週刊文春2020年12月24日号「医療崩壊は人災だ.『尾身(会長)を黙らせろ』管(首相)逆ギレ命令」は.私を暗澹たる気持ちにさせる記事です.
週刊文春2020年12月24日号 | 最新号 - 週刊文春WEB
新型コロナ感染第三波拡大を招いた官邸が,いかに専門家の見解を無視してGoTo維持に躍起になっていたかが描かれ,週刊誌という特質上,やや扇動的な書きぶりではありますが,その内容はほぼ事実に沿ったものと思います.
その中で,私を最も暗い気持ちにさせ,また怒りの焔すら点火させたのは,官邸サイドが厚労省アドバイザリーボードの会議に提出していた「航空旅客数と感染者数の増加には統計的な因果関係は確認できない」という資料です.
この資料は,「一見正しそうな統計データで世を惑わす手口」の見本となる代物.悪徳健康食品販売者などが常用する手口と言っていいかと思われます.
専門家の見解通りに政府が施策を進めるべきということは全くないでしょう.
(新型コロナ第一波時の安倍政権は,専門家に丸投げして成功しましたが)
各分野の専門家の意見を聞き,理解した上で,全体を見渡した独自の政策を進める役割を持っています.
しかし,悪徳業者さながらのデータで国民を欺き,施策を実行することは許されません.
私たちの命に関わる施策においてはなおさらです.
遅きに失したGoToトラベルの見直しは,内閣支持率世論調査の結果を受けてのこと.専門家の意見を理解した上でのこととは思えません.
今後も施策の進め方が見直されることはないのでは?
暗い気持ちにさせられます.
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000696903.pdf