤った一連の対応をとがめ,新政権には「よりよい未来のために最悪を想定した対応力」を望むという内容となっています.

 

根拠のない楽観の具体例として挙げられているのは次の三つで,特に3は「中でも私がひっかかった」として,その背景を追究しています.

1. GoToトラベル停止の提言を無視.

2. 「ワクチン接種さえ進めば生活は元通り」というイメージを振りまく.

3. 「人口の4割がワクチンを1回接種すれば,感染者の減少傾向が明らかになる」(7月初旬記者会見)

(関連記事

  まだ「運」に頼るのか=青野由利  毎日新聞 土記 2021/7/10 東京朝刊

  https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2021/07/10/235756 )

 

土記の中では触れていませんが,この”根拠のない楽観”は,首相の好む情報のみがあつまってしまう内閣のあり方から生まれてしまうのでしょう.

そして,私がさらに許せないと思うのは,”根拠のない楽観”を後押しするために,時には怪しげなデータを作ってしまうこと!間違えたふりで逃げおおせる範囲ながら,データ捏造に限りなく近い!

(日本の政府内では日常的に行われていて,たまたま今回は,注目度が高く,かつ,内閣が仕方なく選んだ専門家が委員会に出席していたために明らかになったのではないかと疑っています)

 

例えば,

GoToトラベル継続のさいには,「航空旅客数と感染者数の増加には統計的な因果関係は確認できない」という資料を官邸サイドが作成し,厚労省アドバイザリーボードの会議に提出していました.

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000696903.pdf

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/12/18/135830

専門家から見ると,人の移動から感染確認にいたる時間的ずれを全く考慮していない代物で,感染症の素人が作ったものであることは見え見えの資料とのこと.

 

 

そして,管内閣が終わることが確定した今になっても,同じような怪しげなデータが厚労省アドバイザリーボードに出されている!

この資料の内容を読売新聞が報道し,その記事を受けて,昨日の西浦さん(京大教授)がツイッターで指摘しています.

 

「ADB(アドバイザリーボード)資料2は読み人知らずで事務局発出。ADB資料3は研究者名を明示して分析を出しており、研究者生命にも影響する形で各グループが作成。9月8日開催分の資料2-6は公表できる質の手法なのか、当方から疑問を投げかけました。特定イベントを前に上から降った政治的宿題の可能性」

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https://twitter.com/nishiurah/status/1436122275346989067?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Etweet

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https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html

 

数字の根拠が,その道の第一人者に理解できないもので,作り手の名前も伏せられている資料,ということですね.

 

そして.読売新聞の見出しは “ワクチン接種で7~8月、「高齢者10万人以上の感染」を抑制…厚労省試算".

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210908-OYT1T50315/

 

深読みすれば,管首相の退陣にあたって,彼の功績を暗にたたえている記事になっています.

青野さんの記事では,2の「ワクチン接種さえ進めば生活は元通り」を後押しする内容といえるでしょう.

 

「よりよい未来のために最悪を想定した対応力」という青野さんの要求に,次の一言を付け加えたいですね.

「正確な情報に基づいて」

この当たり前のことができていない怖ろしい内閣でした.

 

 

 

土記  <do-ki>

菅さんとコロナ

青野由利

毎日新聞 2021/9/11 東京朝刊

 

 菅義偉首相の新型コロナウイルス対策を振り返って思い浮かぶのは?

 

 やはり「根拠のない楽観」だ.

 

 GoToトラベル停止の提言を無視したり,「ワクチン接種さえ進めば生活は元通り」というイメージを振りまいたり.

 

 中でも私がひっかかったのは7月初旬の記者会見で述べた「人口の4割がワクチンを1回接種すれば,感染者の減少傾向が明らかになる」という見通しだった.

 

 いったいその根拠は? 出典をたずねた内閣官房の広報室も,新型コロナウイルス感染症対策推進室も,河野太郎大臣室も,厚生労働省の予防接種室も「自分のところではわからない」.

 

 その後,野村総合研究所のリポートだと確認できたが,驚くのは首相が国民に語る重要な数字の根拠が関係部署で共有されていないこと.しかも,専門家集団の検討抜きに一つの見方に頼った上,既に明らかだった2回接種の重要性を軽視したことだ.

 

 案の定,8月上旬に1回接種が4割を超えたが,感染は爆発.それでも菅さんは見込み違いを認めず,釈明もしていない.周囲のチェック機能は働かないのか.

 

 菅政権の置き土産とも思える行動制限の緩和も気がかりだ.希望者のワクチン接種が完了したら,接種済みや検査での陰性を条件に移動や会食,イベントなどの制限を緩和するという.

 

 「明かりが見える」と言いたいのだろうが,緩和検討のために政府のコロナ対策分科会が示した分析を見ると,コロナ前に戻れると思うのは楽観的だ.

 

 元になっているのは京都大の古瀬祐気さんのシミュレーション.ワクチンの接種率や効果,ウイルスの感染しやすさなど,複数の指標を組み合わせて検討している.

 

 その中の「最もあり得る」シナリオは,ワクチン接種率が60代以上85%,40~50代70%,20~30代60%.他の指標にも現実的な仮定をおくと,これでインフルエンザ相当の死者数(年間1万人)に抑えるには,マスクや3密回避などに加え緊急事態宣言の繰り返しが必要になる可能性が高いという.

 

 接種率がもっと高まっても,コロナ前の生活に戻ると1年で10万人以上の死亡者が出る恐れがある.そうならないためにはマスクや3密回避といった対応ははずせないようだ.

 

 シナリオには不確定要素もたくさんある.状況は好転するかもしれない.でも逆もある.いずれにしても次の政権には,よりよい未来のために最悪を想定した対応力を望みたい.(専門編集委員

 

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秋みつけにおんめさまへ.小径にはこのムラサキシキブ(コムラサキ)が沢山植えられていて,秋を感じさせるしかけでしょうか.他にも沢山の秋の花が.15種類をカメラに収めてきました.タマスダレ.一輪だけ咲いていたハギ.キンミズヒキ,ザクロ,シュウメイギク----.おんめ様を出た八幡通.段カツラの半分色づいたサクラはなかなか見事でした.

