お花屋さんの店先で,トクサを見つけました.
地味な植物ですが,子供の頃,わが家にあったな〜,ハサミのサビを落としてみたことがあったっけ,と懐かしく眺め---
その後ぶらぶらと街を歩いて行くと:スキヤキを食べさせるお店の入り口横にもトクサが!今でも結構植えられていることを改めて確認.
大写しにすると竹のようですが,改めて調べてみるとシダ類.
トクサ綱 Equisetopsida,トクサ目 Equisetales,トクサ科 Equisetaceae,トクサ属 Equisetum,トクサ E. hyemale,
そして,トクサ属には,なんと,スギナが含まれていることを発見.知りませんでした.トクサとツクシが親戚筋に当たるとは!
スギナ - Wikipedia トクサ Equisetum hyemale 三河の植物観察
ヨーロッパでは,この仲間は,馬の尻尾に似ていると見えるようで,
スギナは“field horsetail” トクサは“rough horsetail” と呼ばれています.そもそも属名のEquisetumは,馬の毛の意味とのこと.Equisetum - Wikipedia
日本では,茎の表面のザラザラをヤスリに利用したため砥草.
日本新薬「植物こぼれ話」
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/herb/db/plant/41_50/equisetum_hyemale.html によれば
トクサの表面はざらざらしており、茎を煮て乾かしたものを使って、木工品などを磨くのに利用していました。砥草(トクサ)という和名がついたのはこのためといわれています。
トクサの表面がざらざらしているのは、表皮の細胞にケイ酸を含んでいるためです。
ケイ酸は土壌の主要な構成成分で、その大半は水に溶けない形態で存在するのですが、一部のケイ酸は土壌水に溶けています。さらにこのケイ酸は、濃度が高くなると固化する性質をもっています。ケイ酸を根からほとんど吸収しない植物は多いのですが、トクサはこのケイ酸を吸収します。そして、ケイ酸を茎に蓄積して固化させ、丈夫な茎をつくるのに利用しています。細い棒のような茎が、折れずに立っていることができるのはこのためです。
ケイ酸が蓄積して硬くなった構造を“プラント・オパール”と呼ぶそうです.竹の硬さ,イネの葉の硬さもプラント・オパール.
土の主成分ケイ酸は植物に吸収されるんですね.
土の成分が生物に利用されている!植物に疎い私は全く知りませんでした.
最後になぜヨーロッパで馬の尻尾と呼ばれているかがよく分かる画像を: