大豆4 大豆の世界への伝播 世界で最も多く生産されている豆で,食用,搾油後の飼料等,多岐に利用されている大豆.しかし,世界に広がったのは比較的遅く,ヨーロッパへは,1700年代前半.大豆の世界への伝播には,醤油と日本で栽培されていた大豆が大きく関わっていました.大豆が欧米に伝えられる前に,醤油は高い評価を得ていましたが,大豆から作られることを知っている人はいませんでした.転機をもたらしたのが,長崎出島に滞在したケンペル.大豆と大豆食品について詳しく紹介しました.

大豆の英語soybeanの"soy"が,醤油と深く関わった(語源ともされる)言葉であることは,広く認められていますが,

https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/soy

https://www.etymonline.com/word/soybean

大豆の世界への伝播は,日本の大豆食品,特に醤油と日本で栽培されていた大豆が大きく関わっていました.

今日は,世界の大豆に目を向けようとしたのですが,日本の関わりが話題の中心になってしまいました.

 

https://www.mame.or.jp/syurui/feature/syurui_15.html

 

世界で最も多く生産されている豆・大豆

現在,大豆は世界で最も多く生産されている豆で,2位以下を大きく引き離しています.

https://www.mame.or.jp/seisan/data/sekai_01.html

https://en.wikipedia.org/wiki/Soybean

https://en.wikipedia.org/wiki/Peanut

 

生産のトップはブラジル,2位がアメリカ.大豆のふるさととされる中国は,ブラジルやアメリカの1/5.

https://en.wikipedia.org/wiki/Soybean

 

大豆の世界への伝播

現在,世界で一番生産されている豆ですが,東アジアでは当たり前に栽培されていた大豆が世界に広がったのは比較的遅く,ヨーロッパへは,1700年代前半https://www.soyinfocenter.com/HSS/europe1),

アメリカへは1800年代前半https://www.britannica.com/plant/soybean

とされています.

 

日本の大豆食品の紹介

大豆が欧米に伝えられる前に,日本の大豆製品がヨーロッパに紹介され,高い評価を得ていました.

SoyInfo Center ( https://www.soyinfocenter.com/HSS/europe1 )によると

例えば,

1613年、イギリス人船長ジョン・サリスが日本の豆腐を紹介し、これが英語による大豆食品の最初の記述となった.

1670年,オランダ商人がルイ14世の要請でフランスに醤油の輸入を開始し、ルイ14世は豪華な宮殿の宴会で調味料として使用した.

1600年代後半から,醤油は東アジアからイギリス,そしておそらくオランダへの貿易品として一般的なものとなっていた.

1700年代には、醤油はヨーロッパで初めて本格的に普及した大豆食品となった.


しかし,大豆食品は知っていても,それらが大豆から作られることを知っている人はいませんでした.

 

ケンペルによる大豆・大豆食品の紹介

ヨーロッパにおける大豆食品と大豆の理解に大きな転機をもたらしたのが,長崎出島に滞在したオランダ商館医でドイツ人のケンペル(Engelbert Kaempfer, 1651-1716)により書かれた『廻国奇観』(Amoenitates Exoticae 1712年)でした.

https://www.soyinfocenter.com/HSS/europe1

https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/21/3.html

その第5巻で日本の植物についての知見をまとめ、3ページにわたる大豆の解説には漢字で「大豆」、アルファベットで「Daidsu」という見出しを付けています.

https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=uc1.31378008345145&view=1up&seq=896

https://www.soyinfocenter.com/HSS/europe1によれば

「この本は、ヨーロッパで最も早く大豆という植物について説明し(良い図解付き)、大豆から大豆食品(醤油と味噌)が作られることを初めて示し、ケンペルが1690年から1692年にかけて研究した日本での醤油と味噌の作り方について最も早く説明したものである」とのこと.

「そして,その後200年にわたり、ヨーロッパの植物学者や博物学者たちは、ダイズに本格的な関心を持ち始め、その分類学や学名について研究し始めた」

「また,1700年代には、大豆食品に関する他の文献がいくつか登場した」

 

その後の世界の大豆情報についても,SoyInfo Center ( https://www.soyinfocenter.com/HSS/europe1 〜)に詳しい紹介があります.

 

世界での大豆の用途

大豆の用途は多岐にわたり,現在,経済的に見て世界で最も大切な豆(ブリタニカ)となっています.

どのような用途で大豆が利用されているかについては,Our World in Dataがわかりやすい図としてまとめています.

英語版ウィキペディアが引用した図を掲載します.

https://en.wikipedia.org/wiki/Soybean

 

大豆は,日本では食品としてとても重要な位置を占めていますが,世界での食品としての大豆の利用は,大豆油を入れても全体の19%!

全体の77%は飼料(主に家禽類用)として用いられています.ただし,ほとんどが搾油後の固形残渣を飼料として利用したもの.

上手に利用しているともいえますが,タンパク源として人も利用できるはずですね.実際に搾油後の残渣を人が食べるように加工する試みは広く行われているようですがhttps://en.wikipedia.org/wiki/Soybean,統計値として数値化できるほどの量にはなっていないようです.