スパイダーリリー  おんめ様で初めて出会った花.PictureThisは,ヒメノカリスリトトラリス と判定.改めて調べてみるとHymenocallis littoralisで,そのユニークな姿からスパイダーリリーと呼ばれているとのこと.spider lilyはヒガンバナを指すこともありますが,もともとは,このヒメノカリス属の植物を指していたのかもしれません.和名ササガニユリの細蟹・笹蟹は蜘蛛の異名とのこと.なお,ハマユウ属,ネリネ属の植物もspider lilyと呼ばれることがあるそうです.

鎌倉おんめ様で,初めて出会った花.

珍しい形ですが,白が映えてなかなか美しくもあります.

f:id:yachikusakusaki:20210720235450j:plain

PictureThisは,ヒメノカリスリトトラリス と判定.

 

改めて調べてみました.

 

NHK趣味の園芸では

ヒメノカリスとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版

ヒメノカリス・リットラリス

Hymenocallis littoralis

熱帯アメリカ原産.花は白色で細長く,長さ7〜13cmほど.副花冠は漏斗形.木のような香りがある.葉に美しいクリーム色の縞斑が入る品種がある.

 

ヒメノカリスの仲間は,中南米西インド諸島に25~30種が分布しています.

アサガオの花のような副花冠(花弁の内側にある付属物)とクモの脚のように飛び出した6本の花弁が特徴で,そのユニークな姿からスパイダーリリーと呼ばれています.

種により,花にバニラのような芳香があります.

草丈30~40cmほどの小型種から1m近くなる大型種があります.また,ヒメノカリス・ハルシアナ(Hymenocallis harrisiana)のような常緑タイプと,ヒメノカリス・リットラリス(H. littoralis)のような落葉タイプがあります.常緑タイプは寒さに弱いので,冬は室内に取り込み,少なめの水やりを続けながら育てます.落葉タイプは,西南暖地の霜の当たらない場所であれば,露地で冬越し可能です.

 

スパーダーリリーと呼ばれているんですね.

でも,スパーダーリリーってヒガンバナのことでは?

 

改めて,"spider lily" をランダムハウス英語辞典で調べてみると--

 

spider lily

ランダムハウス英語辞典)
【1】ヒガンバナ科ヒメノカリス属 Hymenocallis の植物の総称;花は管形で芳香がある;熱帯アメリカ原産.
 【2】=spiderwort

 ⇒【1】ムラサキツユクサ:ツユクサムラサキツユクサ属 Tradescantia の植物の総称;花は青,紫またはばら色.

【2】ムラサキツユクサに似た植物の総称.

 

もともとは,英語でspider lilyといえば,このヒメノカリス属の植物を指していたと考えて良さそうですが,これはアメリカ英語に特有の使い方かもしれません.

ランダムハウス社はアメリカ合衆国の会社で,ヒメノカリス中南米西インド諸島の植物ですから.

 

Oxford English Dictionary (OED)も調べる必要がある---(陰の声:そこまではしなくても)

 

なお,

英語版ウィキペディアは,spider lilyと呼ばれる植物には,四種類あるとし,ヒガンバナ属もしっかり入っています.

 

spider lilyと呼ばれる植物

Spider lily - Wikipedia

 

ハマオモト属(ハマユウ属)Crinum,

f:id:yachikusakusaki:20210721010904j:plain

ハマオモト属 - Wikipedia

 

ヒメノカリス属 (ササガニユリ属)Hymenocallis

f:id:yachikusakusaki:20210721010940j:plain

Hymenocallis - Wikipedia

 

 ヒガンバナ属 (リコリス Lycoris)

f:id:yachikusakusaki:20210721011001j:plain

ヒガンバナ属 - Wikipedia

 

ネリネ属 Nerine

f:id:yachikusakusaki:20210721011056j:plain

Nerine - Wikipedia

 

なお,ヒメノカリス属は,ササガニユリ属とも呼ばれ,こちらが和名の標準のようです.

ササガニは細蟹・笹蟹で,「蜘蛛spiderの異名,または蜘蛛の糸」とのこと日本国語大辞典

細蟹・笹蟹とは - コトバンク

※古今(905‐914)恋五・七七三
「今しはと わびにしものを ささがにの 衣にかかり われをたのむる〈よみ人しらず〉」
※源氏(1001‐14頃)賢木「風吹けば まづぞ乱るる色かはる 浅茅が露にかかるささがに」

 

f:id:yachikusakusaki:20210721151625j:plain

Amaryllidaceae - Wikipedia