さあ,続いては
「味付けはこれで決まり!レモンで作る万能調味料」
2軒目は生口島のお隣,高根島にあります.
「こっちあがっていきますよ」「立派なおうちですよ」
「あらお母さん,お父さん」
迎えてくれたのは,レモン農家歴30年の仲田雄三さん,妻佳子さん.
「収穫したレモンちゃんを--」
「収穫してきたやつを---」「はい」「これで選果して,丁寧に1個1個見て,それであっちこっちわけて」
収穫したレモンを選別するのも農家さんの仕事.本の小さな傷があっても果汁にして使う.
加工用になってしまうことがあるんだそうです.
厳しいんですね.
「小さい傷が見えづらいんです」
「どういうのが小さい傷?おかあさん」「こういうね.赤い点があるんですよ」
「はい,分かります分かります.これ何なんですか?この赤いやつ」「トゲが,風であたる」
「あの枝にあった」「あれ.トゲがあたってこう傷になると.これが当たったら,もうアウト.ここに入れない」「入れない.加工用に」
「え,これだけで?腹立つね〜」「暗かったら見えないのよ.それで明るくして」
「これはロケ用じゃなくて,実際にこれくらい明るくして」「そうよ」
「何で怒ってんねん.腹立つよね」「ね!」
そんな,傷がついたレモンを活用したのが万能調味料なんだそうです.
「こんにちは」
次男の妻,史乃さんと,お孫さんが待っていてくれました.
早速レモンで作った調味料を見せていただきましょう.
「塩レモンの一年物.塩レモン二〜三週間,これが,レモンコショウ.これがはちみつレモン」
瀬戸田農協の農家さんは,こうしたレモン調味料を常備しているそうです.中でも塩レモンは,さわやかな香りと適度な酸味と塩加減で,味に深みが出せるんですって.
「塩レモンって有名なんですか?」「今,すごいはやってるみたい」「へ〜」「簡単ですからね」
万能調味料
(1)塩レモン
材料 レモン(3個)、粗塩(500g)
作り方
①レモンは輪切りにしておく
②消毒しておいた保存容器に①と粗塩を交互に5回ほどに分けて入れ、
隙間がなくなるよう中身を整える
③②を常温の日の当たらない場所に置き、1日1回、容器を振ってかくはんする
2週間ほどすれば完成 ※保存容器は1リットル以上の物を使用するとよい
※1カ月ほど経つと、味がまろやかになる
(2)はちみつレモン
材料 レモン(2個)、はちみつ(250g)
作り方 ①レモンを輪切りにする
②①を消毒した保存容器に丁寧に並べながら入れはちみつを入れ、3日~1週間で完成 ※はちみつを入れる際、スプーンなどでレモンをずらしながら、むらなく漬かるようにする
(3)レモンこしょう
材料 レモンの皮(5個分)、レモン汁(1/2個分)、塩(7.5g)、青唐辛子(50g)、
作り方
①皮の黄色い部分を使うため、内側の白い部分が入らないよう、ピーラー等で皮をむく
②青唐辛子は半分に切り、タネをとり除いて荒めに刻む
③フードプロセッサーに①と②、レモン汁と塩を入れペースト状になるまでかくはんする
④あらかじめ消毒しておいた保存容器に入れ冷蔵庫で1~2週間おけば完成 ※最初は塩分が強めに感じるが、冷蔵保存するうちに、徐々にまろやかになる
「改めて,これが」「2週間から3週間の塩レモン」
「どんな匂いかちょっと匂い嗅いでください」「いや,ずっとレモンの香りだ」「でも,何か美味しそうな感じしますね.2週間から3週間ぐらい」「うん,しょっぱい」「ハハハハハ,しょっぱいよね」
「これが万能調味料ってことは,いろんなものに足していくわけでしょ?何に足すんですか?」「今日は,お鍋に足します」
塩レモンを使ったお鍋,作っていただきましょう.
おしょうゆベースの出汁に,きのこや白菜などの野菜,そして,豚肉や広島特産の牡蠣をぜいたくに入れます.
そこにしぼったレモン果汁を加え,一煮立ちさせたら,大根おろしとスライスしたレモンをお鍋いっぱいに敷き詰め,ここで,塩レモンを投入.