今日はおんめ様へ秋みつけに.

沢山の花々に出会うことができました.

 

秋を代表するムラサキシキブホトトギス

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小径にはこのムラサキシキブが沢山植えられていて,秋を感じさせるしかけ?

ムラサキシキブと書いてきましたが,本当の名前はコムラサキだと思います.いちばん分かりやすい目印,葉のぎざぎざが上半分のみですから.

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園芸店でもコムラサキムラサキシキブとして販売しているところが多いとか.余り細かく詮索しなくてもいいと思いますが,一応の知識として,他サイトにあった見分け方を転載させてもらいます.

 

ムラサキシキブコムラサキ

秋の紫の実が美しい庭木|ムラサキシキブとコムラサキの見分け方 | LOVEGREEN(ラブグリーン)

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花丈

ムラサキシキブは樹高2~3m,コムラサキは1~2m.コムラサキの方がコンパクトで低めです.

実のつき方

ムラサキシキブは枝にまばらにつくのに対して,コムラサキは枝に固まってびっしりと実ります.

枝ぶり

ムラサキシキブは上や横に生長するのに対して,コムラサキは枝垂れるように垂れて生長します.ムラサキシキブの枝は枝垂れるようなことはありません.紫の実がびっしりついて枝垂れるような枝ぶりであればコムラサキです.

ムラサキシキブの葉は,縁(ふち)が全体的に鋸歯(きょし)でギザギザしています.コムラサキは葉の先端の半分が鋸歯です.実がついていない時期は,葉で見分けることができます.

葉と実の位置

ムラサキシキブは葉と実がほとんど同じ部分から出ますが,コムラサキは葉と実の茎から出る位置が2~3ミリ離れています.

 

 

おんめ様の花は,カメラに収めただけで15種類.

この小径を整備してくれているお寺と庭師さんに感謝.

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おんめ様を出て八幡通へ.

色づき始めたイチョウとサクラ.

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サクラは紅葉を楽しむとはいえない樹木ー紅葉する先から落葉してしまうのでーと思っていましたが,一部紅葉している姿はかなり見応えがる事に初めて気づきました.

段カツラのサクラ.植え替えて何年も経っていないのですが存在感がでてきました.なかなか見事な姿です.

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ワクチン接種回数(人口当たり)で,日本はアメリカに追いつこうとしています.多分,今日明日のうちには追い抜くでしょう.日本も大したものと思ってしまうかもしれませんが,世界から見るとこの両国は決して「ワクチン最先行国」ではありません.先行国集団の最後尾といったところでしょうか.ワクチン接種が進んでも,規制を取り払ってしまうと,感染者が急増し,同時にワクチンを受けていない人を中心に死者も増加してしまうことが,アメリカ,イスラエル,イギリスで明らか.日本は新しいステージに向かってこれからが正念場.

日本のワクチン接種回数が,人口当たりにすると,アメリカに追いつこうとしています.

多分,今日明日のうちには追い抜くかと思われます.

(現時点での接種速度:日本は100人当たり約1回/1日,アメリカは100人当たり約0.2回/1日)

 

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COVID-19 Data Explorer - Our World in Data

 

アメリカは,世界でもイスラエルに続いてワクチン接種を開始した国の一つ.

一瞬,日本も大したものと思ってしまうかもしれませんが,世界のワクチン接種の状況はアメリカが接種を開始したときとは大きく様変わりしています.

幾つかの国をピックアップして,上図に加えたのが次図.

世界から見るとこの両国は決して「ワクチン最先行国」ではありません.

先行国集団の最後尾といったところでしょうか.

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COVID-19 Data Explorer - Our World in Data

 

人口当たりのワクチン接種量のランキングでは,世界の国・地域218のうち62位・64位にランクされます.

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COVID-19 Data Explorer - Our World in Data

 

これだけワクチン接種が進んでも,規制を取り払ってしまうと,感染者が急増し,同時にワクチンを受けていない人を中心に死者も増加してしまうことが,アメリカ,イスラエル,イギリスで明らかになってきています.

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COVID-19 Data Explorer - Our World in Data

 

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COVID-19 Data Explorer - Our World in Data

ワクチン接種量では先行国の最後尾につけることができた日本.どこまで接種量を増やしていけるか,それと同時に,新たなウィズコロナの生活をどのようなものとしていったらよいか.これからが正念場ですね.

 

関連記事

www.nikkei.com

東南アジアの新型コロナ感染拡大が続き,世界の自動車産業への影響が深刻になっています.マレーシアを除いて,人口当たりの1日感染者の数字は驚くほどのものではありませんが,余りの急激な感染拡大,そしておそらく医療体制の不備もあって,厳しい制限の長期化を余儀なくされています. そしてこれらの国々の多くはワクチン接種が遅れたことも感染拡大と死亡者増加に歯止めがかからなくない大きな要因の一つと考えられています.

トヨタ,9月に世界で4割減産へ 東南アジアからの部品供給が不足」

これは,2021年8月20日付けBBCニュースの見出しです.

https://www.bbc.com/japanese/58277673

東南アジアからの部品供給不足の原因は,新型コロナウイルスデルタ変異株の急速な感染拡大.

 

同様のニュースは,メディアが一斉に報道していたので,多くの方は目にしていることと思います.

その中で日経新聞は緊急ルポの形で4回シリーズで報道していましたが,かなり力が入った記事.(2021.8.31〜2021.9.3

デルタ型猛威の東南ア1 トヨタも逆らえず: 日本経済新聞

デルタ型猛威の東南ア2 世界に見放された?: 日本経済新聞

デルタ型猛威の東南ア3 接種したくば寄付を: 日本経済新聞

デルタ型猛威の東南ア4 ワクチンでなく催涙弾: 日本経済新聞

取り上げられた国は,タイ,ベトナム,マレーシア,ミャンマーインドネシア,フィリピン.

