羊羹4 ドライフルーツの羊羹(NHK美の壺にそって)  昔ながらの商店街の名物羊羹.切るとラム酒の香りとともに,美しい断面が.ドライフルーツが抽象画のような模様を描きます.羊羹ぶね(容器)はパウンドケーキ用のもの.切り口をイメージし,食感の異なるくるみやいちごを入れます.ラム酒のつけたいちじくを丸ごと.黒砂糖を加えた濃厚な練羊羹を注ぎます.スライスをフランスパンに.ワインともマリアージュする新しい羊羹. 付録:スペイン菓子専門誌記事「稲葉基大&浅野理生.雛が和菓子を世界へ」部分和訳

羊羹4 ドライフルーツの羊羹NHK美の壺にそって) 楽しい時間を切り分ける1

 

東京大田区,昔ながらの商店街,その一角にある間口一軒ほどの小さな店先.

https://otaku-times.com/7338/

積まれているのはこの商店街の名物して親しまれている羊羹.一切れ切るとラム酒の香りとともに,美しい断面が現れます.

ドライフルーツが抽象画のような模様を描きます.

https://wagashi-asobi.com/item/item_a.html




スペインの菓子専門誌にこの羊羹を作った二人が紹介されました.

ドライフルーツという斬新なアイデアが評価されたのです.

https://www.sogoodmagazine.com/pastry-blog/pastry-chef-articles/motohiro-inaba-rio-asano-chicks-take-wagashi-to-the-world/

 

羊羹を練るのは,この町の出身,稲葉基大(もとひろ)さん.老舗の和菓子店に二十年勤務.そのうち6年間は、ニューヨークの店で働きました.

稲葉基大さん「この羊羹を作るきっかけになったのは,パンに合う和菓子を作って欲しいと,ちょっと分かりにくい依頼があったのがきっかけで,羊羹をつなぎにして考案したのがきっかけです」

浅野理生(りお)さん「テリーヌみたいなものをイメージして,あえてドライフルーツやナッツを刻まずにまるごと入れることによって,いちじくの種の宇宙みたいな感じ,くるみの雲みたいに浮かぶような感じ,いちごの赤が黒羊羹に映えてきれいだなとイメージしました.」

 

並べられている容器はパウンドケーキ用のものを用意しています.

軽やかな感性も,二人の持ち味です.

羊羹の切り口をイメージしながら,食感の異なるくるみやいちごを入れます.ラム酒のつけたプチプチとしたいちじくを丸ごと.黒砂糖を加えた濃厚な練羊羹を注ぎます.

 

スライスした羊羹をフランスパンに.

ワインともマリアージュする新しい羊羹の味わい方です.

 

「羊羹を利用して,色々なシーンで楽しんでもらう提案とか,ヒントを提供できたらいいなと思っています.」

 

 

 

スペインの菓子専門誌にこの羊羹を作った二人が紹介されました:

https://www.sogoodmagazine.com/pastry-blog/pastry-chef-articles/motohiro-inaba-rio-asano-chicks-take-wagashi-to-the-world/


(一部割愛 DeepL翻訳)

2015年2月18日

sogoodmag

カテゴリー パティシエの記事

稲葉基大&浅野理生.雛が和菓子を世界へ

著者 松野玲子

写真 長瀬ゆかり

 

日本のお菓子は「和菓子」と呼ばれる.「和」は日本,「菓子」はお菓子を意味する.和菓子の歴史は古く,興味深い.

古くは仏教とともに中国の影響を受け,16世紀には交易を通じてポルトガルやスペインの影響を受けた.

鎖国時代を経て,アメリカやイギリスから見たこともないようなチョコレートのようなお菓子が入ってきた.和菓子は多かれ少なかれ外国文化の影響を受けていた.

近代に入り,洋菓子が日本に持ち込まれるようになると,和菓子職人たちは,自分たちが作ったものに対する顧客の忠誠心を失わないよう,より一層努力するようになった.彼らの勤勉さ,巧みさ,季節の移り変わりへの敏感さが,和菓子をより高い境地へと押し上げたのだと思う.

