クールジャパン.
「あのノットクールは今.徹底検証スペシャル」 3
司会 鴻上尚史,リサ・ステッグマイヤー
あのNOT COOLは今? Part1 | NHK | cool japan 発掘!かっこいいニッポン
「あのノットクールは今.徹底検証スペシャル」1 料理の写真
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/04/21/001357
「あのノットクールは今.徹底検証スペシャル」2 会社での集団行動
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/04/22/021146
あのノットクールは今.続いては
食文化編
▽2014年12月「鍋」
マーセル(ブラジル)「お箸がちょっとね.1度口に入れた箸を鍋に入れるべきではないよ」
鴻上「われわれ日本語では,これを『直箸(じかばし)』と呼びますけど.『直箸はやだ』っていう人は?」
フラビオ(イタリア)「時と場合によるよね.家族なら問題ないけど.同僚とかだったらいい気分はしないね」
ジョセフィーン(アメリカ)「初対面ならためらうわ.でも,食べないと失礼な場合は,無理やり食べるわ」
鴻上「この11人で鍋を食べるのはどう?この場合はOK?それともノットグッド?」
アナト(イスラエル)「すごく良い質問ですが,この関係は微妙です.言いにくいですけど」
▽2008年12月「お酒」
あの“おもてなし”に異論が---
エレノラ(イタリア)「女性がお酌をするなんてありえない!!女性は注がれるのを見てればいいのよ」
エディ(イギリス)「お酌は良いマナーだと聞いて,やってみようと思って,でも,イギリス人で人のボトルをとったら,確実に怒鳴られるから,お酌は緊張するよね」
サンドリア(フランス)「フランスも女性はお酌しないわ.男性が全てしてくれます」
鴻上「あ〜,そうなの」
▽2011年11月放送「ラーメン」
今や,外国人が日本で食べたいもの1位となったラーメン.
「クールジャパン」では,後に社会問題となるあの話題を議論していた.
イラリア(イタリア)「すすれないのよ.試したけど,飛び散るのがいやなの」
ミレイ(フランス)「音が嫌なんです.フランスでは音を出すと失礼に当たるので絶対にしません.たぶん教育を受けてないと思われるわ」
鴻上「レンは何で嫌なの?」
レン(中国)「中国もフランスと同じで音を出すのは失礼になるの.だからラーメンもすすらない」
鴻上「中国もすすらないんだ」
レン(中国)「すすりません.失礼になるから」
鴻上「ウィリー.インドネシアは?」
ウィリー(インドネシア)「インドネシアもすすらないわ.でも,私は日本にいるときはすするの.その方が美味しいのよ」
鴻上「えっ.じゃあ日本だけかい」
「ヌーハラ(ヌードルハラスメント)論争勃発.日本人,対応に困惑」
放送から数年後,ハラスメントだと主張する日本人まで現れ,社会問題化.
しかし,その後も,ラーメン人気は上昇中.
外国人は,いまだにすすらないのか?
というわけで,スタッフがむかったのは京都.
外国人に人気のラーメン店.
こちらのお店.客の9割が外国人という,大人気のラーメン屋さん.
この店のアツアツの油をかけたネギラーメンで検証します.
果たして外国人はどうやって食べるのか?
隠しカメラで観察.
まずは開店と同時にやってきたチリ人親子.息子さんがおもむろに麺を持ち上げ,---えっ,すすった?
一方,お父さん.これは微妙.
息子さんの二口目を再度確認.外国人でもすする人がいる様子.
こちらのブラジル人夫婦の場合.
妻はすすっていませんが,夫は完璧にすすって食べてます.
更にオーストラリア人の男性3人組.
一番奥の男性は,すすっていますが,手前の2人は違います.
その後も
106人の外国人を検証.
すすった:22人
すすらなかった84人
5人に1人の割合ですすっていたんです.
そこで外国人の皆さんに,すする音が不快か聞いてみると.
あのNOT COOLは今? Part1 | NHK | cool japan 発掘!かっこいいニッポン
「気にならないさ.日本ではそれが正しい食べ方だから」
「確かに,オーストラリアでは音を立てるのは失礼だけど,でも,日本ではラーメンを楽しんでる証拠になるんだよね.旅行に来たら,その国の食文化を尊重したいんだ!!」
こちらのドイツ人男性が見せてくれたのはガイドブック.