一読の価値ありです.有料記事ですが,登録すれば制限本数ないの無料購読もできます.

 

本ブログでは,この6カ国を中心に下蘭に感染状況をまとめてみました.

マレーシアを除いて,人口当たりの1日感染者の数字は驚くほどのものではありませんが(例えば1日の感染者/100万人 は日本の第5波ピークの2倍以内に収まっているー日本も高いという見方もできますが),余りの急激な感染拡大,そしておそらく医療体制の不備もあって,厳しい制限の長期化を余儀なくされています

そしてこれらの国々の多くはワクチン接種が遅れたことも感染拡大と死亡者増加に歯止めがかからなくない大きな要因の一つと考えられています.

 

なお,ワクチンについてはマレーシアのようにワクチン接種量が日本と同等になっている国もあります. 

マレーシアもワクチンのみでは感染が抑制できなかったというのが実情でしょう.より効果の高い米英製のワクチンでも一度拡大した感染を止める力はないのですから.

(この地域の国々は中国製ワクチンが主流で,デルタ株に対するその効果が疑われていました.ただし,最近,その効果は従来株の59%であると報告がありました.

中国製は対デルタ株の有効性59% 中国専門家が公表|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト

China's inactivated vaccines effective against Delta variant: study - Xinhua

https://news.abs-cbn.com/overseas/08/24/21/china-vaccine-studies-show-effect-vs-delta-variant

 

ワクチン不足は政治問題にも発展して各国は苦慮しているようです.ワクチンに関する記事だけ日経新聞の記事を引用させて頂きます.

 

基金に協力した組織は優先的にワクチンを入手できるように調整せよ」.ベトナム首相のファム・ミン・チンは7月下旬,保健省に対しこんな指示を出した.同国は官民拠出の新型コロナウイルスワクチン基金を6月に新設.財源は全体の約4割に当たる9兆ドン(約430億円)を国内外の企業や個人の寄付などで賄う計画を立てた.

政府は当初,外資系企業に善意の寄付を依頼したが,金額が伸び悩むと手のひらを返したように説明を変えた.ある外交筋は「寄付額が多い組織が優先される実態がある」と打ち明ける.「いつ接種できるのか」.日系企業の焦りは募る一方だ.

東南アジアの多くの国のワクチン接種完了率は世界平均(約27%)を下回る.ベトナムでは3%にも満たない.インドネシアでは政府が8月にモールなどの商業施設の利用者に接種証明の提示を義務付けた.「俺を先に打たせろ」――.全国各地で接種を急ぐ住民が接種会場に殺到し,国軍が出動する事態も生じている.

 

政情不安が続くミャンマーでは,インドで生産された英アストラゼネカ製のワクチン「コビシールド」が1回130万~200万チャット(約8万~13万円)という法外な価格で闇市場で売られている.

 

ワクチン調達の遅れに各国の首脳たちは焦りを強める.「なぜ私が(米国との軍事協定延長で)合意したか公にしよう.ワクチンのためだ」.8月16日夜,フィリピン大統領のロドリゴ・ドゥテルテは政権幹部を集めた会合でこう明かした.

同国で調達したワクチンは中国製が過半を占め,インド型(デルタ型)の感染予防効果が高い米国製は全体の2割程度にすぎない.米側が求めた軍事協定の延長はドゥテルテにとって貴重な外交カードだったが,7月の米国防長官オースティンの訪問時に浮上した協定延長とワクチン調達への協力のセットを断る選択肢はなかった.

 

一方,別世界が広がるのはシンガポールだ.「外食解禁後に何度も飲みに行っているわ」.中心部のバーの屋外席.シャンティニ(27)は夜風を受けながら同僚とカクテルを傾けていた.同国のワクチン接種完了率は人口の8割を超えた.8月10日から接種者には外食が解禁され,レストランは活気を取り戻しつつある.経済力で先進国化した同国と,域内の他の新興国との格差はワクチン調達でも鮮明になっている.

 

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「このパンデミックの数少ない光明の一つは,子供たちが比較的助かっていることです」もし子供たちが次々と倒れるようなことがあったなら,現在のパンデミックは何十倍も悲惨なものとなっていたでしょう.「何故子供たちが重篤化しにくいか?」に対する最も有力な答え: “子供たちがCOVID-19に対抗できた理由は,病原体に対する洗練されていないけれど迅速な反応である自然免疫反応にあることが,研究によって明らかになりつつあります” Nature

世界をおおう新型コロナウイルス(COVID-19).

「このパンデミックの数少ない光明の一つは,子供たちが比較的助かっていることです」(Kawsar Talaa,the Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health in Baltimore)(Nature)

本当にそうですね.

もし子供たちが次々と倒れるようなことがあったなら,現在のパンデミックは何十倍も悲惨なものとなっていたでしょう.

 

「何故子供たちが重篤化しにくいか?」については,様々な仮説が提唱され,世界中で研究が進められてきましたが,デルタ変異株の出現により,その答えを見つけることが急務になりました.

今のところ,初期のウイルスと比較して,子どもがデルタウイルスに感染しやすい,あるいは影響を受けやすいという明確な証拠はありません.しかし,SARS-CoV-2は,他のウイルスと同様,常に変異し,宿主の防御を回避する能力を高めているため,小児期の防御効果を理解することがより重要になる可能性があります.

 

科学誌Natureは,ニュース記事でこの問題を取り上げています.ニュース記事と言っても極めて良質レビュー記事です.本当に理解するためには専門的知識が必要ですが,私を含め,多くの専門家以外の方々も大まかな内容は理解できるように思います.

要約しようかと思いましたが,時間がなく,また,素人が間違えてもいけないので,全文のDeepL翻訳版を掲載させて頂きます.

この記事によれば,現在のところ,「何故子供たちが重篤化しにくいか?」に対する最も有力な答えは,

“子供たちがCOVID-19に対抗できた理由は,病原体に対する洗練されていないけれど迅速な反応である自然免疫反応にあることが,研究によって明らかになりつつあります”

(ただしこの仮説を完全に裏付けるには,さらに多くの研究が必要)

というものです.

