冬の雨を詠んだ短歌  昼前にあがつた鎌倉の雨.おんめ様,本覚寺,そして妙本寺で,雨のあとの清々しい紅葉を楽しむことができました. 冬の雨/市街の寺の大木の,なつかしきかな,/高く立てるは. 土岐善麿  冬の雨 二日降り沁む深草の家並みの上の 山もみじの色 釈迢空  冬雨は小(を)暗く降れり軒下に静かに犬は目を閉じにけり 今井邦子  冬の雨しきり降る宵竹群の音をききつつ子と居たりける 宮柊二

昨晩から降り始めた雨.

昼前にはあがりましたが,鎌倉の木々に,そして寺院の参道にも,午後まで雨の跡が残っていました.

 

昼すぎ,晴れ間がかなり広がった瞬間もありましたが,

全体に曇りがち.

とはいえ,雨のあとの清々しい紅葉を楽しめました.

 

おんめ様(大巧寺)のカエデとツルウメモドキ

本覚寺のセンダン.

 

妙本寺のカエデ.

 

そしてイチョウ

 

午後一端やんだ雨.

夜になってまた降り始めました.

 

 

 

 

冬の雨を詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

冬の雨/市街の寺の大木の,なつかしきかな,/高く立てるは. 土岐善麿 黄昏に

 

冬の雨あがりて寒し板屋根の低くそろへる街を見おろす  島木赤彦 氷魚

 

冬の雨の石にひびかふ墓地の闇母と来る子は歩みをとどめず  北原白秋 白南風

 

冬の雨 二日降り沁む深草の家並みの上の 山もみじの色  釈迢空 倭をぐな

 

冬雨は小(を)暗く降れり軒下に静かに犬は目を閉じにけり  今井邦子 姿見日記

 

冬の雨にうたるる魚の骨白しこの道のはたて何があるならむ  前川佐美雄 大和

 

冬の雨しきり降る宵竹群の音をききつつ子と居たりける  宮柊二 日本挽歌