全国的に根強い人気を持っている今川焼き/大判焼き/回転焼き----
この和菓子の多様な名称には,多くの方々が興味を持っていて,この名称の違いを解説した記事がネット上にも溢れていてます.
https://www.google.com/search?今川焼き/大判焼き/回転焼き
その中には同志社大や奈良大の先生方が調べた記事もあります.
https://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/faculty_column/2017-08-10-13-07
https://services.osakagas.co.jp/portalc/contents-2/pc/tantei/1281857_38851.html
この内,同志社大学の吉海先生は,沢山の名称を採取して,それぞれの名前の由来についても簡単な解説をつけています.
驚くのはその数の多さ.
吉海先生の記事だけでもざっと数えると26.
他の記事も合わせると,30を越える名前がありました.
由来がはっきりしない名前も多いようですが,例えば兵庫県の御座候は「他店の開店焼きと区別してお客様がそう呼ぶようになったから」とのこと.
https://services.osakagas.co.jp/portalc/contents-2/pc/tantei/1281857_38851.html
それぞれの名前には一つ一つ物語があるのでしょうね.
このような多様な名称を持っているものの,地方によって優勢な名前があることよく知られていて,全国の傾向を網羅的に調べた記事も.
https://services.osakagas.co.jp/portalc/contents-2/pc/tantei/1281857_38851.html
https://j-town.net/2014/08/15190292.html?p=all
この内,Jタウンネットの記事の図をお借りして掲載しておきます.詳細はこのサイトをお読みください.
https://j-town.net/2014/08/15190292.html?p=all
このような多様な名称で呼ばれているものの,どの記事にも「最も古い呼び名は今川焼き」とあります.その理由をはっきり示しているのが,国立国会図書館のサイト.
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000143045&page=ref_view
この記事には,
「1770〜1780頃,今川焼きという名で売り出された」ことを示す資料が明記されています.
他の名前でこれより古い物はみつからないということですね.
国会図書館レファレンス協同データベース
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000143045&page=ref_view
▽今川焼は、江戸中期の安永年間(1772~80)頃から、神田の今川橋辺りで売り出された.
▽1777(安永6)年に出た『富貴地座位』という資料の中に、「本所の今川焼き那須屋弥平」と店の名前が記されている.
この内容を書いている資料名:
・『たべもの起源事典』岡田 哲/編 東京堂出版 2003
p.51 いまがわやき(今川焼き)
・『事典和菓子の世界』中山 圭子/著 岩波書店 2006
p.20 今川焼 いまがわやき