神戸元町ユーハイム〜ジャズ喫茶〜シネリーブル「この世界の片隅で」:片淵監督「『普段見せている姿や喋っていることがすべてではない』という肉体を伴った存在感を醸し出せる人"のん"

月一の神戸行き.

仕事は昼に終わったので,元町へ.

帰りの新幹線にちょうど間に合う時間帯に「この世界の片隅で」(広島住まいのTから薦められた映画)の上映があることがわかり,普段なかなか時間がとれない中,チャンスとばかりに.

ハーバーランドから地下道を通って,上りエスカレーターで神戸駅へ.

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JR元町駅到着.一駅です.

三ノ宮寄りの出口を出ると,駅前の花壇はきれいに整備されています.あまり見る人はいないようですが,あるとないとでは大違いでしょう.スポンサー募集の看板が立っていました.

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横断歩道を渡って,元町通りへ.

大丸へ行く広い通りの一つ横の筋.元町通りへ出ると正面がユーハイム本店.日本初のバームクーヘン製造で有名です.

この本店だけの特製バームクーヘンが店頭に飾ってあります.お持ち帰り用には,プロの方が,一枚一枚その場でカットしてくれます(店の中で食べると普通の切り方ですが).

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こんなように,厚いところ薄いところがある形

様々な食感を楽しめます.

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少し時間があったので,以前何回か立ち寄ったOld-fashioned Jazz 喫茶へ.

元町駅方向に少し戻って,右折(元町駅からだと,元町通り方面への先ほどの道で初めの路地を左折).右側の古いビルの地下.古いお店はどんどんなくなっていくのに,まだ維持していてくれて嬉しかったですね.

LP盤を大きなステレオスピーカーで大音響で奏でてくれます.以前の通りウィンナコーヒーを頼んで,小休止.私が入ったときはセルジオ・メンデスのアルバムがかかっていました.

トイレも楽しい茶店です.おしゃべりしたい人は止めた方が良いですけれど.

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喫茶店を出て,今度は大丸方面へ.

(朝ドラ「べっぴんさん」に出てくる大急の片割れ?かと思っていたら,べっぴんさんのモデル「ファミリア」を売り出した百貨店は阪急でこの大丸ではないとのこと.

  #09 神戸から大阪へ築く全国展開の礎 | familiar ファミリア 公式サイト

でも大急なんて大丸と阪急をくっつけた名前をなぜ付けたのでしょう?NHKは.)

神戸元町大丸は旧居留地にあるなかなか品格が感じられる建物です.神戸の南京町は元町通りから二つ海側の通りで,入り口まで行って写真だけ撮りました.)

 

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 今日の目的地シネ・リーブル神戸は大丸から市役所方面へ行く通りの二つ目のビル後かです.神戸朝日ホールと同じ建物「神戸朝日ビル」.

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「 この世界の片隅で」は11月からのロングラン.

満席でした!評判通り.そして,能年玲奈改め「のん」,お帰りなさい.

観客の3割の人が買って帰るという評判のプログラムを買って,三ノ宮駅から帰途へ.

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最後にプログラムから,

片渕須直監督「『浦野すず』という少女が自分を取り戻していく物語です」から,のんさん に関わる部分抜粋とウェブ上の映画評等をつけ加えます.

片渕

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「だから,この作品は,すずさんが子供であるという魂を持ったまま,どういうふうに大人になっていくかという話なのだという解釈がふたり(片淵&のん)の間で一致して(のん)『すごく今ので腑に落ちました.だったら私は,この場面を演じられます』と,-----」

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「原作を読んだときに,すずさんみたいな人の上に爆弾が降ってくるようなことが可哀想で可哀想で仕方なかったんですよで,その時に,これを絵空事じゃないものにしたいと強烈に思ったんです.一番大事なことは,すずさんという人が本当にいる人なんだと,僕ら作り手が完全に信じきって作らないといけないと.

だから,それを実現するための手立てが,これまで話してきたように,第一には時代や風土を徹底的に考証して背景やシーンに落とし込むということであったし,第二にはこれまでの日本のアニメーションとは違う動かし方で,自然な日常感を出すということだった.

そして第三の柱に,やはり内面にすずさんと共通しているものを持っている役者さんに,すずさんを演じてもらうことが必要だと思っていました.普段は飄々としていて,舌っ足らずなたどたどしさがあって,内気で言葉少なだけど,でも内面には様々なものを抱えていて,いざスイッチが入ると,すごく情熱的なところも出てくる.そういう,「普段見せている姿や喋っていることがすべてではない」という肉体を伴った存在感を醸し出せる人.

なのですずさん役の声優さんについては,ギリギリまでオーディションをやっていたんですが,この特別な目標設定にハマる役者さんがどうしても見つからなかった」

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—まさに,のんさんは「すずさんを,“実在”化する」というこの映画のミッションにおいて,最後のピースだったんですね.

片渕

「そのことは収録プロセス自体を通じても強く実感しました.当初の試行錯誤の中で,彼女が『すずさんに気持ちは表面的には読み取れるけど,彼女の中にある痛みって何ですか?そういうのがあれば教えて下さい』と聞いてきたのですよ.それに対して僕は,『すずさんは,自分の中身は空っぽであることが表に出るのが怖いんだと思う,けれども空っぽに見える心の中の部屋にある床下を開けると,すっごい豊富な宝物がいっぱいあることに気が付いていなくて,そこがすずさんの痛みというより痛さなんじゃないか.そこにアプローチできるのは,すずさんが右手で絵を描くときだけなんだ』というようなことを答えました.

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収録に慣れてきた終盤のシーンのある瞬間,のんちゃんが---

『今までのすずさんだったら,絶対に口に出して言わないですよね.でもここで言っているというのは,それはすずさんが変わったということなんですね?すごく的を射た質問をいっぱい投げかけてくる

それに応えていくことによって,こちらも『あ,あのシーンはこうだったんだ』という再発見をして,6年間作り続けていながら,まだきちんと考えられていなかった絵や芝居の方針が定まったりもしました

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ウェブ上のみられる映画評等

映画「この世界の片隅に」 こめられた思い|特集ダイジェスト|NHKニュース おはよう日本

映画『この世界の片隅に』 戦時下の日常、広島舞台に|エンタメ!|NIKKEI STYLE

(登録が必要なサイト:http://mainichi.jp/articles/20161208/dde/012/200/013000c

一般上映なのに拍手喝采。『この世界の片隅に』の衝撃 - NAVER まとめ

アニメ映画「この世界の片隅に」主演 のんさん : 中高生新聞 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)