先日出かけた国立博物館特別展「毒」.
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/02/17/235453
独自に勉強したことをつけ加えながら,内容を少しずつ紹介しています.主催者も「シェアしよう」とすすめていることもあり.
今日は「毒の博物館」3 動物の毒のいろいろ
①毒虫
このコーナーの初めのパネルを撮り忘れてしまいましたが,この特別展の図録では,
”ヒトを咬んだり刺したりすることで,皮膚のかゆみやかぶれ,痛みなどを引き起こす生物を総称して「毒虫(どくむし)」とよぶことがある.”
としています.
どのような虫を思い浮かべるでしょうか?
出し入れができる毒針を持ったハチ,
常に出してある毒針を持つサソリ,
針のような「口器」で体液を吸う蚊・アブ,
牙(顎肢/鋏角)で咬むことで毒を注入するムカデ,クモ.
毒を含んだ毛や針をもつドクガやイラガ.
体液に毒成分をもつマメハンミョウ.
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展示は,標本をつぎつぎ見せてくれていました.以下に標本の写真を並べてみます.
当日は並べてあるだけでも興味深く眺めたのですが,写真では限度がありますね.実物の力を,今日,改めて思い感じています.
お話としては,最後に載せる「シュミット指数」(イグノーベル賞受賞)が,今日のブログのハイライトになってしまう?
さまざまな毒虫
参考:
日本では,毎年,ハチに刺されて,10人以上の方が亡くなっています.http://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/vespa0562.htm
1984年には73人という記録もあります.
その多くが上記のアレルギーによるものと思われます.ハチ毒アレルギーの対処法等については,ネット上にもかなり信頼のできる記事が見られます.
例えば
https://yallergy.yamanashi.ac.jp/anavi/141
には,症状として次のような記載があります.
「多くの患者が蜂刺傷後30分以内に何らかの症状を自覚します。
症状としては全身性の掻痒感やじんましん、胃痛や吐き気などの消化器症状や血管性浮腫、喘息様症状から呼吸困難などの呼吸器症状、血圧低下によるショックなどの循環器症状が認められます。」
医師の治療が必要になりますが,ハチ毒アレルギーのある方がハチに刺される危険のある場所に出かける場合には(例えば林業に従事する),アドレナリン自己注射キットの携行がすすめられています.
なお,アレルギー反応(アナフィラキシーショック)の無い場合のハチに刺された場合の治療は経口抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)が中心となるようです.
MSDマニュアルによれば:
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/22-外傷と中毒/刺咬症/虫刺傷
・ミツバチ類およびスズメバチ類の刺傷は即時の痛み,灼熱感,そう痒,紅斑および腫脹を引き起こす。
・ヒアリの刺傷は即時の痛み,膨疹,および紅斑を即時に引き起こし,膿疱(1時間以内)およびときに感染症(数時間または数日以内)がしばしば続く。
・顕著な痛み,1日もしくは2日後の紅斑および腫脹,または全身所見が生じれば,二次感染を疑う。
・蕁麻疹,血管性浮腫,気管支攣縮,および/または不応性低血圧が生じた場合はアレルギー反応を疑うが,腫脹のみの場合は疑わない。
・ミツバチ類の針を除去し,局所反応を氷,経口H1受容体拮抗薬,および/またはNSAIDで治療する。
・アレルギー反応および感染症を治療する。
・アナフィラキシー反応がある患者には脱感作療法を考慮する。
どのようなハチに刺されるのが一番痛いか?その時の痛さはどのようなものか?