深夜,「ファイザー製ワクチン 日本への追加供給は5000万回分」とする毎日新聞の速報(1)がありました.
https://mainichi.jp/articles/20210420/k00/00m/040/341000c
後から分かったところでは,ファイザーとはまだ口約束の段階だそうですが(2)----.
「追加供給は5000万回分」の意味は,東京新聞4月20日朝刊の記事(3)の図と合わせると,
「日本は,第一回目の新型コロナワクチンの投与には,ファイザー製とモデルナ製のワクチンのみを用い,アストラゼナカ製のワクチンは使用しない方針に決定した」
と読み取れます.
極めて希(10万〜100万回投与に一件程度)ながら深刻な血栓の副作用があることがわかったアストラゼナカ社製ワクチン(4).たとえ認可されても日本国民には受け入れられないでしょうから,この決断は当然と思います.
私は,日本政府にしては良くやったと思っていましたが,世の中の評価はそれほどでもなさそう.
ワクチン接種の遅れが余りにひどく,ファイザーかアストラゼネカかなどは二の次のような状況だからでしょう.また,政府も“アストラゼナカのワクチンが使えそうもないからファイザー社と新たに交渉した”とは説明していないので,何のことやらよく分からないという人の方が多いのかもしれません.政府の隠蔽体質の結果,せっかく良い返事をもらってしたり顔で帰国しても,余り褒めてもらえなかったというところでしょうか.
血栓誘発の副作用は,アストラゼナカ製に加え,ジョンソン&ジョンソン製のワクチンにも見られることが分かっています.(5)
日本を含め,お金持ちの国々は,深刻な副作用の報告がないファイザー製のワクチンが使えるので,とりあえずホッとできるものの----(6)
パンデミックの終息の切り札して期待されていたこの二つのワクチン.これらがどこまで使用されるか,使用できるかに,世界的な規模のパンデミック終息がかかっている----
ベクターを利用した中国,ロシア製のワクチンにも同様の副作用があっても全くおかしくないようにも思えます.この副作用のメカニズムの解明,そして克服の筋道が描かれることを期待.(7) もう一つの大きな問題ー変異株への対応(8)ーとともに.
それにしても,日本の接種の遅れ!
気長に待つしかない.
その間に,第4波到来.
第5波,第6波---?
オリンピック!?
(1)
「ファイザー製ワクチン 日本への追加供給は5000万回分」
社会 速報
毎日新聞 2021/4/20 22:22(最終更新 4/21 01:05)
https://mainichi.jp/articles/20210420/k00/00m/040/341000c
新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、政府が米製薬大手ファイザー社との間で合意した追加の供給量が5000万回分になることが20日、明らかになった.ファイザーからは既に契約している分と合わせて9月末までに計1億9400万回分の供給を受けることになる.
国内で実用化されているのは現在ファイザーのみだが、政府はいずれも薬事承認審査中の米モデルナと5000万回分、英アストラゼネカと1億2000万回分の調達契約を結んでいる.アストラゼネカについては、欧州で接種後にまれに血栓が生じた事例があり、厚生労働省での審査の難航が見込まれていた.
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https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2778876
What are the Indian, Brazil, South Africa and UK variants? - BBC News
Vaccine efficacy probable against COVID-19 variants | Science