 

 

NEWS FEATURE 07 September 2021

Kids and COVID: why young immune systems are still on top

Innate immunity might be the key to why children have fared better with the virus. But the Delta variant poses fresh unknowns.

Smriti Mallapaty

Kids and COVID: why young immune systems are still on top

子供とCOVID:なぜ子供の免疫システムが優位に立っているのか

子供の方がウイルスに重篤化しない(fared better)理由は,自然免疫にあるかもしれません.しかし,デルタ型ウイルスは,新たな問題を提起しています.

Smriti Mallapaty

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昨年の初め,ニューヨーク市内の小児病院は,COVID-19の大流行に対処するためにピボットしなければなりませんでした.アルバート・アインシュタイン医科大学のウイルス学研究室を率いる小児感染症の医師,ベッツィ・ヘロルド氏は,「私たちは皆,大人のケアの仕方をすぐに,あるいは半強制的に学ばなければなりませんでした」と語ります.その理由は,市中の病院が患者であふれかえっていたのに対し,小児病棟は比較的静かだったからです.子どもたちは病気から守られていたのです.

 

米国疾病管理予防センターが全国の病院から収集したデータによると,COVID-19による入院のうち,18歳未満が占めているのは2%未満で,2020年3月から2021年8月下旬の間に合計3,649人の子どもが入院しています.中には重症化する子どももいて,米国では420人以上が死亡していますが,重症化した人の大半は大人であり,この傾向は世界各地で確認されています.

 

このことは,SARS-CoV-2がやや変則的であることを示しています.インフルエンザや呼吸器シンシチアルウイルスなど,他の多くのウイルスでは,一般的に幼児や高齢者が最も感染しやすく,年齢別の悪い結果のリスクはU字型の曲線で表されます.しかし,COVID-19では,その曲線の若い方の端が大きく切り落とされています.メリーランド州ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院の感染症内科医であるKawsar Talaat氏は,「これは非常に驚くべきことです」と言います.「このパンデミックの数少ない光明の一つは,子供たちが比較的助かっていることです」.

 

しかし,この現象は免疫学者にとっては必ずしも驚くべきことではありませんでした.他のウイルスの場合,大人には経験というアドバンテージがあります.大人は,過去に感染したり,ワクチンを接種したりすることで,似たような病原体に対処できるように免疫システムが鍛えられているのです.しかし,SARS-CoV-2という新しいウイルスが登場したことで,子供のほうがウイルス感染をコントロールする能力が高いことが明らかになりました.ニューヨークのマウントサイナイ医科大学アイカーン校の免疫学者であり遺伝学者であるデュサン・ボグノヴィッチは,「私たちはいつも,子供は細菌の工場だと考えています.しかし,それは子どもたちの免疫システムが機能していないからではなく,子どもたちが経験不足なだけです」と彼は言います.

 

子供たちがCOVID-19に対抗できた理由は,病原体に対する洗練されていないけれど迅速な反応である自然免疫反応にあることが,研究によって明らかになりつつあります.ヘロルドは,「子供たちは自然免疫反応を持っているようで,"起動してすぐに行動できる" 状態にある」と言います.しかし,この仮説を完全に裏付けるには,さらに多くの研究が必要だと付け加えています.

 

デルタ型の出現により,答えを見つけることがより急務となりました.米国やその他の地域では,感染症や入院の報告に占める子供の割合が大きくなり始めているという報告があります.このような傾向は,デルタ型の感染率の高さと,多くの大人がワクチンで守られていることに起因すると考えられます.

 

今のところ,初期のウイルスと比較して,子どもがデルタウイルスに感染しやすい,あるいは影響を受けやすいという明確な証拠はありません.しかし,SARS-CoV-2は,他のウイルスと同様,常に変異し,宿主の防御を回避する能力を高めているため,小児期の防御効果を理解することがより重要になる可能性があります.ボストンにあるマサチューセッツ総合病院の小児呼吸器科医であるLael Yonker氏は,「これまで,免疫反応の年齢による違いは,臨床的に大きな意味を持たなかったため,あまり注目されていませんでした」と語っています.「COVID-19は,こうした違いをよりよく理解する必要があることを示しています」

 

ブレインストーミングのアイデア

なぜ子どもは大人よりもSARS-CoV-2の制御に優れているのか?当初,研究者たちは,子どもは単に感染率が低いだけだと考えていました.しかし,データによると,少なくともほぼ間違いなく感染しています(10歳以下の子供は若干感染しにくいかもしれません)[1].

 

米国小児科学会の調査によると,先月末まで,米国におけるCOVID-19感染者のうち約15%が21歳未満であり,480万人以上の若者が感染していました.また,インドで行われた調査では,感染やワクチン接種後にできるSARS-CoV-2に対する抗体を調べたところ,6〜17歳の子どもの半数以上,そして人口全体の3分の2が検出可能な抗体を持っていることがわかりました.

 

明らかに,子どもたちが感染しています.そのため,もしかしたら,大人のようにウイルスが複製できないのかもしれません.研究者の中には,ウイルスが細胞に侵入して感染する際に利用するACE2受容体の数が,子どもの方が少ないのではないかと提唱する人もいます.鼻や肺におけるACE2の発現量の年齢による違いについては,相反する証拠がありますが,上気道における「ウイルス負荷」(ウイルス粒子の濃度)を測定した科学者たちは,子どもと大人の間に明確な違いはないとしています[2].

 

6月3日にプレプリントとして掲載された110人の子どもを対象としたある分析[3]では,研究者たちは,乳幼児から10代の子どもまで,特に感染後すぐに高いウイルス量を示す可能性があることを明らかにしました.この研究を主導したヨンカーは,「ウイルスが存在し,検出可能であるだけでなく,生きたウイルスであることから,これらの人々も感染力を持っています」と述べています.