『Wagashi Asobi』の共同経営者である稲葉基大氏は,「最近,海外のパティシエたちが日本や日本の食材に魅了されているようです.」

 

基大と理生は,伝統的な和菓子と,若い人たちにも注目されるような遊び心のある和菓子の両方を作ることにした.

 

和菓子は茶の湯に欠かせないものである.しかし,21世紀に生きる日本人には茶の湯を楽しむ人が少なくなり,和菓子よりも洋菓子を楽しむ人が増えている.それに伴い,和菓子職人の数も減少している.

この状況を打破するため,稲葉は2011年,パートナーの浅野理生と「Wagashi Asobi 和菓子あそび」というチームを結成し,東京の中心部の小さな町に小さな店舗兼アトリエをオープンした.代々受け継がれてきた和菓子作りの伝統技術を守るために,今,自分たちにできることは何か?そして,伝統的な和菓子と,若い人たちにも注目されるような遊び心のある和菓子を作ることにしたのだ.

「和菓子をコミュニケーション・ツールとしてとらえるようになりました.それに,私たちのお店が将来,若い和菓子職人が自立するための新しいビジネスモデルになれば嬉しいですね」.

 

マルシェのひよこ

 

店に入ると,外国人男性がいた.稲葉によると,彼は最近のお客さんだという.稲葉と,和菓子の世界で20年ほど働いている浅野にとって,和菓子をより多くの人に知ってもらうことは夢だ.

「異文化の中で和菓子を紹介しようと思うと,まずあんこを知ってもらおうと努力しがちです.それは間違っています.NYの有名な老舗和菓子屋で働いたとき,異文化の人にあんこを楽しんでもらうのは難しすぎると痛感しました」と稲葉さん.

彼らが世界に知ってもらいたいのは,あんこではなく,和菓子に隠されたメッセージなのだ.

「春は咲いて散る桜を愛で,夏は葉を愛で,秋は落葉を愛でる.いろんな角度から四季を楽しむ.日本が誇る文化です.それを和菓子作りに生かしたい.和菓子の多くはミニマルなデザインですが,それは想像力を膨らませるためです」.

和菓子の認知度を高めるため,彼らは日本全国,そして世界各地で和菓子作りの実演を行った.親善大使には「旅するひよこ」を任命しました

ひよこの形をした「すあま(寿甘,素甘)」は,上新粉と呼ばれるうるち米の粉を蒸した素朴でもちもちしたお菓子です.

パリに行った時は,フランス人に馴染みのあるフランボワーズとマーマレードで味付けした『パリのひよこ』を作りました.-----」.

「パリでデモをしたのは,イースター休暇の1週間後だった.あのひよこはイースターの卵から孵ったひよこなんだよ,とフランス人に説明したら,とても喜んでもらえた」と稲葉は思い出す.

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落雁

落雁は寒梅粉と粉砂糖と水から作られる.作り方はとてもシンプルだが,木型を使うことでデザインは様々に変化する.日本茶に合う伝統的なお菓子だが,「Wagashi Asobi」のお菓子が型破りなのは,その味付けにある.ローズマリーやハイビスカスなどのハーブやトマトなどの野菜を使っている.

 

羊羹

「Wagashi Asobi」には,ガラスのショーケースも派手なカウンターもない.小さなテーブルの上に,葉っぱのようなカラフルな飴と,箱型の小包がいくつか置いてある.

これらは,日本の伝統的な砂糖菓子を現代風にアレンジしたハーブの落雁と,ドライフルーツの羊羹である.羊羹は通常,寒天で固めた餡だが,ある顧客からのリクエストで,とてもユニークなものになった.

「パンと一緒に食べられるような和菓子が欲しいと言われたんです.最初はわからなかったのですが,あんぱんを思い出しました.

昔の日本ではナッツをお菓子として食べていたから,ナッツを入れるべきだと思った.そしてドライフルーツは欠かせない.ラム酒との相性もいい.和菓子によく使われるラム酒も黒砂糖もサトウキビから作られている.

その結果,クルミ,ドライイチジク,イチゴ,そしてラム酒を使った羊羹が生まれたんです」

と浅野氏は説明する.