菜の花を詠んだ短歌 / 里山ガーデン外周路の花々 横浜里山ガーデンの外周路には里山の雰囲気が残され,ゆつくり散策できます.山吹・つつじ・烏野豌豆,そして菜の花. 蝶ひらひらゆくへのどかに風わたる菜の花一里の春の日ぬるき 金子薫園  菜の花の乏しき見れば春はまだかそけく土にのこりてありけり 長塚節  菜の花の明るき日暮れ一人旅を思いつつ見ているバス路線図を 関根榮子  まひるまの菜の花ばたけ鬱屈のこころを抱きて土鳩きている 久々湊 盈子

昨日のブログで取り上げた横浜里山ガーデン・大花壇には,園芸用の植物が30万本植えられているそうです.

園芸用品種は,入り口すぐのウェルカムガーデンにも植えられていて,楽しませてくれます.

 

しかし,園芸用植物が植えられた花壇は敷地のほんの一部で,大部分は里山の雰囲気を残したまま整備されていて,ゆっくり散策できます.

http://www.satoyama-garden.jp/map/

腰を下ろしてくつろげる芝生もあり,レジャー施設としては,フォレストアドベンチャーやトレイルアドベンチャーの施設も併設されています.


昨日は,外周園路をまわり,そろそろ終盤になっている今年の春の雰囲気を満喫できました.

山吹は,花の最盛期で,この敷地内で最も目立っていました.

 

ツツジもほぼ満開.植えられた品種かと思います.

 

田畑の区域もあって,今は春の雑草たちが咲き誇っていました.

ヒメオドリコソウカラスノエンドウ

木々の新芽も美しい.


ソメイヨシノヤマザクラは既に散っていて,春も終盤を告げていたのが八重桜.

 

田畑区域の道路沿いには,菜の花が.花は半分ほど終わっていましたが,先端部分の最後の花を楽しんできました.


菜の花を詠んだ短歌
(古今短歌歳時記より)

 

かつがつも実になりてゆきてゆく春の末ばかりにも残る菜花(なのはな)  大隈言道 草径集 

 

百草(ももくさ)の萌えいづる庭のかたはらの松の木陰に菜の花咲きぬ  正岡子規 丈の差と歌

 

蝶ひらひらゆくへのどかに風わたる菜の花一里の春の日ぬるき  金子薫園 片われ月

 

群青に入江の潮に菜の花の山はいちめんの夕日の反射  太田水穂 鷺・鵜

 

目に入るは全ての菜の花行く汽車の行きのまにまに黄に渦巻くも  窪田空穂 冬日ざし

 

菜の花の乏しき見れば春はまだかそけく土にのこりてありけり  長塚節 長塚節歌集

 

しろき日の崩れつつあり菜畑は花ゆりあげてひかりを吸へり  春日真木子 火中蓮

 

疾風(はやかぜ)のやみて月いづるころほひか菜の花群(むら)は遠くけぶれる  長澤一作 冬の暁

 

菜の花の中にかがやく職場見ゆいかなる闘いが今日は待ちている  田井安曇 我妻泰歌集

 

菜の花の明るき日暮れ一人旅を思いつつ見ているバス路線図を  関根榮子 水駅

 

お前を未だ知らざりし日々菜の花の千の決別黄に乱れ咲く  佐佐木幸綱 夏の鏡.

 

まひるまの菜の花ばたけ鬱屈のこころを抱きて土鳩きている  久々湊 盈子 熱く神話を