世界のシーフード120
世界のScallop(日本語ではホタテと訳される場合がほとんど)の種類と料理(世界のホタテ料理1)
Scallopはイタヤガイ科 (ペクティナ科family Pectinidae)に属する海洋性の二枚貝軟体動物の総称です.ホタテ貝は,その一つですが,Scallopの日本語訳もホタテ.ちょっと紛らわしい関係にあります.
世界で食用にされているScallopは,主に6種類.By ChatGPT
https://en.wikipedia.org/wiki/Placopecten_magellanicus

ホタテガイ:日本,中国,ロシア
https://en.wikipedia.org/wiki/Placopecten_magellanicus

ヨーロッパホタテ:フランス,英国,スペイン
https://en.wikipedia.org/wiki/Pecten_maximus

ベイホタテ:アメリカ東部
https://en.wikipedia.org/wiki/Argopecten_irradians

ペルー産ホタテ:ペルー,チリ
https://www.inaturalist.org/taxa/519962-Argopecten-purpuratus

クイーンホタテ:英国,フランス

世界のScallop料理の地域別特徴 By ChatGPT
北米:大型貝柱を焼く「素材主義」
日本:生食・部位別利用
欧州:殻付き・祝祭料理
南米:柑橘・チーズとの組み合わせ
クイーンホタテ:加工・家庭料理向き
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英語名 学名 日本語名 |
主な地域 現地呼称 |
代表的料理 |
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Atlantic sea scallop Placopecten magellanicus タイセイヨウホタテガイ |
米・加 scallop |
Seared Scallopsシアード・スキャロップス/ホタテ貝柱の表面焼き
Scallop Chowderスキャロップ・チャウダー/ホタテ入りクリームスープ |
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Japanese scallop Patinopecten yessoensis |
日・中・露 帆立 |
Hotate no sashimi ホタテのサシミ → 甘味と繊維感を活かす日本独自の生食文化.
Hotate no butter-yakiカタカナ:ホタテのバター焼き/ホタテ貝のバターソテー |
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European scallop (King scallop) Pecten maximus ヨーロッパホタテ |
仏・英・スペイン Coquille St-Jacques |
Coquilles Saint-Jacquesコキーユ・サン=ジャック/ホタテの殻焼きグラタン(白ワイン風味) → 貝殻に貝柱を戻し,クリームや白ワインで焼き上げるフランスの祝祭料理.
Vieiras a la gallegaビエイラス・ア・ラ・ガジェガ/ホタテのガリシア風焼き → パプリカ・オリーブオイル・玉ねぎで焼く,スペイン北西部の伝統. |
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Bay scallop Argopecten irradians ホンアメリカイタヤ/ベイホタテ |
米東岸 bay scallop |
Bay Scallop Sauté カタカナ:ベイ・スキャロップ・ソテー 日本語名:小型ホタテの軽いソテー → 小粒で甘味が強いため,短時間調理で風味を活かす.
Bay Scallop Pastaベイ・スキャロップ・パスタ/小型ホタテのパスタ → ニンニクや白ワインと合わせるシンプルな家庭料理. |
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Peruvian scallop Argopecten purpuratus ペルー産ホタテ |
ペルー/チリ/エクアドル concha de abanico |
Ceviche de conchasセビーチェ・デ・コンチャス/ホタテのライムマリネ → ライム果汁で軽く締めた貝柱を使う南米沿岸の生食料理.
Conchas a la parmesanaコンチャス・ア・ラ・パルメサーナ/ホタテのチーズ焼き → チーズと白ワインで焼く,チリ・ペルー共通の定番. |
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Queen scallop Aequipecten opercularis クイーンホタテ |
英・仏 queen scallop |
代表的料理 Queen Scallop Gratinクイーン・スキャロップ・グラタン/小型ホタテのグラタン → King scallop より小ぶりで,ソースとの相性を活かす.
Queen Scallop Curry(英)クイーン・スキャロップ・カレー/小型ホタテのスパイス煮 → 英国沿岸部で見られる家庭料理的応用. |
Scallopホタテは「貝柱しか美味しくない貝」ではなく,「貝柱だけが国際商品になった貝」 By ChatGPT
私
小型のBay scallopや Queen scallopも貝柱中心に用いられているような画像等がえられます.手間がかかりそうに思えますが.全体をそのまま用いている料理はないのでしょうか?ホタテ類は全体を用いると不都合な味などが加わるのですか?
ChatGPT
とても核心を突いたご質問です.
結論を先にまとめると,
小型の Bay scallop や Queen scallop でも,伝統的に「個体全体をそのまま使う料理」は確かに存在します.
ただし現在は,流通・嗜好・安全性の理由から貝柱中心に収斂した,というのが実情です.
また,全体利用が不可能なほど不都合な味があるわけではありません.
以下,順に整理します.
- 小型ホタテを「丸ごと」使う伝統料理はあるか?
① 欧州(特に英・仏・伊)
Queen scallop(Aequipecten opercularis)
Capesante intere saltate
(カペサンテ・インテーレ・サルターテ)
=小型ホタテの丸ごとソテー
Vieiras pequeñas a la plancha(スペイン)
=小型ホタテの殻なし丸焼き
→ 漁師料理・家庭料理としては
貝柱+ヒモ+生殖腺を分けずに使う例が普通に存在.
② 南欧・地中海
Capesante fritte intere
=小型ホタテの丸ごとフリット→ 内臓ごと衣を付けて揚げる.
苦味を油脂と衣で中和する発想.
③ 日本(歴史的)
小型イタヤガイ類を
「殻外し・下処理後ほぼ丸ごと煮る」佃煮・味噌煮が地方に存在.
※ 現代の「ホタテ=貝柱文化」以前の名残.
- では,なぜ現在は「貝柱中心」になったのか?
理由①:サイズではなく「手間と歩留まり」
小型種は1個体あたりの貝柱は小さい.しかし内臓処理は大型種と同じ工程
結果:
全体利用の方が“実は手間がかかる”→ 工業加工・飲食店では貝柱だけが合理的.
理由②:味の問題は「悪い」より「ばらつく」
ホタテ類の内臓には:
肝(中腸腺):強い旨味と同時に苦味・鉄味・磯臭
生殖腺:季節により甘い/水っぽい
→ 問題は「不味い」ではなく「安定しない」.
現代流通は:均質性>個性
理由③:安全性・規制の問題(特に欧州)
ホタテ内臓は貝毒(PSP, DSP),重金属を蓄積しやすい部位
EUでは貝柱のみ可食扱いの時期・地域あり
→ 「貝柱=安全」という認識が固定.
- 全体を使うと「不都合な味」が必ず出るのか?
いいえ.条件付きです.
出にくい条件
新鮮
冬〜産卵前
小型種(Queen, Bay)
加熱・油脂・香辛料併用
→ 非常に旨い
出やすい条件
産卵後
夏場
生食
単純調理(蒸すだけ等)→ 苦味・えぐみが目立つ
- なぜ画像では「小型でも貝柱だけ」なのか?
それは,現代料理写真の多くがレストラン/輸出向け.そこでは見た目,均質性,価格が最優先
→ 文化的理由ではなく商業的理由
- 結論(要点)
✔ ホタテでも全体利用の料理は存在する
✔ 味が致命的に悪いわけではない
✔ 問題は,手間・ばらつき・規制・商品性
✔ 現代は「貝柱=ホタテ」という再定義が起きた
言い換えると,
ホタテは「貝柱しか美味しくない貝」ではなく,「貝柱だけが国際商品になった貝」
という理解が最も実態に近いと思います.






