職員 劣悪な待遇
相模原殺傷事件から1年 大規模入所施設を考える
1
障害者の排除 なお社会の底流に
地域との共生 まだ道半ば / 大規模公設 残る日本 / 事件教訓に生かせ
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/07/25/000854
yachikusakusaki.hatenablog.com 2
職員 劣悪な待遇
薄給・過酷勤務・人手不足----
植松被告は事件前の衆院議長宛の手紙の中で「施設で働いている職員の生気の欠けた瞳」と書いていた.事件は,障害者施設で働く職員の待遇の厳しさについても問題提起した.
厚生労働省の賃金構造基本統計調査の月平均賃金は約二十二万円八千円で,全職種平均の約三十万四千円と大きな差がある.
勤務実態も厳しい.全国福祉保育労働組合が一六年九月〜今年一月に実施したアンケート(四百五人が回答)では,仕事の不安や悩みでは「人手が足りない」が54.8%,未払いの時間外労働手当が「ある」のは42.9%に上った.仕事を辞めたいと「いつも思っている」「時々思う」人は計60.2%にも達した.
自由記述欄には「利用者以下の生活をしている.心も体も疲れている.悲しいだけなので給与明細は見ない」といった回答も.
同組合の沢村直(ただし)書記長は,「そもそも,国の職員配置基準(入所で基本的に利用者七・五人に対して職員一人)が現場の実態に合っていない」と指摘する.
一方,現場の虐待も少なくない.厚労省によると一五年度,全国の施設での虐待被害者は五百六十九人で過去最多.うち四百七十四人が知的障害者だった.
優生思想 温床にも
沢村書記長は「多忙な現場で対応は機械的にならざるを得ず,やりがいに結び付かない.そればかりか,ストレスのはけ口が弱い立場である施設利用者に向かっている」と推察する.
公立の入所施設で二十九年間勤務した経験のある社会福祉法人・全国スモンの会(東京都小平市)法人本部の安里芳樹氏は,事件後に主催した福祉セミナー参加者の一人が「利用者は衣食住が保証され,障害基礎年金を合わせたら,私らの生活レベルより高いかもしれない」と吐露したことが気になったという.
「植松被告は在職中『福祉サービス提供者』としての資質を疑問視された.そのことへの怒りがサービスの否定,ひいては障害者の存在否定にまで向かったのではないか.若い職員が薄給にあえぎ,福祉サービスを否定しようとする際,優生思想が根拠になるのかもしれない」(白名正和)
東京新聞 2017年(平成29年)8月3日
やまゆり園建て替え 小規模分散化を提言 県部会「現地再建」にも配慮
昨年七月に殺傷事件があった知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の立て替えを検討する神奈川県障害者施策審議会の部会は二日,現地を含む県内の複数の場所で現在よりも小規模の施設を建て替え,既存施設も含め分散入所してもらうとする報告書をまとめた.県は月内にも具体的な基本構想をまとめる.
(以下略)
関連記事
相模原殺傷:やまゆり園施設小規模・分散化 地域移行促す - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170803/k00/00m/040/102000c
相模原殺傷
入所者家族反発 県は対話を やまゆり園再建
毎日新聞2017年8月3日 10時00分(最終更新 8月3日 10時00分)
入所者家族反発 県は対話を やまゆり園再建
会員限定有料記事 毎日新聞