今日も,食材探検 おかわりニッポン,NHKBSプレミアム2月6日「ごぼう〜茨城・行方地域〜」から.
昨日の ごぼう(1)ゴボウ鍋はとても美味しそうでした 食材探検 おかわりニッポン - yachikusakusaki's に引き続き----.
http://www4.nhk.or.jp/okawari/3/
冷たい地面の下で,じっくり育ち,旬の美味しさを貯めこんだ美味しいごぼう.
もっと美味しくする技
これを教えてくれたのが,日本料理人 伊豫田 伸祥(いよだ・のぶよし)さん.
曰く「ゴボウの魅力は,自然を感じさせるような,香りと抜群のうま味」
そして,うま味,香りを残すポイントは,なんと
ポイント1.ごぼうの皮はそぎ落とさない.表面を洗うだけ.
ポイント2.うま味成分・ポリフェノールを十分残すため,水にさらさない.
▽“特製ごぼうタレ”とこれを使った“かきの炊き込みご飯”.
今回のレシピ - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK ⇒バックナンバー - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK
“特製ごぼうタレ” ⇒鍋にも,カレーにも.入れることでコクが増し,味が深まる.
<材料>
ごぼう(200g)、水(200ml)
※ごぼうと水を同じ重さにする.
<作り方>
(1)ごぼうは土を洗い流し、乱切りにする.
(2)ごぼうと水を、なめらかになるまでミキサーにかける.
( ポイント3.ミキサーで細かくすることで香りが立って,うま味もとことん引き出せる)
(3)鍋に入れ、強火にかける.
( ポイント4.強火でえぐみをとばし,うま味を凝縮)
(4)沸騰したら、落としぶたをして、さらに中火で2分間煮詰める.
(5)火を止め、粗熱をとれば完成.
“かきの炊き込みご飯”
<材料>(5人分)
特製ごぼうタレ(270ml)、米(4合)、しょうが(15g)、かき(10個)、せり(お好み)、だし汁(400ml)、酒(20ml)、しょうゆ(20ml)、みりん(小さじ2)
<作り方>
(1)だし汁、酒、しょうゆ、みりんを入れて、一度沸騰させて冷ましておく.
(2)しょうがは細かく千切りにして、針しょうがにする.
(3)土鍋に、米と(1)、特製ごぼうタレ、かき、針しょうがを入れ、全体になじむよう軽くかき混ぜる.
(4)ふたをして強火にかける.
(5)沸騰したら弱火で10分炊く.
(6)全体を混ぜ、お好みでせりを入れる.
※炊飯器でも同様に出来ます.
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▽とっておきの一品「ごぼうのつくね」.
鶏肉に刻みゴボウが混ぜ込まれています.
大和芋(30g)、かたくり粉(40g)、塩(3g)、こしょう(1g)、卵(1個)、細かくみじん切りしたごぼう(150g) を入れて混ぜ合わせてタネをつくり(4人分),
8等分して小麦粉をまぶし,フライパンで焦げ目がつくまで焼いた後,
200℃のオーブンで5分間焼く.
今回のレシピ - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK ⇒バックナンバー - 食材探検 おかわり!にっぽん - NHK
「ゴボウの香りが強いですね.ふ〜って」「うま味がかめばかむほど味わい深くって」と岡崎さん.
ゴボウの栄養.
何と言っても食物繊維.水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれています.
特に水溶性食物繊維イヌリン(果糖がたくさんつながった“多糖”)は,様々な作用が期待されていて,注目の的.
多くの宣伝が見つけられます.例えば,食物繊維の分類と特性|大塚製薬
しかし,完全に証明するのはなかなかやっかいで,“効能”のいくつかは,まだ「可能性」の段階と考えておいた方がいいかもしれません.
ゴボウっていつ頃から?
ごぼうの原産地はヨーロッパから中国にかけてと言われています.
では日本にはいつ頃渡来したのでしょうか?
国立歴史民俗博物館の「日本の遺跡出土大型植物遺体データベース」
検索 | 日本の遺跡出土大型植物遺体データベース で“ゴボウ”を検索すると;
19件ヒット(“近似種”を除く).すべて,種子または果実.
その中に 縄文時代が8件あり,中でも最も早期のものは福井県鳥浜遺跡とされていました.
すでに縄文時代には渡来していたことは明らかなようです.
食材辞典(http://www2.odn.ne.jp/shokuzai/A2003/Gobou.htm)によれば,平安時代には食用として広まっていたようで,
「中国から渡来したと考えられます。そうとう昔に渡来したらしく、縄文初期の貝塚からもゴボウの種が発見されたという話です。 古くはキタキス、またはウマフフキという名で呼ばれてました。
西暦900年ごろ中国から牛蒡という名で"再び"紹介され、 この後200年の間に食用として広まってアザミ(当時、根や葉が食用にされていた)に取って代わりました」
とのこと.
引用文献は,和名抄"(倭名類聚抄923~930),延喜式の内膳司(927),類聚雑要抄(1146)としっかりしているので,上記はかなり確かな記述と思われます.
また,ゴボウは種子が薬用に用いられますが,聚雑要抄(1146)には、 ゴボウが朝廷の献立に用いられた記録があるとのこと.
早くから野菜として食べていたんですね.
なお,幾つかのサイトでは,「日本では自生していない」としていますが,日本語版ウィキペディアの紛らわしい記述「日本では自生していないが---」ゴボウ - Wikipedia が,そのまま拡散したように思います.
ゴボウは,簡単に野生化するとのこと(というより,栽培される前は野生のものを食べていたのでは?).
例えば,江戸時代には野生のゴボウの葉を食べていた!
http://gobouhana.exblog.jp/12326916/によれば,
備荒草木図(びこうそうもくず 天保4 [1833])という書物に
「野山に自生するものは、葉をゆでて食べると良い」
と書かれているそうです.ごぼうは、根だけではなく、葉も利用されていたんですね.
また,「札幌市民のオアシス『円山公園』で、ゴボウが大量に繁殖している」という記事が一昨年ありました.
ゴボウ大量繁殖…原始林 迫る外来植物 : 北海道発 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
そして,https://matsue-hana.com/hana/gobou.htmlによれば,「食用として栽培されるが、路傍などに野性化する」とありました.
少し植物を見分ける力のある方なら,野山に自生したゴボウを見つけることができそうですね.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/02/10/034134