 

もう1つの提案は,1年中鼻をすすっているように見える子供たちは,風邪の原因となる他のコロナウイルスにより多くさらされているため,パンデミックコロナウイルスに引っかかる能力のある抗体の部隊が準備されているのではないかというものです.しかし,大人にもこのような免疫力があることを示す証拠は数多くあります.驚くべきことに,これらの「交差反応性」抗体は特別な保護を提供するものではなく,むしろ誤った反応を引き起こす可能性があるのです.

 

これらの仮説をほぼ否定した上で,ヘロルドたちは,子どもの免疫反応に何か特別な効果があるのかどうかを調べようとしました.

 

手がかりは,感染した人の血液の中にもありました.ヘロルドたちは,24歳以下の65人と60人の高齢者を比較した研究[4]で,全体としては,症状の軽い若年者は高齢者と同程度の抗体を産生していました.しかし,その一方で,獲得免疫反応に関連する特殊な抗体や細胞のレベルが低下していました.獲得免疫反応とは,病原体について学習し,もし病原体が戻ってきた場合にそれを迅速に阻止するための免疫システムの役割です.具体的には,SARS-CoV-2が細胞に感染するのを阻止する「中和」抗体,感染した細胞が他の細胞に取り込まれて破壊されるように標識する抗体,調節性T細胞やヘルパーT細胞と呼ばれる白血球などのレベルが低かったのです.

 

一方,今回の研究では,病原体の侵入を免疫系に知らせるインターフェロン-γとインターロイキン-17というシグナル伝達タンパク質の値が,子どもたちのほうが高い値を示しました.インターフェロン-γとインターロイキン-17は,おそらく気道を覆う細胞で生成されたもので,自然免疫の仲介に関与しています.ヘロルドは,子供たちが獲得免疫反応をあまり起こさなかったのは,自然免疫反応がより効率的に脅威を排除できたからではないかと考えました.ヘロルドによると,成人の過剰な獲得免疫(適応)反応がCOVID-19の合併症の原因になっている可能性があるといいます.

 

香港の研究者らによる,SARS-CoV-2に感染した成人と小児を対象とした別の研究[5]でも,小児では獲得免疫反応,特にT細胞の反応が弱くなっていることが判明しており,この違いを引き起こす何かが初期に起こっていることが示唆されたと,研究の共同執筆者である香港大学のSophie Valkenburg氏は述べています.

 

しかし,彼女によれば,炎症の抑制や,より的を絞った獲得免疫反応など,他の要因も重要である可能性があるといいます.研究者たちは,感染した子どもたちは,自然免疫系と獲得免疫系の橋渡しをする炎症性単球を含む単球と呼ばれる細胞の数が少ないことを発見しました.しかし,これらの子どもたちは,初期の抗体反応を起こすのに重要なT濾胞ヘルパー細胞(T follicular helper cells)のレベルが高かったのです.

 

 

第一応答者

Herold氏らは,子供たちの生来の反応をより直接的に測定しようと試みました.救急外来を受診した人たちから鼻と喉の綿棒を採取し,その中には軽症の子ども12人と成人27人が含まれ,中には死亡した人もいました.その結果,小児では,インターフェロンやインターロイキンなどのシグナル伝達タンパク質の濃度が高く,これらのタンパク質をコードする遺伝子の発現も高かったのです[2].

 

ヨンカーによると,子どもに重要な役割を果たしている可能性のある免疫細胞の1つは,自然リンパ系細胞(innate lymphoid cells)です.この細胞は,組織の損傷を最初に検出し,自然免疫と獲得免疫の反応を制御するシグナル伝達タンパク質を分泌します.7月4日にプレプリントとして掲載されたある研究[6]では,ヨンカーらは,COVID-19に罹患していない人の血液中の自然リンパ系細胞の数が年齢とともに減少し,男性では少ないことを発見しました.また,重症の成人や症状のある小児でも,これらの細胞の量は減少していました.

 

また,最近SARS-CoV-2に感染した子供は,成人と比較して活性化した好中球の数が多いことがわかっています[7].今回の研究を主導したメルボルンマードック小児研究所(MCRI)の免疫学者,メラニー・ニーランドは,「好中球は,ウイルス粒子が複製される前に摂取します.さらに,これらの細胞は年齢とともに効果が薄れていきます」と述べています.

 

鼻の内側に並ぶ上皮細胞も,迅速な反応を調整している可能性があります.具体的には,SARS-CoV-2を認識することが知られている受容体であるMDA5をコードする遺伝子の発現量が,大人に比べて子供の方が圧倒的に多いことがわかっています[8].この細胞は,侵入してきたウイルスを発見すると,直ちにインターフェロンの産生を開始します.研究の共著者であるベルリン保健研究所のローランド・エイルズ博士(コンピュータ・ゲノミクス研究者)は,「私たち大人は,ウイルス防御システムを,子どもが0日目から利用できるレベルにまで高めるのに2日かかります」と述べています.「子供と大人の違いは,このタイムラグにあるのです」

 

また,まれな遺伝性免疫疾患の研究では,インフルエンザなどの呼吸器系病原体を阻止するために自然免疫が重要な役割を果たしていることが指摘されています.

ベルギーのルーベン・カトリック大学の小児免疫学者・医師であるイザベル・メイツは,日頃から免疫障害のある子どもたちを診ています.パンデミックが発生したとき,彼女は彼らを守るための計画を立てました.「私が最も心配していたのは,生まれつきの免疫不全を持つ患者さんでした」とメイツは言います.

 

彼女の予感はこれまでのところ正確でした.獲得免疫反応に異常をきたしている子供たち,例えば,抗体を産生しない子供たちや,B細胞やT細胞の産生に異常をきたしている子供たちは,SARS-CoV-2に感染しても問題は起こらなかったのです.重症化した人の中には,自然免疫反応に問題のある子供たちがいたといいます.「このウイルスに打ち勝つために役立っているのは,実は獲得免疫系ではないのです」

 

また,成人を対象とした研究[9]では,重症のCOVID-19患者の中には,ウイルスに対する自然免疫反応に関与する1型インターフェロンの活性を阻害する変異を持つ人が少なからずいることがわかりました.また,別の解析では,生命を脅かすCOVID-19患者の10人に1人が,このインターフェロンの活性を阻害する抗体を持っていること[10]や,過去にコロナウイルスに感染したことのない人では,年齢とともにこのような抗体の有病率が上昇すること[11]が明らかになっています.

