世界のシーフード79
伊・ロブスターのリングイーネパスタ/リングイーネ・アッロスティチェ(世界のロブスター料理9)
Tasteatlasの「ロブスターを使った料理」ランキングでは第11位.「ロブスター料理」では6位.
https://www.tasteatlas.com/best-rated-dishes-with-lobsters
https://www.tasteatlas.com/best-rated-lobster-dishes-in-the-world


ソースの主軸はロブスターの殻と身から取る「出汁」.トマトソースを軽く煮詰め,ロブスターの風味を移して仕上げます.
パスタにはリングイーネ(リングイネ 楕円断面のロングパスタ)を使い,ソースがよく絡むよう設計されています.完成形は「海の旨味を吸ったパスタ」が主役で,ロブスターの身は飾りとごちそう要素.日常食ではなく「特別な日」「祝祭」「観光地の高級料理」
Tasteatlas
https://www.tasteatlas.com/linguine-allastice


リングイーネ・アッロスティチェ/ロブスターのリングイーネパスタ
Linguine all'astice
(Linguine with Lobster)
パスタ ロブスター料理
イタリア
4.3
このイタリアの定番料理は,リングイーネ(リングイネ)パスタと柔らかなロブスターの身とを組み合わせたものです.まず,ロブスターの身と,エシャロット,ニンニク,または玉ねぎをソテーしたものを合わせたソースを作ります.通常,白ワインでデグラッセし,トマトで仕上げます.
このソースを茹でたてのリングイーネにかけてお出しし,お皿全体には伝統的に殻を剥いたロブスターを飾ります.
イタリアのLinguine all'asticeの歴史と特徴/その他のリングイーネパスタとの比較 By ChatGPT
イタリアのLinguine all'asticeの歴史と特徴を教えて下さい. linguine pasta には,ロブスター以外のものを使う料理があるかと思います.あれば,それらの料理との違いに触れてもらえれば有り難いです.
とても良い質問です.
Linguine all’astice(リングイーネ・アッラスティーチェ) は,イタリア料理の中でも「海産物とパスタの融合」を代表する一皿であり,特に特別な日のメニューとして位置づけられています.以下で,歴史・特徴・他のリングイーネ料理との比較を順にまとめます.
🦞 1. 概要
料理名:Linguine all’astice(リングイーネ・アッラスティーチェ)
直訳:「ロブスターのリングイーネ」
主な材料:ロブスター(アスターチェ astice),トマト,ニンニク,オリーブオイル,白ワイン,唐辛子(お好みで),パセリ
地域的背景:南イタリア(特にカンパニア州,シチリア州,プーリア州などの海沿い地域)で人気
使われるロブスター
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名称(伊) 学名 |
日本語 |
主な使用状況 |
|
Astice europeo Homarus gammarus |
ヨーロッパロブスター |
地中海産の高級品.高級レストランや北イタリアの沿岸地域で使用. |
|
Astice canadese / americano Homarus americanus |
アメリカロブスター |
輸入品.一般的なレストランや観光地で最も多く使用. |
|
Aragosta(混同注意) Palinurus elephas |
ヨーロッパイセエビ |
別料理「Spaghetti all’aragosta」などで使用. |
🇮🇹 2. 歴史的背景
ロブスターを使ったパスタ料理の歴史は,19〜20世紀の観光地化に伴って形成された比較的新しい系統です.
中世〜近世:イタリアではロブスター(astice)は「王侯・貴族・修道院の饗宴用」とされ,庶民が食べることはほとんどありませんでした.
19世紀末〜20世紀初頭:ナポリ湾やアマルフィ海岸,シチリア沿岸などで観光業が発展し,海産物を使った贅沢な料理がホテルやリストランテで登場します.この時期に「アスターチェ(ロブスター)」や「アル・アメリカーナ(alla americana, フランス起源)」の手法が導入されました.
20世紀中盤以降:海辺のリストランテで「Linguine all’astice」「Spaghetti all’astice」が定番化.特に観光客や祝祭日のための「贅沢な海の幸パスタ」として人気を確立します.
🍝 3. 特徴
味と構成
ソースの主軸はロブスターの殻と身から取る「出汁」.
トマトソースを軽く煮詰め,ロブスターの風味を移して仕上げます.
パスタにはリングイーネ(楕円断面のロングパスタ)を使い,ソースがよく絡むよう設計されています.
完成形は「海の旨味を吸ったパスタ」が主役で,ロブスターの身は飾りとごちそう要素.
用途・位置づけ
日常食ではなく「特別な日」「祝祭」「観光地の高級料理」.
同様の文脈で,**Spaghetti all’aragosta(イセエビのスパゲッティ)**も並びます.
🍅 4. 他のLinguine料理との比較
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料理名 |
主な具材 |
味の傾向 |
地域・特徴 |
|
Linguine all’astice リングイーネ・アッラスティーチェ ロブスターのトマトソース・リングイーネ |
ロブスター,トマト,白ワイン |
濃厚・海老出汁の旨味 |
高級リストランテ定番 |
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Linguine alle vongole リングイーネ・アッレ・ヴォンゴレ ボンゴレ・リングイーネ |
アサリ,オリーブオイル,白ワイン,ニンニク |
繊細で塩味・旨味中心 |
ナポリ・沿岸地方で家庭的 |
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Linguine ai frutti di mare リングイーネ・アイ・フルッティ・ディ・マーレ 魚介ミックスのトマトソース・リングイーネ |
魚介全体の風味 |
観光地の定番「海の幸パスタ」 |
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Linguine al nero di seppia リングイーネ・アル・ネーロ・ディ・セッピア イカ墨のリングイーネ |
濃厚でコクがある黒いソース |
ヴェネツィアなど北東部発祥 |
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Linguine al limone リングイーネ・アル・リモーネ レモンクリーム・リングイーネ |
レモン,クリームまたはオイル |
爽やか・軽やか |
アマルフィなど柑橘産地で人気 |
➡ 違いの要点
all’astice は「一点豪華主義」で,素材(ロブスター)の出汁が中心.
他の料理(例:alle vongole)は「軽やかな旨味の調和」を重視.
素材の価格や調理時間から,all’astice は「特別感」「祝祭性」が際立ちます.
🌍 5. 派生・国際的影響
フランス料理の “Homard à l’américaine”(アメリカ風ロブスター)からの影響が大きい.
北米では「Lobster linguine」として,クリームソース版(特にニューヨーク・ボストン圏)も一般化.
イタリア本土ではトマトソースが主流で,クリームを加えるのはあまり伝統的ではありません.
🧾 まとめ
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項目 |
内容 |
|
起源 |
19〜20世紀の南イタリア沿岸リゾート地 |
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特徴 |
ロブスターの出汁を生かした濃厚なトマトソースパスタ |
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使用パスタ |
リングイーネ(リングイネ.やや平たいロングパスタ) |
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意味合い |
祝祭・高級料理・観光地の定番 |
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類似料理との違い |
他のリングイーネ料理より濃厚で,単一素材の風味を際立てる構成 |


