国立科学博物館特別展「毒」 へ行ってきました.たくさんの人が押しかけていて,時間を区切って入場させていたにもかかわらず,展示室の回路を回る列はほとんど進まない状態.写真撮影OKということで,写真を撮りまくったのですが,沢山撮りすぎて整理しきれません.いずれ稿を改めて内容を紹介できれば-- 今日は展示初めのパネルの紹介.---生活のなかの毒 言いすぎかもしれませんが,私たちは毒に囲まれて生活しています.カビたパン,小麦粉,タマネギ,ニンニク,ジャガイモ,ブドウ,チョコレート---えっ?

国立科学博物館へ行ってきました.本当に久しぶりです.

シロナガスクジラ骨格標本が置かれていた時代にも来たことがあります)

只券をいただいた特別展を見学するためです.特別展の題名は,ズバリ「毒」

かなり宣伝もしていたようで,駅前にも広告が.

たくさんの人が押しかけていて,時間を区切って入場させていたにもかかわらず,展示室の回路を回る列はほとんど進まない状態.

1.毒の世界にようこそ,2.毒の博物館,3.毒と進化,4.毒と人間,5.終章 の順に回ったのですが,2.の「毒の博物館」が内容も豊富で,来館者を引きつけていました(=全く進まない原因).

 

展示は,解説パネルの標本・レプリカの組み合わせ.

 

(一番大きなレプリカかと思います)

写真撮影OKということで,写真を撮りまくったのですが,沢山撮りすぎて整理しきれません.整理しながら撮ればよかったのですが---

この展示の内容は,稿を改めて取り上げてみたいと思っています.(できるかどうか分かりませんが)

 

今日のところは,展示の始めの文章をそのまま紹介して終わります.

 

毒の世界へようこそ

毒ってちょっと怖いですね.ちょうどお化け屋敷に興味がそそられるように.

でもそもそも,毒ってなんでしょう.

どうして自然界には毒があるのでしょう?

まず身近なところから毒を考えてみましょう.

 

毒の定義

本展覧会では,ヒトを含む生物に害を与える物質を毒と定義します.通常では毒とならないもの(例:酸素)も,取りすぎれば毒になるため,毒として扱う場合があります.また,アレルギー物質など反応に差異があるものも毒としますが,最後には皆さん自身で毒とは何かを考えてみて下さい.

 

生活のなかの毒

言いすぎかもしれませんが,私たちは毒に囲まれて生活しています.

このイラストは,室内空間や身近な野外で私たちが出会いそうな毒を示しています.どんな毒になるか考えてみて下さい.

この展覧会の最後に紹介します.

この図は,日本中毒情報センターのHP,ならびに「竹内ら(2019)日本中毒情報センターで受信したイヌ,ネコの急性集毒に関する検討」を参考にして作成されたとのこと.

 

 

解答

かびたパン:カビの中にはマイコトキシンを生産するものがあります.

小麦粉:アレルギーの原因になります.

タマネギ:イヌやネコは,タマネギに含まれる有機チオ硫酸化合物によって溶血性貧血を起こします.

にんにく:タマネギと同じ成分により溶血性貧血を起こします.

ジャガイモ:(展示説明を記録し忘れたので調べてみました)新芽や緑色の皮に毒性物質ソラニンを含むことがあり,食べすぎると嘔吐・腹痛・めまいなどの中毒症状をおこす。

ブドウ:イヌやネコが食べると急性の腎障害を起こしますが,原因は分かっていません.

キシリトール:(展示説明を記録し忘れたので調べてみました)細胞毒性物質で,イヌに低血糖と急性の肝不全を起こし、死に至ることもある.ネコに対しては不明とのこと.

チョコレート:テオブロミンやカフェインを含み,イヌやネコには有害です.人間も食べ過ぎには注意が必要です.

(追加)チョコレート中毒は、メチルキサンチン(テオブロミン,カフェイン)を含有するチョコレート製品を過剰に摂取することによって生じる症候群である。臨床症状としては、嘔吐、落ち着きのなさ、興奮、高体温、頻脈、そして重症の場合は痙攣があります。チョコレート中毒は、多くの動物種が影響を受けやすいものの、イヌに最も多く発生します。その原因としては、無差別な食習慣や容易に入手できるチョコレートの供給元が挙げられます。

ピーナッツ:イヌがピーナッツを食べると,下痢,嘔吐,腹部不快感などの消化器の症状が出ます.神経毒性を示すことがありますが,原因は不明です.

マグロ:(展示説明を記録し忘れたので調べてみました)メチル水銀が蓄積されていて,妊婦は摂取を減らすよう勧告されている.

タバコ:ニコチンは神経毒の一種です.

洗浄剤:塩素を含む洗剤は,酸性洗剤と反応して塩素ガスの発生源になる場合があります.

ハウスダスト:ダニやカビなどの胞子がアレルギーの原因になります.

石油ストーブ:(展示説明を記録し忘れました)空気の供給が不足すると一酸化炭素を出すことがあります.一酸化炭素は頭痛・吐き気・耳鳴りなどの中毒症状を起こし、重症になると死に至る場合もあります.

ネコの毛:ネコやイヌの毛はアレルギーの原因になります.

ポトス:ポトスは,代表的な観葉植物ですが,サトイモ科のためシュウ酸カルシウムを含みます.

酒類(アルコール):酒に含まれるアルコールは神経毒の一種です.

アジサイアジサイは,人間にもペットにも有毒です.フェブリフジンという成分が吐き気,嘔吐を引き起こします.

ヒキガエル:脅威を感じると神経毒を含む白い粘液を分泌します.目や鼻に付着すると激しく痛みます.

ユリ:イヌやネコが誤って口にすると急性の腎障害を起こします.特にネコには猛毒になります.

ハチ:(展示説明を記録し忘れたので調べてみました)ハチの仲間には,毒物(種類は多様)を持ち,毒液を注入するための毒針を発達させたものが知られている.

花粉:植物の花粉は,アレルギーの原因になります.スギ,ブタクサが有名です.