ソーセージとは,「牛や豚,羊などの腸等のケーシングに味付けした肉を細かく刻んで詰めたもの」.
「牛や豚,羊などの腸に,香料や調味料を加えてひきつぶした肉を詰め,煮沸,乾燥あるいは燻製くんせいにした食品」(日本国語大辞典)
「生肉,燻製肉,酢漬け肉などを細かく刻んで味付けし,一般的にはケーシングに詰めたもの」(encyclopedia Britannica)
欧米で発展したソーセージですが,肉の腸詰めは,アジアでも古くから食べられてきました.
今日はその中から,中国のシァンチャン(香腸)とラプチョン(臘腸)を取り上げます.
ただし,ネット上の解説に混乱があり,どれが正しいのか自信がありません.欧米のソーセージと味付けが異なっている(甘めです)ことだけは確か.
なお,ラプチョンについては,ソーセージの歴史を記したときに,英語版ウィキペディアの記述を引用しました.
中国南北朝時代に食べられていたとのことです.
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2024/08/31/235638
https://simple.wikipedia.org/wiki/Sausage
古代メソポタミア楔形文字の石版に記載があることから,ソーセージは紀元前にすでに食べられていたことが分かります.
またホメロス,アリストファネスの作品は,古代ギリシャにソーセージはすでに人気を博していて,ソーセージ売りもいたことを示しています.
中国のソーセージの一種「ラップ・チョン」は,南北朝時代(420〜589年)には食べられていました.
世界のソーセージ(8)
9.中国のシァンチャン(香腸)とラプチョン(ラァチャン 腊肠/臘腸)
辻調グループの記述は次の通り.
https://www.tsuji.ac.jp/hp/syokuzai/za_chai/niku1.htm#:~:text=香腸(中国腸詰)
シァンチャン
香腸
(中国腸詰)
小さく切った豚肉に砂糖,塩,醤油,酒など調味料,香辛料を混ぜ合わせ,豚の小腸(或いは大腸)に詰めて,日干しにしたもの.歯ざわりはサラミに似ているが,甘みを帯びている.寒く腐りにくい臘月 ラァユエ(旧暦12月)に作ったものは品質がよいので,臘腸 ラァチャン といい,詰めて熱湯にくぐらせてから日干しにする.
この解説は,すっきりとした記述ですが---
日本語版ウィキペディアの「中国ソーセージ」「香腸」では,かなり異なった解説となっています.
何も知らない私には,どの記述が正確なのかは判断できません.画像検索の結果は,次の日本語版ウィキペディア「中国ソーセージ」の記述と一致しているように思います.
ウィキペディア「香腸」にはこれと異なる説明があります.
https://ja.wikipedia.org/wiki/中国ソーセージ
臘腸(ラプチョン)は乾燥した硬いソーセージであり,普通は豚肉と豚脂から作られる.通常は燻製にし,甘く味付けした後,バラ水や米酒,醤油で味付けする.
https://www.google.com/search?ラップ・チョン
https://ja.wikipedia.org/wiki/中国ソーセージ
香腸は,粗みじん切りにした豚肉と未精製豚脂からなる,新鮮で弾力ある食感のソーセージ.味はやや甘め.
https://www.google.com/search?香腸 中国