シダレヤナギ(枝垂れ柳)は,土手などに植えられ風情ある樹木という印象を持っていましたが,樹囲5メートル,樹高20メートル近い巨木も.
同属のハイブリッド種セイヨウシロヤナギトリステスは更に大きくなるとか.
(日本語版ウィキペディアではこの種の画像が「シダレヤナギ」に掲載されていました)
一方,枝振りと同時に若い芽・葉(「柳の眉」と表現されることがある)花(雌花,雄花がある),さらには晩春に熟した実から飛び出す種子(柳の絮=わた)は美しく,古来より多くの詩人・歌人の心を引きつけてきました.
シダレヤナギは
「早春に,萌葱(もえぎ)色の芽を吹き出し,葉が伸びる前,または同時に花を開く.
---晩春に実を結んで熟すと,長い白毛のある綿のような種子をとばす.これが『柳の絮(わた)』であり柳絮(りゅうじょ)ともいう.
---「桃李陰々として柳絮飛ぶ」(王維)など,唐宋詩等に晩春の風物としてよく登場している」(“古今短歌歳時記” 鳥居正博著 教育社)
さかしらに柳の眉のひろごりて春のおもてを伏する宿かな (枕草子 三〇一段) 清少納言
空に満ち照日の下に百枝(ももえ)刺す柳の芽ぶき見の飽かずけり (冬空)一九五〇 岡 麓
ふわふわと柳の絮のまひあがる町のはづれに春はたゆたふ (藤の実)一九二四 四賀 光子
(“古今短歌歳時記” 鳥居正博著 教育社)