生きづらさを抱えるあなたに~障害者殺傷事件が投げかけたもの~ - NHK クローズアップ現代+ 2016年9月29日(木)放送 録画
障害者施設で19人の命が奪われてから2ヶ月.容疑者が繰り返した障害者が生きる意味を否定する言葉が社会を深く傷つけています.障害がある人だけではありません.生きづらさをかかる多くの人が動揺しているのです.
池上彰さん
「とにかく衝撃を受けたんですけど,ふと考えてみますと,非常に弱い立場の人たちが被害にあったり切り捨てられていくっていうのは,今の私たちの社会そのものなんじゃないか.社会全体の中で役に立たないとか(聞き取れず)価値がないとか言われて切り捨てられていく人たちがいる.その縮図のような気がするんですね」
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事件の犠牲者を追悼するホームページです。これまで400を超えるメッセージが寄せられましたが、思わぬ広がりを見せています。
障害のある人だけでなく、社会で弱い立場にいる人も不安を書き込んでいるのです。
持病がある人
“私もPTSDやぜんそくを抱えながら生きています。
弱いところがある人が排除される社会はとても生きづらいです。”
生活保護の受給者
“闘病中のため、生活保護を受けて生活しています。
弱者切り捨ての風潮に危機感が募ります。”
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ー映像:高齢者施設での防犯訓練ー
事件を想定した防犯訓練が行われました.自分も襲われるかもしれないという不安が相次いだからです.
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病気の影響で手足に麻痺のある77歳の女性
「本当にね、ああいうの聞くとね、自分もある意味、人には役に立っていないから、役に立たないからって思われているのかなって思っちゃうわけ。いつ、ああいう目に遭うか分からないものね」
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東京大学 熊谷晋一郎准教授
「多くの人が自分のこととして受け止めたのは,社会が効率を重視し,多様性が失われつつある表れではないか」
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障害者殺傷事件が投げかけたもの NHKクローズアップ現代+ 2016年9月29日(木)放送
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全国『精神病』者集団 山本真理氏 「精神障害者はいま『自分も被害に遭うかもしれない』という不安と,容疑者との同一視による差別助長という,社会からの二重の圧力におびえている」(東京新聞 2016年9月17日朝刊)
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植松容疑者「障害者総勢470名を抹殺することができます.---私の目標は----重複障害者の方---保護者の同意を得て安楽死できる世界です.---障害者は不幸をつくることしかできません」(大島衆議院議長宛手紙より)
作家曾野綾子さん 野田聖子議員に対して「自分の息子が,こんな高額医療を,国民の負担で受けさせてもらっていることに対する,一抹の申し訳なさ,が全くない.」(毎日新聞2016年8月17日夕刊 引用として掲載)
長谷川豊フリーアナウンサー 自身のブログのタイトル「自業自得の人工透析患者なんて,全員自費負担させよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を滅ぼすだけだ」(東京新聞2016年10月1日朝刊)
上野千鶴子講演会に出席した健康で溌剌とした70代とおぼしき高齢者 「80歳以上の重度介護を必要とする老人を処分することはできないか」(上野千鶴子 障害と高齢の狭間から 現代思想44巻19号 2016年10月)
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フォン・ガーレン司教
「貧しい人 病人 非生産的な人.いて当たり前だ.」(NHK ETV特集▽ホロコーストのリハーサル~障害者虐殺70年目の真実)
日本障害者協議会藤井克徳代表
「今回の事件の教訓を生かす道は中間報告にあるような防犯対策強化や,障害者を地域から隔絶することではない.障害者が施設から社会へと出て,
健常者と共生していくための具体的な支援を拡充することだ」(東京新聞 2016年9月17日朝刊)
「障害者の隔離強化ではなく,
共生の拡大こそが再発防止のカギとなる.」(東京新聞 2016年9月17日朝刊)
上野千鶴子さん
「超高齢化社会とは,どんな強者でも強者のまま死ねない,弱者になっていく社会だ.---それだからこそ弱者にならないように個人的な努力をするより,弱者になっても安心して生きられる社会を」(障害と高齢の狭間から 現代思想44巻19号 2016年10月)
新聞より「『障害者』という記号ではなく、一人ひとりの大切な人間。」
新聞より 「しかし、学校を分けてしまうこと、そのものが間違っていると私は考えます」