羊羹5 会津長門屋の「ファンタジー」(NHK美の壺にそって) 切ると断面に鮮やかな色が.切り進むにつれて,月は満ち,青い鳥は羽ばたく.「東日本大震災があって,何か,みんなを笑顔にできるような菓子ができないかなと」「切り分けるとパラパラ漫画のように,一つの物語になっていくものを---」「笑顔になれるものと--」その精神は,代々伝えられてきたものでした.赤く染めた飴に黒豆を入れ,内側に曲げればだるまさんに.遊び心は,羊羹に受け継がれました.「共感しあえる楽しい時間が一つになるお菓子だと思っています.」

羊羹5 会津長門屋の「ファンタジーNHK美の壺にそって) 楽しい時間を切り分ける2

 

神奈川県箱根町

つくばい(蹲踞、蹲)の水音もさわやかな茶室です.

若い茶道家が茶会を催しています.

主催の近藤俊太郎さんです.

https://www.google.com/search?茶道家 近藤俊太郎

「今日は,面白い黒い隕石のような羊羹を用意させてもらいました.普段,あまり見ないような形だと思うんですけれど---」

https://www.google.com/search?長門屋の羊羹

今日は,この艶やかな黒いお菓子が主役のよう.これも羊羹?

こちらの茶会は前衛的.床の間の掛け軸には,アインシュタインの数式が書かれています.

茶碗は青い地球をイメージしているそうです.

「今日のお菓子なんですけど,月をモチーフにしたお菓子になります.今日は全体的にも宇宙をテーマにさせてもらっています.」

 

断面に鮮やかな色が!

https://www.youtube.com/watch?v=DdCT3RfXo0c

 

切り進むにつれて,月は満ち,青い鳥は羽ばたく.

https://www.youtube.com/watch?v=DdCT3RfXo0c

「お月様と青い鳥.ロマンチック!お月様いただきます」

 

この羊羹を作ったのが,福島兼会津若松の,江戸時代から続く和菓子店です.

 

長門屋店主鈴木哲也さん

「この羊羹を作るきっかけは,東日本大震災があって,会津若松は比較的大きな被害はなかったんですけど,浜通りから沢山の方が避難してきました.何か,みんなを笑顔にできるような菓子ができないかなという思いがあって作ったのがきっかけです」

 

一緒にデザインした,妻の静さんのメモです.

試作品「羊羹ーMOVE−」

①dreaming (夢の中)

女の子が月の光の中でシンデレラになる

子供の日,ひなまつり,バレンタインデー,ホワイトデー.女性への贈り物,keep dreaming ,ロマンチック)

②flying  朝焼けの中を羽ばたいていく鳥

(次の一歩をふみだすとき,開店祝い,入学祝い----

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②「a bird」「Flying]

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https://www.bs-asahi.co.jp/fresh-faces/lineup/prg_161/

「切り分けるとパラパラ漫画のように,一つの物語になっていくものを作りたくて---

一番最初は,こういう,シンデレラがお姫様になっていくイメージで--」

「夢があって,かわいらしくてよかったんだけれど,なにせ手足が細かくて,再現できなくて,難しかったですね」

 

何度も試作をくり返したといいます.

 

選ばれたのが幸せの青い鳥.

(初めは黒い羊羹の中を飛んでいた!)

 

「やっぱりモチーフとして,笑顔になれるものの方がいいということで---」

 

誰もが笑顔になれる菓子.

https://nagatoya.net/?pid=151939531

 

その精神は,代々伝えられてきたものでした.

この店には,江戸時代から作り続けてきた,ロングセラーの飴があります.

甘いものが貴重な時代.高価な砂糖ではなく,デンプンなどを使い,誰もが手にできるよう工夫したといいます.

赤く染めた飴に黒豆を入れ,内側に曲げればだるまさんに.

https://nagatoya.net/?pid=151939531

ユーモア溢れる遊び心は,羊羹に受け継がれました.

https://gds.tokyo/products/nagatoya-yokan_fantasia#mz-expanded-view-913130301434


「このお菓子は,皆さんの前で切り分けていただくと,だんだんだんだん絵柄が変わって行くという楽しさをみんなで一緒に共感しあえる楽しい時間が一つになるお菓子だと思っています.」

羊羹.

みんなを笑顔にする不思議な力を宿しているようです.

 

壺三.楽しい時間を切り分ける. 了