竹のお寺報国寺で,桜の花がいくつか咲いていました.「このところ続いた暖かい日和(小春日和)に誘われて,旧暦十月(霜月/小春)二日に咲いた返り咲きの桜」です.  帰り咲く花もありやと尋ね見む小春のどけきさくら野の宮 熊谷直好

昨日,鎌倉浄妙寺を訪れた後,報国寺にも立ち寄りました.浄妙寺のお向かいの,竹林で有名な禅寺になります.

https://www.google.co.jp/maps/search/

 

 

小さなお寺ですが,庭園がきれいに整備されていて,観光客も多く立ち寄る寺院になっています.

 

報国寺と言えば竹林.

小径が竹林を縫って続きます.短い行程ですが散策する価値あり.

 

昨日の浄妙寺に続いて,咲く花を探したのですが,ほとんど見当たりません.

センリョウの実が早くも赤くなっていました.青いままのものもありましたが---

 

黄色い色が先端にあるのは,咲きかけているツワブキ

 

そして,なんと,桜の花がいくつか咲いていました.

 

返り咲きですね.

 

かえり‐ざき かへり‥【返咲】日本国語大辞典 https://kotobank.jp/word/返咲-2020011

①草木の花がその時季でないのに咲くこと。多くは春咲く花が、初冬の頃小春日和が続いた時などに再び咲くことをいう。二度咲き。狂い咲き。返り花。《季・冬》

 

日本国語大辞典には

「初冬の頃小春日和が続いたとき」とありますが,「小春」は,陰暦(旧暦)十月(霜月)の別名です.

今日は陰暦十月三日https://www.ajnet.ne.jp/diary/).

 

昨日出会った報国寺の桜は,

「このところ続いた暖かい日和(小春日和)に誘われて,旧暦十月(霜月/小春)二日に咲いた返り咲きの桜」

ということになります.

 

 

こはる‐びより【小春日和】日本国語大辞典

〘名〙 冬の初め頃の、暖かく穏やかな気候。陰暦一〇月頃の春のような天気。《季・冬》

こ‐はる【小春】 https://kotobank.jp/word/小春-503768

〘名〙 冬の初めの、春に似た温暖な気候。転じて、陰暦一〇月の異称。《季・冬》

 

 

小春日和を詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

帰り咲く花もありやと尋ね見む小春のどけきさくら野の宮  熊谷直好 浦のしほ貝・冬

 

小春日を山おりくれば鵯(ひよ)なきてふもとの川にわたし舟ゆく  金子薫園 小詩国

 

小春日の林を入れば落ち葉焚くにほい沁みくもけむりは見えず  古泉千樫 屋上の土