甘納豆  マロングラッセやフリュイ・コンフィと同じ蜜漬けの和菓子で,豆を用いるところは日本独自.日本全国で作られていて,老舗店も知られていますが,その内の榮太樓の三代目細田安兵衛(榮太樓の屋号を初めて用いた)が江戸時代に考案したとされています.名称は,塩味の寺納豆として当時名が通っていた浜納豆/浜名納豆をもじって付けられたと伝わっています.

甘納豆は,豆を煮て糖蜜につけ砂糖をまぶした和菓子.

イタリアのマロングラッセ、フランスのフリュイ・コンフィ(果物の蜜漬け)も蜜漬けのお菓子ですが,豆を使うのは日本独自ですね.https://torokuya.com/amanatto

https://www.google.com/search?甘納豆

 

改訂新版世界大百科事典 

https://kotobank.jp/word/甘納豆

アズキ,ウズラマメ,青エンドウ,インゲン,ソラマメなどの豆を煮て最初は薄いみつ(糖蜜)に漬け,しだいに糖度を増して3回ほどみつ漬を行い,じゅうぶん甘味をしみこませてからみつを切り,砂糖をまぶして仕上げる.

それぞれの豆の持味を生かし,外皮とともに軟らかく食べられるようにする.(池田 暉)

 

 

手許にあればいつの間にか食べてしまう和菓子といえば,柿の種と並んで,この甘納豆があげられるのでは?

少なくとも私の場合は当てはまります.

甘納豆は日本全国で作られていて,ネット上に掲載されているランキングも多数.

例えば

https://ranking.rakuten.co.jp/daily/201173/

https://my-best.com/7804

 

老舗店も知られていて,例えば東では榮太樓總本鋪,花園万頭,西は京都岡女堂などの名前が挙げられています.https://my-best.com/7804

https://www.google.com/search?甘名納糖

 

この内,榮太樓總本鋪は,甘納豆を初めて作った店として,ほぼ全ての記事で名前が挙げられているお店.

例えば,

ニッポニカ https://kotobank.jp/word/甘納豆

事典和菓子の世界(中山圭子 岩波書店

デジタル大辞泉 https://kotobank.jp/word/甘名納糖-692971

 

現在でも,榮太樓總本鋪の甘納豆は江戸時代の名称「甘名納豆」の商品名で販売され,豆も小豆ではなくササゲを用いているとのこと.

考案したのは,榮太郎の屋号を初めて用いた三代目細田安兵衛.https://www.eitaro.com/ryohan/history/

「甘名納豆」という名称は,交友のあった文人墨客の田中平八郎氏が『遠州浜松(静岡県)名物「浜名納豆」をもじって「甘名納糖」と名付けたらどうか』と言われて決めたと伝えられています.https://www.eitaro.com/exclusive/

初めの名前は「淡雪」だったとか.この名前では,現在の隆盛は望めなかったかもしれませんね.https://hugkum.sho.jp/289454

 

甘納豆は,発酵食品ではありませんが,名前のもととなったとされる浜納豆/浜名納豆は,塩味の発酵食品です.

ただし,浜納豆/浜名納豆は納豆菌ではなく麹を用いていますから,大徳寺納豆と同じ寺納豆で味噌に近いと言えます.

浜納豆/浜名納豆

納豆の一種.煮た大豆に麹こうじ・小麦粉をまぶして発酵させ,塩汁に漬けたのち乾燥してサンショウ・ショウガなどの香料を加える.浜名湖北岸にある大福寺で作り始めた.(デジタル大辞泉

 

 

付録

アズキとササゲ

子実:https://www.mame.or.jp/syurui/photogallery/shijitsu.html

花:https://www.mame.or.jp/syurui/photogallery/hana.html

莢:https://www.mame.or.jp/syurui/photogallery/saya.html

豆類の植物分類