 

しかし,自然界の反応が活発になりすぎると,逆に有害になることもあります.例えば,ダウン症の人は,COVID-19が重症化するリスクが高いと言われています.Meyts氏によると,ダウン症の人が持つ余分な染色体には,1型のインターフェロン反応に関与する遺伝子がいくつか含まれているためではないかとのことです.Meyts氏によると,初期反応の不足と過剰な反応の間には,興味深いバランスがあるといいます.「その場で正確に反応させる必要があり,タイミングも完璧でなければなりません.」

 

 

悪い記憶をくすぐる

自然免疫がすべてではないと,研究者たちは言います.特に,自然免疫が獲得免疫反応といかに相互に関連しているかを考えると.

 

ペンシルバニア州フィラデルフィア小児病院の免疫学者で小児感染症の研究者であるLaura Vella氏は,「小児では免疫学的なトーンが異なるという考えはありそうです.」しかし,その違いは何によってもたらされるのでしょうか?彼女によると,さまざまな要因が絡み合っていると考えられます.

 

研究者の中には,他のヒトコロナウイルスに長年さらされてきたことで,成人の免疫系が他のウイルスと同じようにSARS-CoV-2にアプローチし,効果的な反応が得られなくなったのではないかと指摘する人もいます.これは「原抗原の罪(original antigenic sin)」と呼ばれる概念です.一方,子供の場合は,全く新しいウイルスに対して,より新鮮で,より細かく調整された反応を起こすことができます.

 

オーストラリアのメルボルンにあるピーター・ドハーティ感染・免疫研究所の免疫学者,Amy Chung氏は,SARS-CoV-2に感染した50人を含む数百人の子供と大人の血液中の抗体を調べた大規模な研究(12)で,この証拠をいくつか確認しています.その結果,大人では,SARS-CoV-2に含まれる他のコロナウイルスと類似した部分を標的とした交差反応性の抗体が多いのに対し,子どもでは,ウイルスのすべての部分に対する幅広い抗体が作られる傾向があることがわかったといいます.

 

研究者たちは,炎症をコントロールしたり,傷ついた組織を回復したりする能力など,加齢に伴って悪化することが知られている他の要因にも注目しています.MCRIで小児血液学を研究している生化学者のVera Ignjatovicは,「子供は血管内に血栓ができにくいので,それが何らかの保護につながる可能性がある」と言います.

 

もちろん,すべての子どもが無症状あるいは軽度の感染症にかかっているわけではありません.慢性心疾患や癌などの基礎疾患を持つ子供たちの中には,重篤な肺炎を起こす子供もいます.また,症状が数か月以上続く「long COVID」の有病率については,さまざまな推定値があります.最近のプレプリントでは,COVID-19の検査で陽性となった若者の最大14%が,診断から3カ月後に複数の症状を抱えていることが示唆されています(13).また,一部の健康な子どもたち(21歳以下の感染者1万人のうち3人)には,MIS-C(Multi-system inflammatory syndrome in children)と呼ばれる症状が見られます.これらの子どもたちは,初期の感染には概ね良好な反応を示しますが,約1ヵ月後には,心不全,腹痛,結膜炎などのさまざまな症状を呈しますが,肺へのダメージは最小限に抑えられた状態で病院に入院します.「肺へのダメージはほとんどありません.」

 

インペリアル・カレッジ・ロンドンの小児科医,感染症内科医であるマイケル・レビンは,MIS-Cは感染症に対する抗体やT細胞の反応が大きくなった結果であろうと考えています.しかし,何百もの論文が発表されているにもかかわらず,「MIS-Cを発症した子どもたちが,他の子どもたちと何が違うのかは,まったくわかっていない」とレビン氏は言います.

 

パンデミックが進行するにつれ,研究者たちは,ウイルスが進化して,子供たちの生来の防御機能の一部が阻害されるのではないかと心配しています.研究者の中には,世界の一部の地域で一時的に主流となっていたアルファ型が,体の自然免疫反応を抑制するような仕掛けを進化させていたことを発見した人もいます.また,デルタ型も同じようになるのではないかと心配しています.今のところ,デルタ型が流行している地域で子供の入院が増えているのは,デルタ型の感染力が全年齢にわたって強化されていることと,大人の多くがワクチンを接種しているか,すでにSARS-CoV-2に感染していることが原因のようです.しかし,研究者たちは注意深く見守っている.

 

「ほとんどのウイルスは自然免疫系を回避する方法を進化させており,COVID-19も例外ではありません」とヘロルドは言います.「今のところ,子供たちは自然免疫力で勝っています」.しかし,いつまで続くのでしょうか?「我々にはわかりません」

 

ネイチャー 597, 166-168 (2021)

doi: https://doi.org/10.1038/d41586-021-02423

 

References

1.

Irfan, O., Li, J., Tang, K., Wang, Z. & Bhutta, Z. A. J. Glob. Health 11, 05013 (2021).

2.

Pierce, C. A. et al. JCI Insight 6, e148694 (2021).

3.

Yonker, L. M. et al. Preprint at medRxiv https://doi.org/10.1101/2021.05.30.21258086 (2021).

4.

Pierce, C. A. et al. Sci. Transl. Med. 12, eabd5487 (2021).

5.

Cohen, C. A. et al. Nature Commun. 12, 4678 (2021).

6.

Silverstein, N. J. et al. Preprint at medRxiv https://doi.org/10.1101/2021.01.14.21249839 (2021).

7.

Neeland, M. R. et al. Nature Commun. 12, 1084 (2021).

8.

