二軒目は,
『義父にあこがれてのり師へ. 絶品!真っ黒鍋』
海苔1 1軒目
海苔2 海苔って何?
「のり鍋,のり鍋.のり鍋,のり鍋.こんにちは」
迎えたのは,のり師の島内啓治さん,妻智子さん,山田崇弘さん,妻絵律子さん.
「緊張してますか?」「緊張してます」「大いに緊張して下さい」「いつも見ているお二人ですから---」「いえいえ」
「娘のお婿さん?それで,のり師を継いでると」「はい」
「お父さんに憧れて?」「はい」
「かっこいいですか?お義父さんは」「お義父さん.かっこいいです」「どういう所がかっこいいですか?」「のりを見て,海のこととか全て分かるところ」「なるほど」
「だって,娘が,もう,ずっと下向いて笑ってますけど」「ハハハハハ」
お二人は10年前,崇弘さんの地元,岡山県で出会い,結婚.
崇弘さんは,絵律子さんの実家に帰省したときに,お義父さんからのりの話を聞いて,憧れを募らせていったそうです.
そして,結婚から1年後には,佐賀に移住.今ではお父さんと一緒に海に出てのりを作っています.
「へ〜,それを言われた時は,反対しなかったんですか?」「いやや,いやでした.ははは」
「そりゃそうだよね.娘として生まれてさ,周り海苔だらけになってるわけだから」
「海苔すんの.嫌や〜って思った.でも,おとうさんからすると,嬉しいでしょ?お義父さん,ちょっと,俺ものり師になる,って言われたら?」
「もちろん,嬉しかったんですけど,やっぱりね.大変なんでね.どうかな〜.先々どうかな〜っていう心配もありました」
「それはあるわな.不安はありますよね.だって,ほら,海出ていくわけだからさ」
「今んとこ,全くやめようとおもったことはないでしょ?」「それはないです」
「もう,何年やってるの?」「9年」
「あ!ほら,もう9年やったら,もう.じゃあ,もう9年やった?」「はい」
「どうですか?おやじさん.筋は」「まあ,多分,幼稚園生ですね」
「まだ?」「ええ」
「いや,普通,小学生ですよ」(笑い)「幼稚園から習いに行くでしょ?」
「まだ,幼稚園.9年やって幼稚園?」
それだけ,けわしい道だっていうことですね.
それでは,海苔のお料理,作っていただきましょう.
「何を作ってくれるんですか?」「のりチップっていうのがあるんですけど」
「のりチップ」「聞いたことないですね.のりチップ」
「よくつくってたんですよ」「小さい頃から」「見よう見まねでやってるんじゃないですかね」
「海苔はいっぱい家にあるじゃないですか.これはおやつ感覚で,学校から帰ったら」
「ぜいたくなおやつですよ.これ」
オリーブオイルを薄く引いて----
料理1: お留守番の味!のりチップ
レシピ(BSプレミアム) - 梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ! - NHK
材料: 板のり(10枚),オリーブ油(大さじ1),塩(適量),ごま(適量)
作り方:
①フライパンにキッチンペーパーでオリーブ油を薄く塗り,フライパンを熱する.
②フライパンをいったん濡れ布巾に置いて熱をとり,温度を調整する
③再び火にかけ,のりを入れ,オリーブ油を塗りながら,片面10秒ずつ焼く.
④のりを皿に取り,熱いうちに塩とごまを振る(熱いうちにかけないと,すぐとれてしまう)
⑤②~④を10枚分繰り返し,重ねて一口サイズに切れば,完成.
「娘さんはどうなの?漁に出たことあります?」「はい,最近は海に.カッパ着て」
「小さい頃はね,ピクニック気分で来てましたよ」
「ちっちゃい頃はね.楽しいから行くじゃないですか.ほんで,何かね.やっぱり,東京に憧れたりとか.大阪に憧れたりするから,岡山いったわけでしょう?」「ウッフ」
「そこで結婚して岡山で何かこう楽しい都会の生活をと思って」「はい」
「気付いたら佐賀に帰ってきて漁やってる」「カッパ着て」「ハハハハハハ」「運命だと思うよ」
「私はね,結婚式の時,ワンワン泣いたんですよ」
「離れんの嫌やとか.娘大好きやから,わんわん泣いて」「恥ずかしかぐらい泣きましたよ」「周りから,ひんしゅく買いましたね.ちょっと,もう,声が出てたんですよ」「ハハハハハ」
「おえつ」
「そして,一年したら戻ってきたので.何か.あれ?って.もちろん,嬉しかったんですけど」「ははは,うれしいうれしい」「何かね,あの----拍子抜けしましたね」
のりチップに戻りましょう.焼いて味付けした海苔を10枚ほど重ね,食べやすい大きさに切ります.
