大船フラワーセンターで,ケイトウとセンニチコウに出会いました.
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/10/25/232637
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2023/10/26/231614
左側のケイトウは,昔ながらのケイトウ Celosia cristata
とは,別の品種.
ノゲイトウCelosia argenteaの園芸品種? あるいは,フラミンゴフェザーとも呼ばれるCelosia spicataの園芸種でしょうか?
https://en.wikipedia.org/wiki/Celosia
ヒユ科の植物には,食べられる植物が沢山あります.下の図の赤四角で囲んだ植物は食べることができます.
代表選手は,もちろんホウレンソウ.
ネット上の答えはイエス.
https://www.google.com/search? センニチコウは食べることができますか?
https://www.google.com/search? ケイトウを食べることはできますか?
センニチコウについては,まだ調べたりませんが---
ケイトウが食用になることは確実.日本でも江戸時代の書物(農業全書,菜譜 さいふ)に記載がありました.現在のケイトウはもともとは野菜だったようです.
跡見群芳譜「けいとう」
http://www.atomigunpofu.jp/ch3-flowers/keito.htm
「鶏頭花(けいとうげ) 肥地によし.手入れよくこやしぬれば,茎葉大きになり,茹(ゆび)きてあへ物,ひたし物とし,味よし.花さまざま見事なるあり.其味も莧(ひゆ)には増れり.云々」(宮崎安貞『農業全書』1697).
ニッポニカ「けいとう」
https://kotobank.jp/word/ケイトウ-1530222
アジアの熱帯地方などが原産で,野菜から花卉(かき)に改良された.『万葉集』の「韓藍(からあい)」をケイトウとする見方に従えば,渡来は古い.江戸時代にはまだ食用の名残(なごり)があり,貝原益軒は『菜譜(さいふ)』(1704)で「若葉をゆでて,しょうゆにひたして食べると,ヒユよりうまいが,和(あ)え物としてはヒユに劣る」と述べる.
ただ,日本語のネット上では,きちんとしたレシピを探すことはできませんでした.
二件のブログのみ.そのうち,葉のお浸し,ゴマ和え,オムレツは簡単にできそうですが---
https://yasou1nen.exblog.jp/5589756/
もう一件は,「揚げケイトウ」.こちらも葉を使うようです.
http://www.ezcook.jp/bbs/view_board.html?q_id_info=1&q_sq_board=2337
検索範囲を英語にまで広げると---
ケイトウは西アフリカ・中央アフリカでは伝統的な食べ物とのこと.
種としては,日本ではノゲイトウと呼ばれるCelosia argenteaが,食用として用いられ,英語では,cockscomb amaranth(ケイトウアマランス),Lagos spinachと訳されることも.
他の食用アマランス(ヒユ等)の葉と,ほぼ同様に用いられ,ケイトウアマランスの方が美味しいとのこと.
葉,柔らかい茎,若い花穂は茹でて食べられ,
ナイジェリアの代表的な料理として,Efo Riro (Nigerian Stewed Greens)があります.
エフォ・リロ(ナイジェリアの青菜煮込み)
アマランスの葉と柔らかい角切りの牛肉を,ザリガニのひき肉で味付けした風味豊かなシチュー.
https://www.seriouseats.com/efo-riro-nigerian-stewed-greens-7091461
「ケイトウは食べられる」と記述した英語のサイトのDeepL翻訳.
https://bernheim.org/featured-edible-garden-plant-celosia/
中央アフリカや西アフリカでは伝統的な野菜で,花が咲く前の若い葉を採取する.茹でたり蒸したりして副菜として食べたり,他の野菜と合わせてスープやシチューにしたり,柔らかい茎と一緒に食べたりする.ケイトウ(Celosia)はインドネシアやインドでも食べられている.
https://avrdc.org/celosia-celosia-argentea/
葉,柔らかい茎,若い花穂は茹でて食べるか,他の食材と一緒にソースやシチューにする.
https://en.wikipedia.org/wiki/Celosia
セロシア・アルゲンテア(Celosia argentea var. argentea)または Lagos spinach(別名quail grass,soko, celosia, feather cockscomb)は,広葉一年草の葉野菜である.
「velvet flower ビロードの花」として知られるメキシコ,南米北部,熱帯アフリカ,西インド諸島,南アジア,東アジア,東南アジアに広く自生し,自生または帰化した野草として栽培されている.中央アフリカや西アフリカの国々では伝統的な食べ物であり,ナイジェリアでは「夫を太らせて幸せにする」という意味の「ソコヨコト "soko yokoto"」として知られる代表的な葉野菜である.
付録
食用のアマランス
なお,アマランス amaranth は,アマランサス属(Amaranthus=ヒユ属)の植物の総称.
▽種子を食べる種
https://en.wikipedia.org/wiki/Amaranth_grain
・Amaranthus caudatus ヒモゲイトウ(紐鶏頭)・センニンコク(仙人穀)・アカアワ(赤粟) love-lies-bleeding, quilete
・Amaranthus cruentus スギモリケイトウ・フジゲイトウ red amaranth
・Amaranthus hypochondriacus Prince-of-Wales-feather
▽野菜として用いる種
https://en.wikipedia.org/wiki/Amaranth
・Amaranthus tricolor ハゲイトウ(葉鶏頭)・ヒユ(莧)・ヒユナ(莧菜)・ガンライコウ Joseph's-coat (= A. gangeticus) ,香菜(シャンツァイ)・ビルム(비름)
・Amaranthus cruentus スギモリケイトウ・フジゲイトウ red amaranth
・Amaranthus blitum イヌビユ(犬莧) purple amaranth (= A. lividus)
・Amaranthus dubius, spleen amaranth
赤で囲った種は,食用に用いられる.