With Coronaの日々.
心のどこかで怯えつつも,何とか日常生活を保てるようになってきています.
単なる慣れ?
次にあげる小さな「朗報」も慰めになっていることは確か.
▽第二波は爆発的な感染拡大には到らずに収まりつつある.これはとりあえずの朗報.
「感染は下火にはなっているけれども,本当に定着するところまではいってない」(新型コロナ分科会)とはいえ
yachikusakusaki.hatenablog.com
▽「第二波では,新形コロナウイルス感染による“致死率”が低下してきている」.
これも,慰めになります.
以下は,上記に関連した話題二つ.
さらに付録として,肥満による重症化率がかなり高いというBBCの記事.2週間以上も前の記事ですが.
1. ヨーロッパも第二波に襲われています.
スペインが顕著な例.それに続いてフランス.遅れてイギリス.さらにドイツ,イタリアも上昇の気配.
ヨーロッパ諸国の第二波も今が正念場.ヨーロッパ諸国より第二波が早かった日本は,一足先に収束傾向にあるように思われます.
https://ourworldindata.org/covid-cases
なお,
イギリスの感染者数増大についてのBBCの記事では,
見出しに“R”「実効再生産数」が掲げられています.
とても分かりやすい見出しのメッセージ.
日本もこのようになればいいのにと切に思います.
日本はとても上手に感染対策を行っているというのが私の評価ですが,これは専門家集団が優秀なため.
政府の発信力のなさ,マスコミ報道の混乱ぶりは目に余ります.
感染の動向については,せめて専門家が根拠とする数値を理解して伝えてほしいものです.その第一歩がイギリスやドイツで見出しにも使われる“R”の普及のように思います.
BBC NEWS JAPAN
イギリスで感染拡大の指標「R」が「1」超える 若者の感染も
2020年9月12日
イギリスの保健当局は11日,新型コロナウイルス感染者の実効再生産数「R」が,3月以降で初めて「1」を超え,1から1.2の間になったと発表した.
高齢者だけでなく,若者の間でも感染が広がっている「気がかりな兆候」がみられるという.ただし,パンデミック初期よりも新型ウイルスの治療法や治験が改善しているため,死者数は以前よりは少なくなるという専門家の見方もある.
実効再生産数を意味する「R」は,ウイルス感染者1人が次に何人に感染させるかを示している.「R>1」,つまり1超になれば,1人の感染者が複数に感染させるため,流行は拡大する.
イギリスではこの日,新たに3539人の感染が確認され,前日から600人増えた.
4月の流行ピーク時に比べればなお少ないが,イングランドで数千人を対象した調査によると,感染者は7~8日で2倍に増えている.
この調査ではまた,イングランド北部を中心に,特に若い世代で感染が広がっていることも明らかになった.
イングランド公衆衛生庁(PHE)のイヴォーン・ドイル医療主任は,新規感染例の大半を若年層が占めているものの,「若者よりも重症化リスクの高い高齢者の間に,気がかりな感染拡大の兆しが見え始めている」と指摘した.
PHEの報告書によると,イングランド北西部に住む85歳以上の高齢者の間で感染が「特に急増」しており,入院するケースも増えているという.
一方で,新型ウイルスで現在,入院治療中の人は863人と横ばいで推移しており,うち人工呼吸器が必要な患者は78人にとどまっている.
(以下略)
関連記事:「R」が大切 新型コロナウイルス対策にとっての意味は - BBCニュース
2.“致死率”の低下について,国立国際医療研究センターの忽那医師がわかりやすく解説してくれています.
“致死率”の低下には二つの要因があるとのこと.
まとめると最下欄の二点(①②)になります.
しかし沓内医師による実際の記事の方が分かりやすい!
興味のある方はぜひご一読を.
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200912-00197712
(なお,”致死率”をわかりにくくさせている原因の一つは「感染者の正確な数の把握ができない」こと.
新形コロナウイルス感染者の実数を把握している国は世界中どこにもありません.
検査によって確認した患者数(“confirmed cases 確認患者数")が発表されていますが,少し大げさに言えば「氷山の一角を見ているに過ぎない」.
従って発表されている致死率は「見かけの致死率」と言える数値になり,「実際の致死率」は把握できない.
感染症では避けらない統計上の限界.無症状の感染者が多い新形コロナウイルスの場合には特に見えない氷山が大きいという事になります)
① 検査の拡大により把握できる感染者の数が多くなったため,「見かけの致死率」が小さくなった.
言い換えれば「実際の致死率」に近づいた.
(沓内氏の言葉「第1波では検査数が追いついておらず、実際の感染者のうちに診断できていたのはごく一部であったのに対し、第2波ではもう少し実際の感染者の全体像を捉えられているものと考えられます」)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200912-00197712
② 新形コロナ患者への治療の標準化がすすみ,重症者をより多く救うことができるようになった.
言い換えれば,治療により「実際の致死率」を下げることができた.
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200912-00197712
3.
BBC NEWS JAPAN
肥満で新型ウイルスのリスク増加、ワクチンも効果薄か=国際研究
2020年8月27日
https://www.bbc.com/japanese/53927990
肥満症の人は、新型コロナウイルスに感染した時に入院治療が必要になる確率が2倍に、死亡する確率が1.5倍になることが、国際的な分析で明らかになった。
アメリカで行われたこの研究では、肥満によって糖尿病や高血圧になる確率が高くなると指摘。免疫力を低下させ、COVID-19と闘う力が損なわれるという。
また、新型ウイルス向けのワクチンも、肥満を抱えていると効果が薄くなる可能性があると警告した。
たとえば、インフルエンザワクチンは、ボディマス指数(BMI)が30以上の人には効かないことが分かっている。
米ノースカロライナ大学の研究チームは、世界各国の新型コロナウイルス研究75件、合わせて40万人分の患者のデータをを分析した。
その結果、肥満症でCOVID-19にかかった人が入院治療を受ける確率は、肥満でない人に比べて50%、集中治療を受ける確率は74%高くなることが分かった。また、死亡リスクも高まるという。
イギリスでの研究でも、過体重の人には似たようなリスクがあることが分かっており、政府が新たな肥満症対策に乗り出している。
米ノースカロライナ大学の研究を主導したバリー・ポプキン教授は、肥満とCOVID-19の組み合わせで増加するリスクは「想像よりもずっと大きかった」と語る。
その上で、多くの国で健康的な食生活を優先事項にすえるべきだと指摘。砂糖の入った飲料やジャンクフード、加工食品を控えるべきだと話した。
肥満症はさまざまな病気と関連付けられており、COVID-19についても症状が悪化するリスクが高くなる。
また、体の腫れがひどくなったり、感染症への耐性低下、他の臓器や呼吸に負担がかかるなどの現象がみられる。
ポプキン教授はワクチンについても、「開発チームは肥満症の人への影響を考えた方がいい」と話した。
さらに、肥満症の人が多い地域ではワクチンを接種してもその予防効果が薄れるのではないかと懸念している。
肥満症は世界中で患者が増えており、ほぼ全ての国で、人口の20%が過体重あるいは肥満症と診断されている。特にアメリカやイギリスは66%に近い。
研究では、こうした人々に治療法やワクチンがどのように作用するのかを理解することが「重要だ」と結論付けている。
(英語記事 Obesity 'increases risks from Covid-19')