「音がいいですね」「音がいい」「サクサクサク---と」
「確かに,これ,おやつ最高ですね」「これだけあれば,もう.友達と一緒に」「おおざくっと」
「お酒のつまみにもいいですもんね」「確かに確かに」
娘の絵律子さんが,子どもの頃,よくつくっていたのりチップです.
「のりチップ.いただきます」「どうですか?」
「あ!ゴマの香りと海苔がまた一塩でおいしい」「おいしい.これ,どちらかというと,だから,その韓国海苔の,もうちょっと歯ごたえがしっかりしてる感じですよね」「うまい」
「ずっと食べれる.確かにおやつ.のりチップ.ただ,あの----さっきは海苔焼いて食べて,それでのりチップで----俺,今日,朝から何も食べてないんですよね.そろそろ---」
「お任せ下さい」(笑い)「お願いします」
続いてはいよいよ真っ黒鍋です.
「これが,バラ干し海苔といいます」
「バラ干し海苔?」「摘んで水洗いして,そのまま干して.一番最初に梅沢さんが食べたじゃないですか」「生でね」
「あれを干したやつっていうことですか?」「干して焼いたんですね」
「焼いたやつ.ちょっとすみません.(食べてみて)ふ〜ん.磯の香りがする」
これを,白菜,豚バラ,鶏団子などがたっぷり入ったお鍋に.
「この中にガサッと」
「真っ黒になるぐらい.これは佐賀ののり師の皆さんは,こういう料理を食べたりもする」
料理② バラ干し鍋 (真っ黒鍋)
レシピ(BSプレミアム) - 梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ! - NHK
材料: バラ干しのり(15g),白菜(1/4個),豚バラ肉(260g),鶏だんご(240g),鶏もも肉(240g),豆腐(1丁),にんじん(1本),ねぎ(1本),しいたけ(4個),しめじ(1/2パック),
<スープ>
水(500mL),いりこだし(1パック),昆布(5g),砂糖(大さじ1),
薄口しょうゆ(大さじ2)
作り方:
①鍋に,水,いりこだし,昆布を入れて火にかける.
②煮立ってきたら昆布を取り出し,砂糖,薄口しょうゆを加え,混ぜる.
③のり以外の材料をすべて加えて,煮込む.
④食べる直前に,バラ干しのりをたっぷりのせて,完成.
「海苔は好きですか?」「大好きです」
「あら〜!」「もう,海苔に埋もれたいですよ」(笑い)
「これから,『農家メシ!』のギャラ,海苔であげますよ.海苔十枚!NHKから,海苔十枚でお願いします」「降りるわ!」
今回は,醤油ベースのスープですが,バラ干し海苔は,どんなお鍋にも合うそうです.
「いただきます.いただきます.おつゆもちょっと下さい.どうですか?」
「うまい」「うまいよ.だってそりゃ---」
「やられました.だしなんか,もう,どうでもいいっていうぐらいの海苔がしっかりからんで.海苔だしだけでも,十分のだしだもの」
「ね〜.あっおいしい.海苔でほんとお出汁でてる.おいしい.だんだん,だんだん海苔がね,トロ〜ンとしてきて,いいですね.とろけていいですよね」
「ラーメンとか,おみそ汁に入れてもおいしいです.はい」「これは,でも,家族とか親友やないと,あんまり知らないもん同士でいると,口ん中,真っ黒になって---」(笑い)
「やっぱり家族で.何か---(更に海苔を足してくれた)ありがとうございます,そんだけだったら入れなくていいです」(笑い)
のり師の家庭の味.のりチップと真っ黒鍋.ごちそうさまでした.