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新聞より 相模原殺傷で中間報告:措置入院後の対応不十分というが・・・ 隔離強化より共生拡大 / 優生思想の克服 が先

新聞・雑誌・本 相模原 障害者 差別 抵抗

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 相模原市の障害者施設殺傷事件で,厚生労働省の検討チームが中間報告を発表した.植松聖容疑者=殺人容疑で逮捕=の措置入院後の対応などを主な問題点としているが,本当の課題は彼が殺傷を正当化する根拠とした「優生思想」にあるのではないか.優生思想の例としてはナチスの虐殺が有名だが,日本も例外ではない.障害者の隔離強化ではなく,共生の拡大こそが再発防止のカギとなる.(安藤恭子,三沢典丈)

こちら特報部  東京新聞朝刊 2016年(平成28年)9月17日(土)

 

 厚生労働省の検討チームの中間報告は「病院は,他害のリスクを防ぐために必要な退院後の医療支援を検討しなかった」と指摘.退院後に転居したとしても,支援を継続する自治体間の情報共有の体制づくりも提言した.

優生思想の克服が先

 だが,こうした中間報告の方向性は,裏を返せば,精神障害者の追跡や強制通院制度の導入といった流れの強化へとつながりかねない.当事者団体「全国『精神病』者集団」の山本真理氏は「国が言う『支援』はこれまでも,精神障害者の治安対策と収容を意味してきた」と懸念する.

 栃木県の知的障害者施設で今月十日,皿を食堂の床にたたき割り,施設長に「障害者は死ねばいい」などと言ったとして,威力妨害の疑いで,入所者の男が逮捕される事件が起きた.男は障害者が参加する催しに自分が加われないと聞き,立腹したという.

 山本氏はこの事件を知り「軽微な事件でも通報し,障害者を取り締まろうとする風潮の表れでは」と,相模原事件後の社会の変化を感じたという.「精神障害者はいま『自分も被害に遭うかもしれない』という不安と,容疑者との同一視による差別助長という,社会からの二重の圧力におびえている」と打ち明ける.

「相模原事件のような特殊な事件を障害者全体に当てはめて,危険だから医療で閉じ込めろという議論は本質じゃない.犯行動機の根底にある差別の問題を抜きにして,再発防止策をつくるなんてあり得ない」

 植松容疑者の犯行が精神障害によるものか否かは今後の解明によるが,彼が障害の有無など勝手な基準で人の優劣を定め,優秀なものにのみ存在価値を認めるという「優生思想」の持ち主であったことは確かだ.

日本でも20年前まで強制不妊

 (中略)

根深い偏見と差別意識

(中略)

「相模原事件は日本社会の投影」

 日本障害者協議会の藤井克徳代表は「相模原事件は日本社会の投影だ.本来ならば,背景にある優生思想を乗り越えるにはどうすればいいのか,国会で集中審議すべきだ」と訴える.

(中略)

「今回の事件の教訓を生かす道は中間報告にあるような防犯対策強化や,障害者を地域から隔絶することではない.障害者が施設から社会へと出て,健常者と共生していくための具体的な支援を拡充することだ」

 

 

5日前の記事ですが,Sの死を一つのきっかけ(ややネガティブな理由でしたが)に始めたブログが一ヶ月目の今日の日付で掲載しました.

相模原市の障害者施設殺傷事件はSが最も気に掛けていた事件であり,死に至る時も心の奥で悲しみ悔しく憤っていたことは想像に難くありません.

また,上段の引用では省きましたが,記事の中にあった横塚晃一氏とSとは親交がありました.そして,氏の著作「母よ!殺すな」は私自身にとって今までで最も衝撃を受けた本と言えるもの.忘れかけていた当時の記憶が呼び覚まされていくのを感じます.復刻改訂版(生 活 書 院)を注文しました.貸してなくなったままにしていたので.

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相模原の障害者施設での殺傷事件について| 日本障害者協議会

新聞より「『障害者』という記号ではなく、一人ひとりの大切な人間。」

新聞より 「しかし、学校を分けてしまうこと、そのものが間違っていると私は考えます」

相模原市で起きた障害者施設殺傷事件からおよそ2ヶ月--- NHK ETV 特集では,去年(初回2015年秋),ナチスドイツによる障害者虐殺を振り返り,現代に何を問いかけているのか考えました.改めて放送します.

 

秋分