Loske, J. et al. Nature Biotechnol. https://doi.org/10.1038/s41587-021-01037-9 (2021).

9.

Zhang, Q. et al. Science 370, eabd4570 (2021).

10.

Bastard, P. et al. Science 370, eabd4585 (2021).

11.

Bastard, P. et al. Sci. Immunol. 6, eabl4340 (2021).

12.

Selva, K. J. et al. Nature Commun. 12, 2037 (2021).

13.

Stephenson, T. et al. Preprint at Research Square https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-798316/v1 (2021).

 

 

長い秋雨の合間,束の間の青空の下,ジンジャーリリーに黒いアゲハ.前翅の薄く透き通ったような白も素敵なチョウです.すがすがしい気分になって,外出.目的地はいつもの英勝寺.道すがら,道路沿いの家々の花を楽しみつつ.穂を出したばかりのススキ.仏殿を背景にサルスベリ.シュウメイギクにヒオウギの実(ぬばたま).ハギの花がチラホラ開きはじめています.秋を告げているようでした.

今日は,久しぶりに青空と太陽を見ました.

束の間でしたが,いいものです.

虫たちもうごめきはじめ---

ジンジャーリリーにアゲハが到来.

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バックの白い花と黒とのコントラストも見事.前翅の薄く透き通ったような白も素敵なチョウです.

黒いアゲハと言えばカラスアゲハとクロアゲハの名前しか知らない私.クロアゲハでないことはすぐ分かりましたが,カラスアゲハでもなさそう----

写真をアップして友人に聞いたところ

ナガサキアゲハの雌」が答え.以下見分け方.

カラスアゲハとは違いますね.白い部分が見えるでしょう,ナガサキアゲハのメスには個体差がありますがこの白さが目印.オスは白い部分がないので,雌雄は柄で分かる種類です.

あとカラスアゲハなどのアゲハ類では尾状突起があるのが一般的ですが,この子にはないでしょう,これもナガサキの特徴です.

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よく見られるチョウ - 庭のチョウ

 

美しいアゲハチョウにすがすがしい気分になって,外出.目的地はいつもの英勝寺.道すがら,道路沿いの家々の花を楽しみつつ.

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英勝寺駐車場のススキ.まだ穂が出てきたばかりという感じ.

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仏殿を背景にサルスベリ.花は少ないものの,鮮やか.

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庭園の草花たち.

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キササゲ.不思議な実です.以前はどこにでもあって見向きもしなかったサンゴジュ.改めて眺めてみるとサンゴジュの名前に決して負けてはいません.

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ハギの花がチラホラ開きはじめています.秋を告げているようです.

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何回か今まで取り上げた「ワクチン接種先行国の感染者・死者について」を改めて整理するため, 欧州主要国・アメリカ・カナダ・イスラエル・日本を比較しました.大幅に出遅れた日本ですが,アメリカに追いつくところまで接種回数を伸ばしてきました.日本よりかなり先行してワクチン接種を進めた国々は,一旦,感染が収まったかに見えました.しかし,再び急上昇する国(スペイン,イギリス,等)と感染者が抑えられたまま推移しその後緩やかに上昇していく国(イタリア,スウェーデン等)に分かれていきます.

今日も小雨交じりのとても涼しい1日でした.

 

夕食後,パソコンに向かって,まずチェックするのはやはり気になるCobid-19.

昨日は人口100万に当たりの死亡者の各国比較のデータを整理して掲載しました.

 

今日は,何回か今まで取り上げた「ワクチン接種先行国の感染者・死者について」を改めて整理しておくことにしました.

欧州主要国・アメリカ・カナダ・イスラエル・日本を比較します.

(他のデータも載せるつもりでしたが時間切れ.以前とりあげた内容とほぼ同じになってしまいました)

 

ワクチン接種で最も先行したイスラエル.それに続いたイギリス・アメリカ.その後にEU諸国がワクチン接種を進めました.

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西ヨーロッパ各国・カナダは順調に接種を進め,イスラエルは3回目のブースター接種を開始.

国内の足並みがそろわないアメリカは,バイデン政権の思惑とは違って停滞気味.

大幅に出遅れた日本ですが,もうすぐアメリカに追いつくところまで接種回数を伸ばしてきました.

各国のグラフの傾きの最高値は,イスラエルがやや大きいものの,驚くほど一致しています.日本の接種速度の早さを自慢する向きがありますが,特に早いわけではなく,各国とも頑張って接種を進めた結果,最高接種スピードはほぼ同じになったと思われます.

なお,世界的に見るとワクチンの供給が律速になっている場合が多いようですが,ここに挙げた国々は供給が滞ることはなかったでしょう.

 

このように接種を順調に進めた国々の感染状況はどうなっていったかが気になるところ.

日本よりかなり先行してワクチン接種を進めた国々は,一旦,感染が収まったかに見えました.日本では,これをワクチン接種の結果だと勘違いしたした方々がいて,管首相に進言したようですが,これらワクチン先行国は同時にロックダウンを含む厳しい規制下で接種を進めていました.

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一旦抑えられた各国の感染者数は,再び急上昇する国(スペイン,イギリス,フランス,イスラエルアメリカ,オランダ)と感染者が抑えられたまま推移しその後緩やかに上昇していく国(イタリア,スウェーデン,ドイツ,カナダ)に分かれることに.その後の規制解除の速度の違いを反映していると思われます.

また再び急上昇した国も,そのまま上昇し続ける国(イスラエル,イギリス,アメリカ)と抑制される国(フランス,オランダ,スペイン)に分かれます.

 

イスラエル,イギリスはほぼ全面解除したため,感染者は増え続けています.アメリカは州毎に接種率も規制も異なり,州によってはワクチン接種も少なく,規制も少ないため,感染者が増えているとのこと.フランス,オランダ,スペインはおそらく規制を導入したと思われますが,これを裏付ける情報はあまり持ち合わせていません.

イギリスはサッカー欧州カップの影響が大きく一旦急上昇.その後夏休みも重なって減少したかに見えますが,再び上昇しはじめました.

