「尾身先生もロックダウンができるよう議論していくことが必要だと」
「ロックダウンなんて嫌だ。自由をなんとか守るために、自ら行動を考えられないかな」
「しかし、この国のトップは絶望的までにスピーチが心に届かない。心が動くメッセージがトップから発せられないのは日本の限界だと思う。そしてそんな政治家を選んだのは国民自身だ」
これは,緊急事態宣言の対象地域を首都圏3県,大阪にまで広げることが決まった今日のツイッター.
岩永直子 Naoko Iwanaga (@nonbeepanda) | Twitter
ツイートしたのは,岩永直子さん.
BuzzFeed Japan Medical の記者、編集者.
現在,感染が急速に拡大している新型コロナ第5波は,このままでは止められそうもなく,京都大学の西浦教授は,日本でもロックダウンを可能にする立法が必要との考えをかなり早くから言及していました.
「尾身さんも」ということは,感染対策に奮闘してきた公衆衛生の専門家の方々の多くが,対策の限界を感じ,ロックダウン以外には現在のような窮状を抑える方法がないと表明したということ.
「ロックダウンなんていやだ」:私も全く同じ思い.
「この国のトップは絶望的までにスピーチが心に届かない」:その通り.
BuzzFeed Japan Medicalの岩永直子さんの記事には,新型コロナ感染が広がった昨年来,ずっと助けられてきました.
彼女とその同僚らが専門家に直接インタビューし,言葉を起こして発信された記事がなければ,私はこの感染症とその対策について,ほとんど何も知ることができなかったかもしれません.実際の姿を知ることで,どれほど気持ちの安寧を得られたことか.
何よりもいいのは,彼女には「真の専門家」を選ぶ鑑識眼が備わっていること.そして多くがインタビューの形式の記事ですが,質問が的確で,我々が知りたいことと専門家が話したいことを上手に橋渡ししてまとめてくれていること.
(ツイッターをフォローし始めたのは最近ですが,こちらも一言一言が的確.)
今回の新型コロナ第5波に関わるBuzzFeed Japan Medicalの記事も必読といっていいものです.
最新の記事(岩永さんの同僚千葉記者の記事)は,BuzzFeed Japan では珍しくルポ形式の記事で,今,まさに医療崩壊を起こしつつある病院の実相が生々しく伝えられています.
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/saitama-med-covid-19-1
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/saitama-med-covid-19-1?bfsource=relatedmanual
そして,今日の管首相,小池都知事のメッセージとの落差に愕然とします.今回の感染爆発の収束には,ワクチンが間に合わないことは既に分かっているのに---.
また,NHK,週間文春にも記事が載せられていた西浦教授の分析と考え方も,このBuzzFeed Japan Medicalの記事はより詳細に伝えてくれています.
西浦博さんが断言「間違いなくこれまでで一番厳しい状態」 デルタ株の強い感染性で加速化する感染拡大
心筋梗塞、脳卒中、救える命が救えなくなる可能性も 静かに医療を追い詰めていく第5波の真の恐ろしさ
今回の感染の広がりは,絶望的な状況にまで行き着く悪い予感がします.どのような形で収束するのか,素人の私には見当がつきません.
感染速度が2倍のデルタ株に対しては,今までの接触抑制を2倍にして対抗するしかない----.ロックダウンのような形がとられるのか----.お願いベースのロックダウン?
なお,「『感染爆発』の状況でも… 菅首相、金メダルツイートを連発中。コロナ発信はゼロ」だそうです.