▽大阪で広がっている変異株(英国タイプ)は, 20歳未満の子供たちにも従来株以上に感染している.10代 従来株 7.3% ⇒ 変異株14.3%, 10歳未満 従来株2.7% ⇒ 変異株7.6%. ▽西浦氏「厚生労働省からの変異株に関する情報公開が遅れた」 「変異株の流行に関する情報は回収されて公表されていませんでした」 ▽ジョンソン&ジョンソンのワクチンにも血栓誘発の疑いが

今日は別の話題にしようと思いつつ,ネット検索を重ねていましたが---

 

“大阪では過去最多905人の新規感染者が確認され,シミュレーションでは4月14日で1400人を越えると推計” 

等の記事を見て,結局,またまた新型コロナの話題に.

いくつか気になる点を羅列してみます.乱雑ですみません.

 

▽大阪で広がっている変異株(英国タイプ)は, 20歳未満の子供たちにも従来株以上に感染している.

 

NHK「変異ウイルスの割合 30代以下が約6割」として次の図を提示していました.

変異ウイルスの特徴・最新情報|NHK

f:id:yachikusakusaki:20210411015709j:plain

しかし,この図にこのような標題はつけるのは間違いでしょう.なぜなら30代,20代の割合はほとんど変わっていないのですから!

第3波(10/10〜2/28)⇒変異ウイルス陽性者(〜4/5)の変化を見ると,

30代 13.4% ⇒ 11.8%, 

20代 22.2% ⇒ 24.5%

そして

明らかに増えているのは10代と10歳未満!

10代 7.3% ⇒ 14.3%

10歳未満 2.7% ⇒ 7.6%

 ;45.6-(13.4+22.2+7.3)=2.7%, 58.2-(11.8+24.5+14.3)=7.6%

 

従来株は子どもに余り感染しないとされてきましたが,英国型変異株は子供たちにも同程度に感染すると言われてきました.

大阪の感染データは,このことを裏付けているように見えます.

小中高等学校,幼稚園,保育園での感染が心配です.

 

しかし,NHKはどうしてこのようなまとめ方をしたのでしょうか?

大阪府の発表がこのようなものだったのでしょうか?

新しい局面で若者の行動変容を促すために,無理を承知でこのような標題をつけた?

子どもへの感染を強調したくなかった?

 

追加4/11

NHKの資料は,第44回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議で配布されたものでした.

大阪府/第44回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議

大阪府は「20代30代の感染の増加が“第四波”の特徴」という捉え方をしているようで,変異株についてもそのストーリーを「強引に(?)」あてはめたと思われます.

これは本来してはいけないこと.大きな間違い(例えば小中学生への配慮の遅れ)につながらなければいいのですが.

 

▽変異株の広がりについての情報公開が遅れた? そして,「大阪をはじめ感染者が現時点で既に多過ぎて,調査が追いつかないところまできています」「大阪ではICU(集中治療室)に入っているか,人工呼吸をつけている重症患者が増加しており,既に重症病床の9割を占めていて,このペースで患者が増えると間違いなく重症患者があふれます」

 

BuzzFeed京都大学西浦博さんへのインタビュー記事を掲載しています.(いつものことながら,西浦さんによる現在の感染状況の広がりへの警告は重みがあり,一読の価値ありです)

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nishiura-20210409-1

その記事の冒頭で,気になる発言がありました

厚生労働省からの変異株に関する情報公開が遅れた」

「変異株の流行に関する情報は回収されて公表されていませんでした」

私が気にしていた,大阪・東京のデータがなかなか報道されなかったことも,そのせいかなとも思ったりしますが---

このような重大な情報の公開を遅らせていたとしたら,これは大問題と言ってもいいような気がします.

 

西浦さん「場所によって,流行状況が全然違います.これは厚生労働省からの変異株に関する情報公開が遅れていたことも原因があると思います.

アドバイザリーボードの資料の中に,僕や国立感染症研究所感染症疫学センターセンター長の鈴木基先生が出した変異株の分析が4月7日に突然加わっています.それまでの議論では,変異株の流行に関する情報は回収されて公表されていませんでした」

 

 

アストラゼネカ社製ワクチンに続き,ジョンソン&ジョンソンのワクチン(=系列のヤンセン社製ワクチン)にも血栓誘発の疑いが

 

この内容については,日本の新聞各社も報道していますが,アメリカCNNの記事をDeepL無料翻訳したものを掲載します.

 

April 9, 2021

J&J,稀な血栓症の症例を「認識」するも,自社ワクチンとの「明確な因果関係はない」と発表

CNN ジェン・クリステンセン

https://edition.cnn.com/world/live-news/coronavirus-pandemic-vaccine-updates-04-09-21/h_4753c9675ac02daa4f73a77164c80b28

edition.cnn.com

ジョンソン&ジョンソン社は公式声明の中で述べています..

「すべてのCovid-19ワクチンで報告されている血栓塞栓症(血栓)があったことを承知しています」

「副作用を綿密に追跡した結果,ワクチン接種後に少数の非常に稀な事象が発生していることがわかりました.現時点では,これらの稀な事象とヤンセン社製COVID-19ワクチンとの間に明確な因果関係は認められていません」

この声明は,金曜日に発表したもの.

J&J社は,専門家や規制当局と緊密に連携し,データを精査しているとしています.

 

同社は,Covid-19ワクチンを接種して重篤な症状が出た人は,直ちに医療支援を受けるべきだとしています.

症状としては,息切れ,胸の痛み,脚のむくみ,持続的な腹痛,神経症状,過剰または容易なあざ,注射部位を超えた皮下の小さな血斑などが考えられます.

 

今朝方,欧州医薬品庁(EMA)は,ジョンソン&ジョンソン社のCovid-19ワクチンと血栓との関連性の可能性を検討していると発表しました.

EMAによると,ワクチンを接種した後に血栓が発生したという重篤なケースが4件報告されているとのことです.血栓がワクチンと関係しているのか,他の医療問題と関係しているのかは不明です.

 

April 9, 2021

J&JのCovid-19ワクチンと血栓の関連性の可能性を欧州の規制当局が調査中

CNN ジェン・クリステンセン

 https://edition.cnn.com/world/live-news/coronavirus-pandemic-vaccine-updates-04-09-21/h_4753c9675ac02daa4f73a77164c80b28

欧州医薬品庁(EMA)は,ジョンソン&ジョンソン社のCovid-19ワクチンと血栓との関連性の可能性を検討しています.

 

EMAによると,ワクチンを接種した後に血栓が発生したという重篤なケースが4件報告されているとのことです.血栓がワクチンと関係しているのか,他の医療問題と関係しているのかは不明です.

 

1件は臨床試験中に発生したもので,他の3件は米国でのワクチンの展開中に発生したものです.そのうち1例は死亡したとのことです.

 

J&JのCovid-19ワクチンは,3月11日に欧州連合EU)での使用が認可されましたが,EUではまだ展開されていません.EUでの展開は今後数週間のうちに開始されることになっています.現在,J&Jのワクチンが供給されているのは米国のみです.

 

パンデミック対応説明責任委員会は,血栓症の事例を調査しており,調査が完了した時点で判明したことを発表する予定です.