よく晴れた,寒さもそれほど気にならない過ごしやすい1日.昼すぎに,鎌倉おんめ様(大巧寺),本覚寺,妙本寺に参拝.夕方訪れることが多かったお寺で清々しい午後を過ごしました.
(妙本寺での結婚式の前撮りが,もう少し少なければ,もっと清々しかったのにとも思いますが)
以下,道中とこれらのお寺で撮った秋の実・花,紅葉/黃葉の写真を並べます.
クロガネモチ(クロガネホーリー,モチノキ科モチノキ属).
赤い実は,多く見かけるナンテン,マンリョウ.シロヤマブキの黒い実.
ツルウメモドキ(ニシキギ科ツルウメモドキ属)の黄色い実.とてもかわいらしい実です.
たわわに実ったキンカン.
本覚寺のセンダン(センダン科センダン属)
大巧寺のイソギク.一部が筒状花だけ.多くが舌状花.
「イソギクは筒状花」「舌状花になるのはイソギクとイエギクの雑種」と言われています.
大巧寺にはキクがもう一種咲いていました.オビトケキクと表示されていました.
ツバキはまだつぼみ.と思ったら一株だけ咲き始めていました.これからのおんめ様はツバキの沢山の品種を楽しむことができます.
春に向けて,植物の準備は既に始まっています.マツ,フジ,フヨウ---
とはいえ,もちろん今は,紅葉の季節.
大巧寺のコバノズイナ(ズイナ科ズイナ属)とカエデ(一般のイロハモミジとは異なりますが,品種は不明).
ケヤキの残り少ない葉.
妙本寺のカエデは紅葉が遅くしかもあまり美しくないのですが,一部,美しく紅葉する株がありました.
そして,妙本寺と言えばイチョウです.
境内中央から眺めると,サザンカや杉の木に隠れていますが---
一足近づけば,鎌倉で一二を競う大木が現れます.途中で幹が別れていて,この角度だと広がって見えます.
別の角度から見るとかなり異なった姿を見ることができます.
イチョウを詠んだ短歌
(古今短歌歳時記より)
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/11/09/234723
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/12/04/000009
(再録)
金色のちひさき鳥のかたちして銀杏散るなり夕陽の岡に 与謝野晶子 恋ごろもー曙染
歩みゐるこの道すでに日かげりぬ銀杏の落葉かすかにひほふ 三ヶ島葭子 三ヶ島葭子全歌集
わが窓のくもり硝子に黄に映えし銀杏葉もはや散りすぎにけり 斎藤茂吉 白桃
わたりくる永き光にかがやきて黄につもりをり銀杏落葉は 佐藤佐太郎 しろたへ
青銅の裸婦像立てりきはまりて公孫樹の隅は今紅葉す 近藤芳美 静かなる意志
風かげの公孫樹のひと樹黄にてるをなぐさめとして朝あさとほる 鹿児島寿蔵 求青
銀杏(ぎんなん)の落葉のうへに降る雨はしづけき音に降ると知りたり 宮柊二 日本挽歌
かがまりて銀杏の葉ひろふまだ二歳 ほらほらこんなに大きいよ 島有道 自然
参道の並木の銀杏かがやきて 落葉にむかう前のしづけさ 冷水茂太 むらぎも
杏の黄けやきの赭(あか)き踏みて行く梢さびしくなりたる道を 上田三四二 遊行
はるかにも銀杏もみじのかがやける秋の日いまだ言葉を捨てず 清原令(よし)子 繭月
我れがゐて銀杏が立ちてそのほかはみとめたくなきまでに秋澄む 馬場あき子 月華の節