「すすると美味しくなるって」
何とガイドブックには,麺をすすることを勧める記述が.
「味が変わる気がするよ」
この外国人の変化に,店主の宮澤さんは
「世界中の人がすすって食べてくれたら,それはありがたいと思うけど.そこまで,認知してもらえる物になったらうれしいね」
ラーメン人気と共に,確実に広がりはじめたすする文化.いや〜,時代と共に変わるもんですね.
鴻上「すごいな〜.変わりましたね」「かわりましたね」
鴻上「13年もやると,いろいろ変わりますけど,えっ,皆さんはどうですか?すするようになったんですか?
依然としてすすっていませんか?すすって食べる.すすって食べるぞ」
鴻上「おおっ.あっ.そう!へえ〜」
すすって食べる 7,
すすっては食べない 1.
鴻上「ちょっと,待て待て.イングマー,あなたすするの?」
イングマー(オランダ)「変えたんだ.でも,家だけだけれど.お店ではやらない」
鴻上「ホーム.はあ〜.それから,ヘザーさんもすする?」
ヘザー(アメリカ)「私は,日本ではすするけど,他の国ではやらないわ」
リサ「何か,想像できないな.ヘザー姉さんがね」
小林「ちょっと,見て見たいね」
鴻上「フラビオもすする」
フラビオ「すごく上手になったよ」
ウィリー(インドネシア)「インドネシアでは,日本料理店なら,すすります.それ以外のお店ではすすりません」
鴻上「みんな,見ない?」
ウィリー(インドネシア)「場所を選びます」
鴻上「でもよ.ラーメン屋さんに入ったからといって,その音が聞こえてきたら,すごく気持ち悪いんじゃない?」
鴻上「それ,イングマー,平気?」
イングマー(オランダ)「大嫌いだよ.自己中心的だけど.でも,明らかにすすった方が食べるのが楽だよね」
アンドリュー(カナダ)「小さい頃から,母親にしつけられてるからね.当時はラーメンじゃなくて,スパゲッティだったけれどね」
鴻上「と言うことはだよ,いやいや,アンドリュー.やっぱりすするって言うことが,世界で広がらない可能性もあるんじゃない?」
アンドリュー(カナダ)「僕らは,ラーメンがなかった世代だけど,今は世界中に広がっている.
これからの世代は,きっとすするのが当たり前になるよ」
鴻上「なるほどね」
鴻上「ヘザー,どう,広がっていくと思う?すするの」
ヘザー(アメリカ)「最初に日本に来たときは,すごく嫌で恥ずかしかったけれど.でもラーメンはアメリカですごく人気になっているの.だから,すすることも,日本の文化として受け入れるはずよ」
アーロン(ニュージーランド)「むしろ,すすることが,日本流で正統派の食べ方だからね」
鴻上「じゃあこれは聞いてみますか」
リサ「聞いてみましょうか.はい,ラーメンをすすって食べるのはクールですか?それともノットクールですか?一斉にどうぞ」
鴻上・リサ「おお〜!」
鴻上「すげえ,変わるんだね.長いことやってるとかわるな」
リサ「変わりましたね」
鴻上「サンキューベリーマッチ.サンキューベリーマッチ.これは,もう,そうだね.さあ,小林さん.いかがですか」
小林「まあ,今のは,あれですね.ラーメンの話に出てますけど,これ,もともとは,おそばですよね.日本そばを,やっぱり箸で,こう,つけて,スッと食べるときに,それは粋で,江戸の時代に,こう,サッとかっ込むっていうか.
江戸時代の粋の文化と結びついてたはずなんですよね.
それがだんだん,こう,ソバはス〜ッと音を立てなくちゃ駄目よ,みたいな話しになってって,それがラーメンに移って.
それが今,世界に行ってるという.
なんか考え方が変わりつつあるなというのを実感しています」
広がりはじめたすする文化.
海外のラーメン屋さんで見られる日も近いかも.