11月.いよいよ秋も深まってきました.
いつもの散歩コース,おんめ様(鎌倉大巧寺)の小径の木の実は,最後の輝きを見せるもの,これから色づくものと様々.
まだ青い実もありました.
名札を見ると「ヒメキンカン」.キンズ(金豆),マメキンカン,ヤマキンカンの別名もあるそうです.
英語ではHong Kong kumquat.
キンカン類の中でも,最も原始的とされています.キンカン類は,そもそもが柑橘類の中では原始的な種とされていますから,柑橘類の祖先の一つの可能性があり.https://en.wikipedia.org/wiki/Kumquat
下の図は柑橘類の原種とされているものの系統を示したもの.現在の様々なミカン類はこれらの原種が交雑してできた種と考えられています.
Kumquatがキンカン類(以前はミカン属とは別のキンカン属とされていましたが,今はミカン属に統合されています)ですが,Tachibanaは橘.
Sun Chu Sha Kat は中国のマンダリン類のもっとも原始的な品種です.室町〜江戸時代に中国からもたらされた温州ミカンの祖先は,Sun Chu Sha Cutの流れをくむ品種と考えてよいのでしょうか?
Genomics of the origin and evolution of Citrus | Nature
おんめ様のヒメキンカンはまだ色づいていませんでしたが,その後訪れた妙本寺のカラマンシー(シキキツ/四季橘 特定できていません.もしかすると間違えているかもしれません--)は,きれいに色づいていました.
カラマンシーは,英語では,Calamansi (Citrus × microcarpa) もしくは calamondin.
キンカンとマンダリン(多分)の交雑種と考えられており,フィリピン料理で重要な柑橘類として知られ,フィリピンライム/フィリピンレモンの別名も.
Genomics of the origin and evolution of Citrus | Nature
妙本寺に立ち寄った後,青果店で買い物.
林檎に加えて,早生の温州ミカンが沢山並べられていました.これから正月まではミカンの季節.最近その感覚もやや薄れてきましたが---
このブログで何回も取りあげましたが---
温州ミカンは,紀州ミカンとクネンボの交配種であることが農研機構の先生方の解析で明らかにされています.
実は“謎だらけ”だった温州みかん page.2 - 日経ビジネス電子版 Special
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/161201_1/01.pdf
(二番目のサイトは現在見つからなくなっています)
街をゆき子供の傍を通るとき蜜柑の香せり冬がまた来る 木下利玄 紅玉