 

ドイツ,スウェーデン,イタリア,カナダは,感染者数を下げたまま推移しています.どのような対応をとったのか知りたいところですが,少なくとも何らかの規制措置は取っていることと思われます.ただ,例えば,規制嫌いのスウェーデンがそれほど強い規制をしているとは思えません.特別な対応の仕方をしている可能性がありますが,調べきれませんでした.

なお,この4カ国も8月に入り感染者が増加しはじめ,現在の感染者数はドイツでは日本とほぼ同等,他の3か国も日本に近づいて来ました.

 

 

イスラエル,イギリス,アメリカで感染者が急増したことは,ワクチンに大きな期待を寄せていただけに,世界に失望をもたらしました.

(ただ,これは感染抑制の効果に過大な期待を寄せすぎたということのようですが.)

そして,感染抑制の効果を維持し続けるためには3回目の投与が必要ではないか,という考え方で,イスラエルが先行.アメリカが追随することを発表.他の欧州諸国も続くことになると予想されます.そして日本もおそらく---.

 

 

ワクチンの効果が,最も顕著に示されるのが重症化の予防とされています.

実際,ワクチン接種先行国での死者は低いレベルで推移してきました.

しかし,感染者が一定数以上増加してしまうと,死者も増えてしまいます.アメリカ,イスラエル,スペイン,イギリス,フランスでは8月に入り死者が増え始めてきました.ワクチン接種者の死亡例は非常に少ないようですが.

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新型コロナウイルスによる死者は,ほぼ一直線に上昇し世界で455万人.日本も増え続けて 16,279人.今日は人口100万人当たりの死者数を比較しました.新型コロナウイルスによる被害を最も大きく受けている国々,何とか被害を食い止めている国々がよりはっきり見えてきます.最も被害の大きい国々は南米(ペルーは世界一)・東欧諸国.続いて西欧・アメリカ.そして中東.東南アジアはデルタ株の被害が深刻.オーストラリアは完全に押さえ込めるか正念場.ほぼ完全に押さえ込んでいるのが台湾,ニュージーランド,中国.

今日も雨模様に1日.

日曜日恒例の買い出し,常備食の準備等で,1日が終わりました.

ブログの題材を考えても思いつかず---

またCobid-19に.

世界の死亡者がどれぐらい増えてきているか,まとめてみました.

 

昨年一月に初めて死者が報告された新型コロナウイルス

その後,死者の増加は.少し波打ちながらも,ほぼ一直線に上昇し,2021年9月3日現在,世界で455万人と報告されています.

(以下,データ,グラフは,全て

COVID-19 Data Explorer - Our World in Data

 より)

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日本の死亡者も増え続け,9月3日現在,16,279人.

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世界の国別総死者数トップ15は次の通り.

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このような総死者数のランキングについては,良く見かけるかと思います.

しかし,総死者数は人口に大きく依存した数字.

今日は以下で人口100万人当たりの死者数を比較していきます.これによって,新型コロナウイルスによる被害を最も大きく受けている国々,何とか被害を食い止めている国々がよりはっきり見えてきます.

 

世界では人口100万人当たり600人近い死者が報告されています.1万人当たり約6人!

日本は人口100万人当たり129人.1万人当たり1.3人.

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日本の死亡者は,世界平均よりかなり低く抑えられています.

地理的な要因,国民的な気質によっても左右されたとは思いますが,日本の感染対策,患者の治療体制・医療技術は比較的優秀と言えるのではないでしょうか.

(政治は迷走しているにもかかわらずこの数字が残されている!疫学・感染症の専門家集団はとても優秀で,国民も総じて真面目に感染対策に取り組んでいることの証しだと思います)

ただし,昨年11月以降,世界平均との差はやや縮まってきているように見えます.

(これには失政が関与していると思いますが,何とか持ちこたえているのは,専門家集団のおかげでしょう)

 

国別の死者数

はじめに,人口100万人当たりの死者数が.日本より多い国々をピックアップしてみました.

国別に見ると,人口当たりの死亡者数が最も高いのはペルーでダントツ(人口100万人当たり約6000人.1万人当たり60人!),2位はハンガリーボスニアヘルツェゴビナ

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地域的には,人口当たり死者数が最も高いのが南米.ペルーと共に大国ブラジル・アルゼンチンも今年に入ってからの死者の増加が目立っていました.

日本では余り話題になりませんが,ハンガリーチェコ等の東欧諸国も南米とほぼ同程度の人口当たりの死者数です.

イギリス,EU諸国,アメリカはその次のグループと言えるでしょう.

EU・イギリス・アメリカに続くのが中東諸国.

アジアは低く抑えられてきましたが,デルタ株の猛威を抑えきれず,マレーシア,タイ等が中東のイラン・イラクと共に死者を急増させています.

人口の多いインドは,総死者数では世界3位ですが,実はかなり死者数は抑えられていて,人口100万人当たりの死者数は日本の三倍弱.

 

次に,人口100万人当たりの死者数が,日本より少ない国々です.

日本もかなり頑張っているとはいえ,感性拡大をもっと抑え込んでいる国はいくつもあります.

日本と同じように,ある程度の感染と死者数の増大を許してきている(許してしまった)国,パキスタンケニア

韓国も同じカテゴリーに入るかもしれません.

ほぼ完全に抑え込んでいたのに,デルタ株の急速な拡大を許してしまったタイ,ベトナム

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オーストラリアは正念場.ワクチン接種の拡大で,新たな局面を模索している?

拡大を許すかに見えてほぼ抑え込んだ台湾.

デルタ株についても,抑え込みに成功したと見えるニュージーランド,中国.この二カ国は立派と言わざるをえないでしょう.

中国の強権体質は批判されるべきかもしれませんが,もし中国が感染拡大を許していれば,世界への影響はとてつもなく大きなものになっていたことは間違いありません.

ニュージーランドは,地理的に恵まれていた点を差し引いても,あらゆる面で世界の模範のように思われてなりません.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/05/26/002157

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