はい,本日のテーマは,私おすすめの
『精進料理』. Buddhist Cuisine」
COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン~ - NHK
【出演】慶応義塾大学院教授…中村伊知哉,【司会】鴻上尚史,リサ・ステッグマイヤー,【語り】日高のり子,中井和哉
パトリック(コンゴ),ルイ(中国),ユーリ(ブラジル),ヘザー(アメリカ),ニコラ(フランス),シニパー(タイ),フラビオ(イタリア),クリスティアン(イギリス)
クールジャパン『精進料理』Buddhist Cuisine1.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/10/01/221041
「確かに考えてみると,実にこの現代,Up to Dateなものだと思いますが----」「ベジタリアンは菜食主義」「ビーガンは絶対菜食主義」「自分がベジタリアンか,ビーガンだから食べたっていう人,いますか? おっ,おっ,2人」ヘザー,ユーリ //
やって来たのは秋葉原駅前.「精進料理って聞いてきたけど,どうして秋葉原なのかな?」 「ここで食べるなんて信じられないわ」「本当に,お寺の中でも修行僧のお坊さんたちが食べてるのは,割と普通のお総菜に近い感じのもの--
クールジャパン『精進料理』Buddhist Cuisine2.
続いては六本木.
外国人に人気の店があるというので,訪ねました.
「おしゃれなお店ね」
「高級感があるよ」
高級感溢れる店内.精進料理の専門店です.
客のおよそ7割が外国人.
男性客(イギリス)「和食はどこでもおいしいけど,ここは別格だよ」
女性客(イギリス)「革命的ベジタリアンフードね」
コース料理のように.一品一品,料理が提供されます.(ディナータイム)
盛り付けは客の目の前で.楽しい工夫ですね.
一品目から揚げ物.ボリューム感があります.
(夜のメニュー:本メニューは一例.料理内容は季節の良い食材を用いてつくります)
・温かい前菜 寒干大根フライ 豆腐タルタル
「とてもおいしい.こんな味の濃い大根は初めて」
続いて,軽く火を通したイチジクの豆腐ソースがけ.蓮の葉の上に器がのっています.
食べ終わると
(蓮の葉をどけるとその下に)
その下に
・お椀 冷とうもろこし擂流椀
蓮の葉の下には冷たいトウモロコシのスープが.
地味な見た目の精進料理が,目でも楽しめるものに変わっています.
・「彩野菜」
シニパー(タイ)「ワーオ」
ニコラ(フランス)「色鮮やかだね」
シニパー(タイ)「お花の宝石箱みたい」
シニパー(タイ)「こんな美しい精進料理.信じられない」
ニコラ(フランス)「和食は見た目が大切だけど,精進料理にこんな美しさは必要かな?」
店主野村大輔さん「海外の方にも,もっとこんなにすばらしいものがあるんだということを,知って頂きたい.そういう思いでやっている精進料理なので,ちょっと,まあ,新しい精進料理の形というものを,今,作りたいなと」
他にも,野菜寿司や,揚げ物,デザートなど,12品のコース.
(全12品コース 12000円)
一例
寒干大根フライ 豆腐タルタル
冷とうもろこし擂流椀
バラチラシ
錦野菜ごまだれ
賀茂茄子煮おろし
石川芋の天ぷら 小茄子・枝豆
shojinカツごはん 赤出汁・香の物
デザート
甘味
https://r.gnavi.co.jp/dfmnveba0000/menu2/
進化する精進料理,いかがですか?
「しかしな〜,肉も魚も出なくて12000円って思うと---」
「でも,手間がかかってますよね」
「すばらしいです.すばらしいですね」
「さあ,まずは,ニコラ.いかがでしたか?実際に見に行って」
ニコラ(フランス)「いろんな精進料理店があってあもしろかったよ.気軽に食べられるのが,人気の秘密だろうね」
「さあ続いてシニパーさん.いかがでしたか?」
シニパー(タイ)「隠し味が効いていて,味のバリエーションもあったわ.(料理の)提供の仕方もよかったの.ハスの葉の下からスープだ出てきたけど,ハスは仏教の象徴だから仏教徒の私は感激したわ」
「なるほどね」
「まず,精進料理のカフェ,カフェ風のやつ.
https://www.happycow.net/reviews/komaki-syokudo-tokyo-40326
COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン~ - NHK
https://www.happycow.net/reviews/komaki-syokudo-tokyo-40326
yachikusakusaki.hatenablog.com
あの店はどうでしたか?」
ユーリ(ブラジル)「今まで,フルコースの店にしか行ったことがなかったから,気に入ったよ」
「うん,カジュアルな感じだからね.え〜と,ヘザーさん」
ヘザー(アメリカ)「カジュアルな店はいいわね.多くの人が,精進料理は格式が高くて,めったに行かないけど,こういう店だと何度でも行けるでしょう?」
「クリスティアン,どうよ」
クリスティアン(イギリス)「行ってみたいわ.私は安くておいしいものが好きなの.デートで使ってもいいわね」(笑い)
ルイ(中国)「正統派の料理をアレンジしたのよね.だから,一般の人たちにも親しみやすいと思うわ」
「なるほど.さあ,じゃあ,高級なお店.
