アカンサス(ハアザミ)とタヌキモ(シソ目の植物1) ハアザミには6月に鎌倉光則寺と宝戒寺で出会いました.タヌキモ属は,系統樹上でキツネノマゴ科のすぐ隣の科で,最も有名な食虫植物の属のひとつ.系統樹の上で,当たり前に栽培されている鑑賞用の植物の直ぐ隣に食虫植物が位置する:生物界の不思議を思わずにはいられません.この二つの科の直ぐ隣のアゼナ科・ビブリス科は,園芸種トレニア,そして食虫植物Byblis linifloraがそれぞれ属する科です.アカンサスの葉は造形的で美しくギリシャ時代から図案化されています.

一週間で7種のシソ目の植物に出会いました.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/07/04/235745

「シソ」と聞くと,ハーブ類を思い浮かべてしまいますが,シソ目の植物は多岐にわたっています.しばらく,シソ目の植物について,簡単な解説を探してまとめていこうと思います.

第一回はキツネノマゴ科ハアザミ属(アカンサス)とタヌキモ科タヌキモ属.

ハアザミを選んだのは,6月に鎌倉光則寺と宝戒寺で出会ったから.



そしてタヌキモ属は,系統樹上でキツネノマゴ科のすぐ隣の科で,最も有名な食虫植物の属のひとつということで選びました.

https://ja.wikipedia.org/wiki/フサタヌキモ

https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/zukan?_action=rn078

 

なお,この二つの科の直ぐ隣のアゼナ科・ビブリス科は,園芸種としてよく見かけるトレニア,そして食虫植物であるByblis linifloraがそれぞれ属する科です.

https://ja.wikipedia.org/wiki/ツルウリクサ属

https://en.wikipedia.org/wiki/Byblis_(plant)

食虫植物には強く惹かれますが,系統樹の上で,当たり前に栽培されている鑑賞用の植物の直ぐ隣に位置する!:生物界の不思議を思わずにはいられません.

 

Phylogenetic relationships of Cyrtandromoea and Wightia revisited: A new tribe in Phrymaceae and a new family in Lamiales May 2019 Journal of Systematics and Evolution

https://www.researchgate.net/figure/Phylogeny-of-Lamiales_fig4_333184758

 

アカンサス Acanthus

ニッポニカより抜粋

https://kotobank.jp/word/アカンサス-24512

キツネノマゴ科(APG分類:キツネノマゴ科)ハアザミ属の総称.多年草あるいは小低木で,ヨーロッパ南部に約20種分布する.代表的な種類にハアザミA. mollis L.があり,庭園用として植栽される.葉はアザミに似て長さ約60センチメートル,幅30センチメートルのつやのあるみごとな根出葉.

本種の葉は造形的で美しく,ヨーロッパでは古代ギリシアおよびローマのコリント式やコンポジット式建築の柱冠の装飾に,アカンサス葉飾りとして図案化されている.

 

タヌキモ Utricularia × japonica Makino. Utricularia vulgaris L. var. japonica (Makino) Tamura

ニッポニカより抜粋 

https://kotobank.jp/word/タヌキモ-850323

タヌキモ科(APG分類:タヌキモ科)の多年草イヌタヌキモとオオタヌキモの雑種.根はなくて池沼に浮遊し,球形の越冬芽をつくり,水底に沈んで冬を越す.葉は密に互生して左右に広がり,平面上に3~4回羽状に細裂する.多数の捕虫嚢(のう)をつけ,水中の微小な動物をとらえて消化吸収する.

タヌキモ属は,花は多くが総状につき,萼(がく)は2裂する.世界に約250種ある。日本には13種の記録がある.フサタヌキモがよく知られています.

 

フサタヌキモ https://sweets-of-the-world.blogspot.com/2018/07/blog-post_44.html

フサタヌキモ(タヌキモ科、タヌキモ属)は秋田県岩手県滋賀県新潟県に自生する浮遊性のタヌキモ.しかし多くの産地で絶滅寸前に危機にある.

 

また,タヌキモ科には,タヌキモ属の他にムシトリスミレ属があります.ムシトリスミレとコウシンコウが日本に自生しています.

ムシトリスミレ https://kotobank.jp/word/コウシンソウ-834106

山地から高山の湿った岩壁や草原に生え,四国,中部地方以北の本州,北海道から周北極地方に広く分布する.

コウシンコウ https://kotobank.jp/word/ムシトリスミレ-873120

山地帯から亜高山帯の日陰の岩壁に生え,関東地方北部に固有の種である.生育地はきわめて限られ,栃木県日光(にっこう)市の自生地は国の特別天然記念物に指定されている.

 

 

ギリシャの コリント式列柱

https://en.wikipedia.org/wiki/Corinthian_order

(DeepL翻訳)
コリント式列柱は、ギリシャ都市国家コリントにちなんで命名された。しかし、建築史家ヴィトルヴィウスによれば、この円柱は、おそらくアテネ人であろう彫刻家カリマコスが、奉納された籠の周囲に生えるアカンサスの葉を描いたものである。その最古の用途は、古典期後期(紀元前430~323年)まで遡ることができる。最古のコリント式柱頭はバッサエで発見され、紀元前427年とされている。

https://en.wikipedia.org/wiki/Bassae

https://en.wikipedia.org/wiki/Acanthus_%28ornament%29