ケイトウを見かけたのをきっかけに,
ナデシコ目 Caryophyllales, Amaranthoideae亜科, ヒユ科 Amaranthaceae
の植物を取りあげています.
(1)ケイトウ
(2)センニチコウとその仲間たち
(3)イノコズチ(イニコヅチ)
今日はその(4)ヒユ/アマランサス
ヒユは,漢字で「莧」.
種としては,Amaranthus tricolorになり,インドネシア,マレーシア,中国では野菜として食べられているとのこと.
ハゲイトウは観賞用に改良されたもの.
:ヒユ科の一年草.インド原産で,古くから栽培されており,現在でも,ときに蔬菜として畑で栽培される.----
漢名,莧.ひょう.ひょうな.ひゅう.ひゅうな.《季・夏》 〔本草和名(918頃)〕 (日本国語大辞典)
:学名 Amaranthus tricolor L. var. mangostanus (L.) Aellen
ハゲイトウは本種から改良されたもので,花序は頂生しない.野菜のバイアム(ヒユナ)は葉が長さ20センチメートルになり,柔らかく,病害虫に強い.(ニッポニカ) ヒユとは - コトバンク
:葉はミネラルが豊富で,野菜として食される.生でサラダにしたり,蒸したりして食べる.インドネシアやマレーシアでは,最もポピュラーな葉物野菜の一つです. https://www.nparks.gov.sg/florafaunaweb/flora/5/8/5891
ヒユ属(Amaranthus)の植物は,紀元前5000年〜紀元前3000年には,アンデス南部のアステア族により、穀物として栽培されていたことが知られ,インカ帝国ではトウモロコシと並ぶ重要作物でした.
アマランサス(Amaranthus)は,属の植物全体を指すことばですが,日本では穀物となるヒユ属植物を指すときにも使われることがあります.英語では,穀物となるヒユ属は”Amaranth grain”もしくは”Grain amaranthus”と呼ばれているようです.
アマランサス粒(左)と小麦(右)
穀実用となる種は
https://www.zakkoku.jp/archives/zakkoku/amaranthus
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/agriculture/lab/plantbreeding/zukanama.html
センニンコク(仙人穀)Amaranthus hypochondriacus,
Amaranthus hypochondriacus - Wikipedia
ヒモゲイトウ(紐鶏頭)Amaranthus caudatas.
Amaranthus caudatus - Wikipedia
スギモリゲイトウ(杉森鶏頭) Amaranthus cruentus (アマランサス・クルエンタス)/Red amaranth(レッドアマランス)
Amaranthus cruentus - Wikipedia
:アマランサスの栽培化は古く,紀元前5000年~紀元前3000年には,アンデス南部の山岳地帯でアステカ族という民族が栽培しており,以来インカ帝国に至るまで,トウモロコシ,インゲンマメなどに匹敵する重要作物であった.
日本には,江戸時代にヒモゲイトウが観賞用として導入され,東北地方では小規模ながら,アカアワなどの名前で食用にも栽培されていた.
カルシウム,ビタミンB₆,葉酸,鉄,亜鉛を多く含む.種皮が柔らかいので,精白しないで全粒で食べることができることは,高い栄養価の一因でもある.一方で独特の香りがあるので,料理に使う量は加減が必要である.(https://www.zakkoku.jp/archives/zakkoku/amaranthus)