カステラ2 カステラの語源は,「ポルトガル語のpão de Castella 」とするのが一般的になっています.現在ポルトガルで広く食べられているPão de Ló(パン・デ・ロー)のルーツのひとつもpão de Castellaで,卵,砂糖,小麦からつくられ,カステラの主な材料と一致します.日本のカステラは,これに水飴/蜂蜜を加えてしっとり感を出しているのが特徴的ですが,「材料の配合量や焼き方にそれぞれの店の秘法がある」とのことです.

「カステラとは,安土桃山時代ポルトガル経由で日本に伝わった『南蛮菓子』をもとに日本で生まれた和菓子の一種」とされています.

https://www.castella.website/nagasakicastella/000000000004/ 

https://www.fukusaya.co.jp/

https://shooken.com/

 

カステラの語源は,「ポルトガル語のpão de Castellaカスティーリャ王国ースペインの一地方ーのパン)もしくはBolo de Castelaを略して,当初はカステイラとした」とするのが一般的.

精選版日本国語大辞典,ニッポニカ,改訂新版世界大百科事典,事典和菓子の世界(中山圭子) 等.

 

他の可能性としては,「オランダ語 Castiliansh-brood(カスティーリャンシュのパン)

の略」(精選版日本国語大辞典),「ポルトガル語beter claras em castelo(卵白を白のように泡立てる)」(事典和菓子の世界).

 

 

カステラの語源となったポルトガルのpão de Castellaは,現在ポルトガルで広く食べられているPão de Lóパン・デ・ローのルーツでもあります.(Pão de Lóのルーツには他の説もある).

https://www.google.com/search? Pao-de-lo

英語版ウィキペディアによれば,https://en.wikipedia.org/wiki/Pão_de_Ló

パン・デ・ローは卵,砂糖,小麦からつくられます.イースト等を用いないため,「望ましい膨らみをえるために,手作業で1時間以上卵を泡立てる必要があり、1900年代半ば以前は、この仕事は一般的に女性に任されることが多かった」とのこと.現在でも作るためには職人技が必要とされ,「伝統的なパン・デ・ロー」がポルトガル農業省により認定されています.

この英語版ウィキペディア「Pão de Ló」には,ポルトガル国外のものとして,カステラへの言及があります!

 

 

パン・デ・ロ同様,日本のカステラの主原料は,卵,砂糖,小麦粉.

パン類と異なりふくらし粉やイーストは用いず,また,パウンドケーキなどと違って乳製品(牛乳,バター)も用いません.

早くも江戸時代のレシピ本(古今名物御前菓子秘伝抄ここんめいぶつかしひでんしょう 1718)に作り方が掲載されています(事典和菓子の世界)

ただし,この江戸時代のレシピで作られたカステラは「おそらく現在より薄く.ぱさぱさした物だったろう」(事典和菓子の世界)とのこと.

現在のカステラは,明治以降の改良の積み重ねの結果(事典和菓子の世界)で,特に現在のしっとり感のあるカステラは,水飴/蜂蜜を加えたことが要因とされています.(事典和菓子の世界)

 

ブリタニカによれば
「原料は鶏卵,砂糖,小麦粉に水飴,蜂蜜,清酒,食塩などを配し,その配合量,焼き方にそれぞれの店の秘法がある」とのことですが---
カステラの名店とされる中でも最も歴史あるお店,福砂屋の紹介文は以下の通り:

福砂屋のカステラ製造は,素材選びからスタートします.特筆すべきは,地元長崎産の新鮮な鶏卵と奄美大島の黒糖の使用です.これらが見事な調和を醸し出し,甘さとふんわりとした食感が引き立っています.

 

さらに特徴的なのが,上質なシロップをたっぷりと使用し,しっとりさせている点です.その結果,口の中で広がる甘さはしつこさを感じさせず,すっきりとした後味をもたらします.これは,福砂屋の長きに渡る匠の技術による,伝統と革新が融合した結果なのです.