あとは,蓋をして二三分待つだけ,
「いいとこ来ました.来ました.アハハ,来ちゃった」(梅沢さん,近寄って来たお孫さんを抱いて嬉しそう)
料理1
塩レモン鍋
材料
レモンスライス(1と1/2個分)、塩レモン(大さじ1)、大根おろし(400g)、あさり(1パック)、牡蠣(1パック)
豚バラスライス(300g)、しいたけ(5個)、えのき(200g)、長ねぎ(1本)、白菜(300g)、
もやし、豆腐(200g)、黒コショウ(適量)
<だし>
だし汁(2L)、薄口しょうゆ(大さじ6)※おしょうゆの量は味をみながらお好みで、レモン汁(75ml) ※仕上げに塩レモンを入れるため、薄い味付けにするのがポイント
作り方
①だし汁を温め、薄口しょうゆを加える。 ②食べやすいサイズに切った野菜、肉、貝などの具材を鍋に入れたら、レモン汁を加えて、具材に火が
通るまで加熱 ③具材に火が通ったら、大根おろし、レモンスライスを鍋いっぱいに敷き詰め、中央に塩レモンを投入。
フタをして、レモンが少し柔らかくなるまで2~3分ほど煮る。最後に黒こしょうをかければ完成
※煮込みすぎるとレモンから苦みがでるため、食べる前に一旦取り出し、小皿に取り分けた際に、再びのせる。
もう一品は,レモンいなりずし!
「中に何が?」「中にはちみつレモンが入っています.刻んで,それとちりめんじゃことゴマが入っています」
料理2
レモンいなりずし
材料
はちみつレモン(6枚)、はちみつレモンのシロップ(50ml)、
ちりめんじゃこ(20g)、いりごま(15g)、レモン汁(大さじ2)、すし酢(大さじ4)、
ご飯(3合)、油あげ(10枚)、だし汁(3カップ)、砂糖(大さじ2)、濃口しょうゆ(大さじ1/2)
作り方
①油あげに湯をかけて油抜きをする。熱がとれたら、水気をしぼり半分に切る
②鍋に、だし汁、砂糖、濃口しょうゆを入れ、ひと煮立ちさせる
③②に油あげを入れて落し蓋をし、汁気がなくなるまで時々返しながら煮る
④はちみつレモンは荒くみじん切りにし、ちりめんじゃこ、いりごま、はちみつレモンのシロップと一緒に鍋に入れ、水分がなくなるまで煮詰める
⑤ごはんにすし酢とレモン汁を加えて酢飯をつくる
⑥⑤に④を加え、軽く煮汁をきった③に詰めれば完成
「じゃあ,ちょっと梅沢さん」「いただきます.私ね.お稲荷さんに目がないんですよ.」
「いいですね.おいなりさん」「おいなりのトミーって言われてるんです」(笑い)
「いろんなトミーがあるんですね.おいなりトミーとか」
「いただきます.うん,あっ,このおいなり.レモンが入ってさっぱり.いいねえ.このおいなりいい.いけるよ」
「あっ.レモンの程よい甘さ.いいですね.これ」
「いいですか?」
「なんか,ほんと,おやつ代わりにもなるおいなりさんですよね」「よく,子どもも食べるんですよ.孫も」
よくわかります.そろそろお鍋もできたみたいですよ!見た目もさわやかな塩レモン鍋.おいしそうです.
https://www.facebook.com/NHKonline/posts/3366707060022602/
「これでレモンの香りが鍋じゅうにふわ〜っと入ってるから」「そうそうそう.で,果汁も入ってるんですよ」「なるほどね」
「だから,レモンのええとこだけを鍋が.これ,もう,家でよく---,定番鍋メニューですか?」「あまりしない.ははははは」
「ハハハハハハ」
「正直でいいじゃない.だって,毎日見てるものね.つらみてりゃ,なかなか,あんた.食べたいとも思わないわ」「ははははは」「でも,おいしい」「ハハハハハハ」
「おいしいと---.美味しいっていうのは分かった」
「かあちゃん,いいお味よ」「そう?」
「最後にとどめに,ほら.この3週間分のやつ,ポンと入れたじゃん.あの塩分がちょうどいい」
「え〜.3週間分のやつ,塩レモン入れたら,ちょうどいい?」「ペロってなめて『しょっぱい』って言ったでしょ?あれ,そのまま食べるやついません」
「あっ.美味しい!」「あっ,そう?」
「ハハハハハハ」
「『あっ,そう?』やないよ」
「この調味料がいい仕事してるね!」「ありがとうございます」
「食べたら?お母さん.」「そう?」
「おいしいから.めちゃくちゃおいしいから」「味見もせずに」
「いやいや,かあちゃん,これ大成功ね」「あっそう」
「おつゆおいしい」「ああ,ああ」
「ねっ」「まあね」
「ハハハハハハ」「こんなもんでしょう」
レモンの調味料使ったアイデアレシピ.
ごちそうさまでした.