あれはさ,何で,みんな外国の人,行くんでしょう?」
ヘザー(アメリカ)「私はビーガンだから日本では店を探すのが難しいの.でもあの店は信頼できるわ.料理の種類も豊富なのよ」
「なるほど.それからそれから,パトリックはどうですか?」
パトリック(コンゴ)「ちょっと値段が高いかな.でも,料理の出し方や調理を見ると,肉好きだけど行ってみたいよ.楽しめるかもね」
ニコラ(フランス)「ランチタイムがあるから,安く食べることが出来るよ」
「あるんだ.ランチタイムがあるんだ.あ〜すごいな」
「一応,Buddhist cuisineなので,仏教の信仰のある国では,精進料理はあるよね.タイは精進料理はありますか?」
シニパー(タイ)「タイはちょっと違うわ.タイの僧侶は食べ物を自分で選ぶことが出来ないの.僧侶は,毎朝,茶碗を持って町の人からもらうのよ(⇒*)」
「あ〜そうだ.なるほどね.言えないんだ.『ああごめんなさい.肉ダメなんです----あっ魚もダメなんです.(笑い)あ〜ごめん』とか言えないんだな.これは言っちゃいけないね」「へ〜」
シニパー(タイ)「でも,9月から10月に行われる9日間の祭りでは,肉を使わない精進料理のようなものを食べるの(⇒**).ニンニクやネギも使っていないわ」
「なるほどね.さあ,中国は?精進料理は?」
ルイ(中国)「中国本土にも精進料理はあるけど(⇒***),台湾ほど一般的ではないの」
「ということは,日本人もそんなに精進料理,食べないんだけど,その日本人と比べて,中国の人はより食べないのかね?」
ルイ(中国)「食べないと思うわ.日本では,精進料理の店がどこにあるか分かるし,料理本も売ってるわ.でも,中国本土では,見たことがないの」
「なるほどね.じゃあ,次.ベジタリアンとかビーガン料理と日本の精進料理は何が違うんでしょうかね?」
ヘザー(アメリカ)「まず,小皿になってる事ね.料理法も違うし,食材も.例えば,他の国ではワカメとか海藻類は使わないわ」
「ワカメ使わないのか.クリスティアン.分かります?」
クリスティアン(イギリス)「私が知ってるベジタリアン料理は辛いインド料理なの.だから,違いはインド料理じゃないということかしら」(笑い)
「イギリスだとね.やっぱりインド料理いっぱいあるしね」
ニコラ(フランス)「ビーガン料理は野菜のジュースやペーストをよく使うんだ.でも日本の精進料理は野菜そのものが見える調理法なんだ」
「さあ,それで,精進料理というと,もどき料理」
「そうなんですよ.日本の精進料理にいろいろなもどき料理があります」
(続く)
⇒*
精進料理の歴史を学ぶ 典座ネット https://tenzo.net/rekisi1/
驚くかもしれませんが,実はお釈迦様は肉も魚も食べていたのです.
仏教発祥以前のインドでは,すでに一部の宗教で「菜食主義(ベジタリアン)」が実践されており,一般民衆の間には「生臭もの」を避ける出家者を尊ぶ風潮も生まれていました.
そんな中,あえてお釈迦様は中道の立場から厳格な菜食主義を説かず,場合によっては肉や魚を口にすることを許していたのです.
お釈迦様は,『スッタニパータ』というお経で,「生き物を殺すこと,打ち,切断し,縛ること,盗むこと,だますこと,他人の妻に親近すること,・・・こ れがなまぐさである.肉食することがなまぐさいのではない.」と説いています.肉魚を食べるかどうかということにこだわるよりも,非倫理的な行為を避け, 正しい道を歩むことの方がはるかに重要であると考えたのです.
肉や魚が許されているといっても,好んで食べていたわけではありません.
慈悲心に基づく「不殺生」のおしえにより,僧侶自らが漁や狩りをして肉や魚を獲ることはありませんでした.また,ものへの執着や所有欲を絶つために,一切の生産行為や労働行為は行いませんでしたから,食事は托鉢をして,信者たちから頂いた物を食べていました.
つまり托鉢でいただいたものを,よりごのみせずありがたく食べるという自然な食事だったのです.
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お釈迦様の時代にはいわゆるわが国でいう「精進料理」という概念は生まれませんでした.
その後の時代のインドや,お釈迦様の教えを厳密に伝えたタイやスリランカなどの南方仏教国においても,僧が労働をすることはなく,精進料理は発展しませんでした.
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プ−ケット・ベジタリアン・フェスティバル
プ−ケット・ベジタリアン・フェスティバル | 【公式】タイ国政府観光庁
プーケットに住む主に中華系の人々が身を清めるために9日間の菜食を誓い,地元の中国寺院で様々な儀式を行ないます.信者たちは白装束に身を包み,火の付いた炭の上を裸足で駆け抜け,刃の立ったはしごを上がり,また頬に鉄の棒を貫通させてパイナップルなどを突き刺したりと,思わず目を背けたくなるような苦行を行ないます.この期間はタイ全国で菜食料理を食べる人が増え,菜食料理店が賑わいます.このスピリチュアルなお祭りは観光客も見学ができますので,プーケットでしか体験できない世にも珍しいお祭りをぜひ一度はご覧ください.
<問い合わせ>
タイ国政府観光庁(TAT) プーケット事務所 TEL: 076-211-036 (英語・タイ語)
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NHK ハイビジョンスペシャル 中国料理四千年の奥義 精進料理 二大流派対決 倣真派 VS 全素派(初回放送:2003年)中国の精進料理は非常にバリエーションに富んでいる.このうち,植物由来の材料から肉や魚に似せた料理を作り,芸術的ともいえる緻密さを誇るのが「倣真派」.一方,植物由来の材料本来の風味を極限まで引き出すのが「全素派」.これら二大流派の総本山を訪ね,一皿に込められた意味や思いを探る.