今年になってからの新型コロナウイルスによる死者の総数が3万人を超えました.昨年の自殺者の総数(死因第7位)を上回る数です.第8波の死者は,まだ増加し始めたばかりに見えますが,既に昨年までの最多死者を記録した第4波のピークをかなり上回ってしまいました. このまま,第6波,第7波を上回る死者を出してしまうのでしょうか?死者数のアナウンスがほとんどされないことに疑問を感じます.頼みのワクチン接種はあまり進んでいないようです.効果が高いとされるパキロビッドの使い勝手や配布体制の整備にも問題がありそう.

新型コロナ第8波の到来が報道されています.

11月,今年になってからの新型コロナウイルスによる死者の総数が3万人を超えました.

https://ourworldindata.org/explorers/coronavirus-data-explorer?

この数(31260人)は,昨年の自殺者の総数(30707人)を上回るものです.

自殺は2021年の死因の第7番目.感染症による死者がいきなり2022年死因のベストテン入りということになりそうです.

「肺炎」にまとめられてしまうのかもしれませんが---是非,別立てで数値を公表して欲しい)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/index.html

 

アメリカでは,2020年,2021年につづいて今年も死因の第3位が新型コロナとなりそうですhttps://www.healthsystemtracker.org/brief/covid-19-leading-cause-of-death-ranking

そして,オミクロン株では,心臓病による死者の増加が見られるとのこと.

https://www.washingtonpost.com/nation/2022/02/10/covid-omicron-variant-live-updates/

https://www.healthsystemtracker.org/brief/covid-19-leading-cause-of-death-ranking

 

第8波の死者は,まだ増加し始めたばかりに見えますが,既に,昨年までの最多死者を記録した第4波のピークをかなり上回ってしまいました.

このまま,第6波,さらには第7波を上回る死者を出してしまうのでしょうか?

https://ourworldindata.org/explorers/coronavirus-data-explorer?zoomToSelection

https://ourworldindata.org/explorers/coronavirus-data-explorer?

 

第6波,第7波では,ともに死者1万人を超え,死亡者全体の数を押し上げて,日本の「超過死亡数」は.明らかにプラスとなっています.

https://exdeaths-japan.org/graph/weekly

 

今まで,日本全体の新型コロナ感染拡大の前触れとなってきたことが注目されている北海道で,第8波による死者数が急増していることが報道されています.(東京新聞 2022年11月30日朝刊 https://www.tokyo-np.co.jp/article/216978

この傾向は全国でも踏襲されていくのでしょうか?

 

 

感染予防策の徹底を促す政府・地方自治体のメッセージに本気度が感じられず,経済活性化に急速に舵を切りつつあります.国民の多くも「当たり前の生活が戻ってきている」ことを喜んでいるように思います.

「経済活性化」「当たり前の生活」はともに大切で,これらを全て犠牲にせよとは言いません.しかし,政府・自治体はもとより報道機関も死者数の増加にほとんど触れない.このことには大きな疑問を感じます.

 

厚生労働省の施策には誤りがあるのでは?

▽昨年までにはみられない死亡者を出し続けていることをキチンとアナウンスした上で,「経済活性化を促し」「当たり前の生活を取り戻す」ことも可能なのでは?現状をキチンと認識しないままでは,第7波を上回る死者を第8波で出してしまうのではないでしょうか?

 

その他にも,

▽感染拡大が起こる度に,くり返される医療機関の逼迫,高齢者施設でのクラスター.

感染予防・治療体制整備は,どの程度改善されているのでしょうか?

▽頼みの綱はワクチン.しかし接種も思うように進んでいないのでは?

▽医療の逼迫,ワクチンだけではなく、気になるのは治療薬.

ファイザーのパキロビッド(ニルマトレルビル+リトナビル)という,治験段階,そして実際の治療成績,共に今の段階では信じられないような効果が報告されている経口抗ウイルス薬が開発されています.

https://academic.oup.com/cid/advance-article/doi/10.1093/cid/ciac443/6599020

にもかかわらず,死者は抑えきれていない.

ツイッターなどでは現場の医師から,手続きの煩雑さ等使い勝手の悪さが指摘されています.

そして,治験段階の成績ではかなり劣るメルクの経口抗ウイルス薬ラゲブリオ(モルヌピラブル)は多量に配布されているのに対し,パキロビッドはわずかしか流通経路に乗っていないようです.

https://www.mhlw.go.jp/content/000993928.pdf

政府が一番力を入れているかに見え,また報道が圧倒的に多いのは塩野義の新薬.しかし,この薬には死者の数を抑える働きは報告されていません.軽症者の快復を1日程度早める効果はあるとされていますが---

https://diamond.jp/articles/-/313671

https://news.yahoo.co.jp/articles/0a9ba52488623e2fbc744c942481a75d7a1af11e